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脳科学者が「SMAPに騙されずモーツァルトを聞け」と言ったことに、マイルス・デイビスファンの私が大いに困ったこと

「どーでもいいじゃん!w」

が、私がこの脳科学者のポストに申し述べたいことのすべてです。

何の話かというと、ジャニーズ問題について、

某脳科学者が、「SMAPや嵐に騙されてきた人はモーツァルトのような本物の音楽を聴いていないからだ」というような意味のことを投稿して炎上した話です。

いや、はっきり言って、これほどしょうもない投稿も、なかなかない。

ジャニーズの性加害問題とSMAPや嵐のクオリティの問題はまるで関係ないこと、とか、ゆえにこの時期のポストとして適切でないこと、とか、またジャニーズ事務所に問題があったとしてもジャニーズファンの人たちには何の罪もないのになぜか攻撃してること、とか、そこで出す名前がモーツァルトと教科書的すぎてうろたえること、とか、そもそもやけに口調がエラそうなのでイラっとすること、とか、とかとか、とかとかとかとか。

スターウォーズ『最後のジェダイ』の老ルークならズバリ言ってくれるでしょう。

「ふむ。素晴らしい。いいぞ。というのも、お前が言ったことは最初から最後までぜんぶ間違いだからだ。ここまで間違いだらけなのは見事だ」

とね。

さらに付け加えるなら、この脳科学者の言ったことは、有名な脳科学者のコメントだからあまりにツッコミ喚起してしまっただけで、どこかの酔っぱらいのオッサンが居酒屋で同じことを周りのお客さんに演説打ち始めた中で言ってたら、なんの炎上にもならなかったでしょう。「はいはい、おっさん、あんたはジャニーズ問題もSMAPも嵐もよく知らないのに、ニュース見てたら何か言いたくなっちゃっただけなのね?さあ、もうおうちに帰んなよ?タクシー呼んであげるからさ」とね。

だから、あんまり怒ることでもない。先日のトリチウムに対する社会学者の炎上コメントは(私を含めた)日本全国の真面目な理解を本気で怒らせたが、この脳科学者の発言は、ぶっちゃけ、どーでもいいw

しかし、気になる点は一箇所ありますね。

この脳科学者の頭の中では、「本物の音楽と偽物の音楽」があるらしい

いや、これこそ、私が相入れない考え方です。

何を隠そう、私も大変な音楽オタクなのですが、

それこそ、J-popから、洋楽ロックから、メタルから、ジャズから、インド民族音楽から、クラシックから、本当になんでも聴くので、

「○○というバンドが本物だ」「○○というジャンルこそ本物だ」という言説には悩まされて生きてきたこと。

「洋楽ロックが好きな奴はカラオケなんか行かない」←え?私はビートルズ、ビーチボーイズ、キンクリ、カートコバーン好きですが、カラオケに誘われれば出かけてJ-pop歌いますよ?いけませんか?

「音楽はクラシックと、低俗な大衆音楽に分かれている」←リゲティを聴いて、その次に、メタリカを聴いたりする私はおかしいのだろうか?

そういえば私には困っていることがある。そんなふうに、いろいろなジャンルの音楽が好きな私ですが、特に好きなミュージシャンは、マイルス・デイビスだったりする。

ところがどうも今時、マイルスほど困ったポジションにいる人もない。「高尚な音楽好き」からは、「マイルス?あれは大衆音楽だ!」と言われ、今時のポップス好きからは「マイルス?気難しいおっさん音楽マニアが聴くもので、お高く止まりやがって」と呪われる。どっちやねん。

だがしかし、こんなふうに、「どんなジャンルにも収まりが悪い」アーティストであることが、マイルスの魅力だし、ジャンルとかなんとかを横断したがる私に合ってるのかもしれない。

「え?マイルス?こてこてのジャズの人でしょ?」

という人は、たぶん、この辺りの時代の印象が強すぎるのだ↓

だが「モダンジャズ」やってたマイルスは、その枠内でも、こんな↓モダンジャズの最終形態みたいなところに行っていたわけだし、

こんな途方もない、「ジャズでもロックでもない、、、これはいったい、なんだ?」というアルバムを産んだ。しょうがないからこれは「フュージョン」という意味不明なカテゴリで呼ばれている↓

だがそれでもマイルスは停止せず、もっとワケのわからない、しかし最高にグルービーでハッピーで、麻薬のトリップのようにイカれた、こんな音楽も産んだ。私はこのアルバムが大好きだが、こうなるともはや人は「フュージョン」というカテゴリも与えなくなった。私もこれがジャンル的になんの音楽なのか呼びようがない、だが、途方もなくハッピーでエネルギーをもらえる音楽である、としか言えない↓

私に言えることは、こんなふうに、ここの音楽好きにとって、

自分の好きな曲の、ジャンルがどうとか、古いか新しいかとか、高尚か低俗か、とか、そんなこと、本当に、どーでもいい

だって、好きなミュージシャンや、好きな曲との出会いなんて、恋愛感情と同じ、

「私には、これが、たまらなく、良いの!それが、出会った瞬間に、ビビッときたの!それだけ!」ってことじゃないですか。

そんなふうに言い切れてなんの問題もないことが音楽の最高なところだと思う。

まして、「本物か」「偽物か」なんて、まったく、どーでもいい。あるいは、「本物か」「偽物か」なんて分法を気にしている方は、音楽が好きなのかしら?音楽が本気で好きになったことのある人はそんなこと言ってるヒマはなくない?

だから、私は、くだんの脳科学者のコメントに対して思うわけだ。

「どーでもいいじゃん!w」

とね。


子供の時の私を夜な夜な悩ませてくれた、、、しかし、今は大事な「自分の精神世界の仲間達」となった、夢日記の登場キャラクター達と一緒に、日々、文章の腕、イラストの腕を磨いていきます!ちょっと特異な気質を持ってるらしい私の人生経験が、誰かの人生の励みや参考になれば嬉しいです!