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『ほんとうに映った!監死カメラ3』で突発的に起きてしまった「キンタさん事件」の恐怖【フェイクドキュメンタリー幻視行】

このところコツコツと続けている『ほんとうに映った!監死カメラ』シリーズのレビュー。

今回は第三弾の『ほんとうに映った!監死カメラ3』について、私の感想を述べさせていただきます。ちなみにこの回にて、このシリーズのファンにとっては後々大事なキーワードとなる「キンタさん」事件がカメラに収められることになりますよー!

まず、そもそも、おさらいとして・・・以前の記事でも何回か申し上げてきたように、

この『監死カメラ』というシリーズは、最初は、ありがちな「怖い動画を紹介していくビデオシリーズ」だったものが、

だんだん、前田さんとか金田さんとか寺内監督とか、スタッフ自身が名前と顔を出して登場し、

心霊動画が投稿された現地に取材に行って本当に怖い目にあったり、あるいは、投稿者の人にインタビューに行ったらその投稿者ご自身がエキセントリックなキャラで酷い目に遭わされたり、という、突撃ドキュメンタリー形式に進化していきます!

ただそのスタイルが確立するは、もう少しシリーズが進んでからのこと、、、と思いきや、

この第三作で、後年のスタイルのその片鱗は、既に確認することができます。アシスタントの金田(かねだ)さんが、顔出し・名前出しで登場しまして(※金田さんはこの後、本シリーズの顔ともいうべき、常連の「登場スタッフ」さんとなります)、

ファンの間で後年までしつこく語られることになる、通称、「キンタさん事件」を被弾するのです。

では、キンタさん事件とは何か?

これは、本筋とはあまり関係ない事件といえば、まあ、関係ないんですが、

地下アイドルのライブ映像に映り込んでいた制服姿の少女の影、という心霊映像について、

製作陣が、当の地下アイドルのインタビューに出かけた時に起こること。

この地下アイドルの心霊動画劇は、一種のミステリーのような展開になりまして、

最初にインタビューした時、この地下アイドルの女の子は、「私は霊感があるので、自分で理解している、あの幽霊は中学時代に仲が良かった同級生だ」と証言します。

ところが、制作スタッフが取材を続ければ続けるほど、

・その地下アイドルの子は中学校ではいじめられていて友達などいなかったこと

・「あれは〇〇ちゃんの霊だ」と名指しされた人は現在生きていること(勝手に死んだことにされてた)

・そもそも、中学時代に子役として芸能活動をしていたのはその〇〇ちゃんのほうであり、地下アイドルの子はその〇〇ちゃんに嫉妬してアイドルを始めた、というのが時系列的には正しいらしい

・ということは、「心霊動画が映っていました!」という取材が来た時に、「それは中学時代の〇〇さんの霊に違いない」とカメラの前で答えていたのは、意味不明な言動であり、というか、悪意が感じられない?

というわけで、制作スタッフは何度もこの地下アイドルの女の子にインタビューを繰り返し、新証拠を突きつけられるたびにこの地下アイドルの嘘が露呈し、

幽霊の正体暴きのつもりが、実に後味の悪い人間関係のドロドロが暴かれる上に、この地下アイドルの女の子のことを視聴者はどんどん信じられなくなっていく、という、ある意味で幽霊よりも怖い世界が露呈してくるのです!

いやー、怖いですねー、重いですねー、見ていて暗澹たる気持ちになりますねー、この地下アイドルの子はこの後大丈夫なのでしょうかねー

ていうかこの子については多分、心のケアを一度入れたほうがいいですねー、なんか過去に闇がありそうですね…「この間のは嘘をついたんじゃなくて、あれはアイドルとしての設定ってやつですよーニヘラニヘラ!」ってしてるけどなんかもうこの子の将来が一番「怖い」…

そして問題となるのは、この地下アイドルが、

「私、霊感があるんです。どなたか霊視しましょうか?」

と、最初のインタビューで言ってきた時。

まあ結局、この子に霊感があったのか、それとも、霊感があると言っていたのも「設定ですー」ってことだったのかは、最後までナゾのままとなりましたが、

このアイドルが大真面目に、スタッフの一人、金田(かねだ)さんの霊視を始めて、

「キンタさんって、〇年前にこういうことがありませんでしたか?」
「キンタさんの運の悪さは髪型を変えると改善すると思うんです」

と、ずーーっと、名前を間違えて「キンタさん」と呼び続けるんです。「このアイドルには霊視能力があるのか?本当なのか?まずは彼女が霊視をしている映像をみなさんも見てほしい!」っていう、心霊動画としてはかなり大事なシーンの筈なのに、ですよ!?wwwこの緊張感の中で、カメラも静かーに、地下アイドルの「霊視」なる行動を写し続けている中で、ずーっと「キンタさん」と繰り返されるの、だめだ、笑いを堪えられない!!😆

「、、、ていうか、霊視も何も、名前から間違ってんじゃん」とか、

いや、金田(かねだ)さんも、『あのう、名前間違ってるんですけど?カメラ止めて、もっかい最初からやり直しましょうか?』とか言えば良いのに!」とか、いろいろツッコミたくなるんですが、

私個人の考えでは、『監死カメラ』スタッフ、ぜったい、「キンタさんて、、、こりゃ、おいしいわーwww」と思って、誰も訂正の声をあげずにそのまま撮影続行しましたね。ちょっと意地悪を感じるなーこのスタッフにはw

そしてこの回の顛末のせいで、本シリーズの常連スタッフの一人である金田(かねだ)さんは、ファンからのコメントやツイート内ではすっかり「キンタさん」の愛称で呼ばれる愛されキャラとなり、これ以降の『監死カメラ』シリーズでは欠かせない「顔」となっていくのでした。

まあ、これがキンタさん事件の顛末なのですが、

重要なことに、気づいていただけましたかね?

そうなのです!

この話、途中から、地下アイドルの子の怪言動と、周りの人間関係のドロドロに視聴者の興味を向けていくのですが、最後に、視聴者は気づくわけですね?

「あれ?でもそうなると、そもそもの取材の発端となったあのライブ映像に映っていた不気味な制服姿の幽霊は、結局、誰の幽霊だったの?、、、あの幽霊の正体がなんだったのかは、謎が深まったままになっちゃった!!」

ということです。

構成がうまいですねーー!この『3』はシリーズ初期にして既に忘れがたい傑作の1本ではないでしょうか!


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