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フランス革命という超絶ホラー(あるいは『群集心理』『二都物語』『小説フランス革命』を読み直す)

つい二十年くらい前、私が学生の時、

世界史のレポートで
「フランス革命というのはあまりに不条理な犠牲者の数が多すぎて、もし自分があの時代の庶民だったらと思うと、つくづく、私にはホラーとしか思えない」
みたいなことを書いたら「君は人類の輝かしい一歩に対してなんという失礼なことをいうのだ!」とアツい先生からFを食らったものですがw

あの頃に比べれば、ずいぶん、こういう話がしやすくなっていますね。

だいいち、本家本元のフランスで、フランス史自体を見直す動きが出てきていることは実に喜ばしい。

というわけで、私も、

20年前よりも、

さらにより自信を持って、

「フランス革命は、怖い」

という感想を、今後も述べていきたい。

ちなみに誤解のないように申し添えますが、私とて、フランス革命の歴史的な意義や影響力を、否定するものではありません。

あまりに理不尽な犠牲者数のことを無視して、「キラキラするような素晴らしい出来事だった」とする、偏った「フランス革命万能主義」への違和感を言っているだけです。

私に近い考えを表明しているのは、意外なネームかもしれませんが、ピーター・ドラッカーであって、

以下の著作に入っている初期論文「理性崇拝は何をもたらすか」に、私の言いたいことはすべて書いてある(※以下はAmazonアフィリエイトリンクとなっております旨、ご了承ください)↓

この本においてドラッカーが主張した「フランス革命批判」は明確です。

「フランス革命は全体主義の起源であり、自由のルーツではない」
「フランスのリベラリズムはその後、すべて全体主義の要素を孕むこととなった」
「その本質は、革命に反対する者に対する粛清と虐殺と、徴兵制を基盤とした際限のない対外戦争への道である」

だがドラッカーの言っていることは、よく考えると、当たり前のことです。フランス革命が19世紀〜20世紀の西欧近代国家の展開を用意したのなら、まさに19世紀〜20世紀の近代国家に吹き荒れた、「反対派の粛清」「内戦の連続」「対外戦争主義」「民族浄化」まで、そういった負の因子もフランス革命にあったとするのは見えやすい。

つまり。

「フランス革命は完全にシロか?完全にクロか?」を議論したいのではありません。

「意義や意味もあったが、その一方で、現代の我々がなお苦しんでいる、イデオロギーによる粛清とか虐殺とか、果てしない対外戦争とか、無意味なデモンストレーションとしての処刑とか、そういう負の部分の原型も確かにフランス革命に詰まってる。これらをいい加減、どうにかして、どうやって乗り越えていくか考えるべき対象」と思います。だって230年も前の革命ですよ??古いものとして総括していかなくちゃいけない。

という、マジメな話をしたところで、

それでは、「革命下のフランスの言いようのないホラー状況」を体験したい方には、オススメとしては、読みやすいマンガ本として、『群集心理』をあげておきます。ここで吹き荒れる女子供も容赦しないリンチの嵐には怖気を感じる。

他に、まさに革命下のパリを「魔都」のように活写し、そこから処刑リストに載っている無垢なある家族を国外へ脱出させるためのイギリス側からの奮闘と犠牲を描いた作品として、超有名作ですが、以下を。

「よいところも悪いところも含めて、フランス革命の一連の人物たちと、出来事を知りたい!」という方には、佐藤賢一先生の渾身の大作、以下のシリーズを上げておきますね。

まあ、なにはともあれ、

どんなことでも、勉強をするには、まず面白い本(漫画でもよい)を見つけて、じっくり読書することから、始めましょう!

で、私自身がフランス革命をどう見ているかは、繰り返しになりますが、ドラッカーの以下の本にぜんぶ私の言いたいことは書いてありますw。ドラッカー氏はそもそも人類文明レベルで物事を考えていた思想家でして、別に経営コンサルタントが本職ではありません(経営に関する仕事が一番の収入にはなってたろうけどw)。単なる「経営論者」を超えたドラッカー像の見直しも今後ぜひ進んでほしい。


子供の時の私を夜な夜な悩ませてくれた、、、しかし、今は大事な「自分の精神世界の仲間達」となった、夢日記の登場キャラクター達と一緒に、日々、文章の腕、イラストの腕を磨いていきます!ちょっと特異な気質を持ってるらしい私の人生経験が、誰かの人生の励みや参考になれば嬉しいです!