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【紙の本で読むべき名作選#28】「島津斉彬言行録」で電子書籍を越えてゆけ!って並の努力では理解しきれない本ではありますが

幕末日本を率いた薩摩藩の殿様、島津斉彬。西郷隆盛や大久保利通といった有名人たちも、島津斉彬の教育から生まれ、島津斉彬のプランに沿って動いた人にすぎなかった、といえなくもない。つまり島津斉彬公ご本人がもっと長生きして、自力で明治維新を進めていたら、もっと混乱少なくもっと洗練された形で、維新は完成していたのではないか?

そんな夢をどこかで抱かせてくれるのが島津斉彬。彼の生前の言行や手紙を集めた本、『島津斉彬言行録』が、岩波文庫から出ています。ただし、おそろしく古い本です。これが古本市場とはいえ、いまだに手に入る日本の書籍流通には感謝。とはいえ、開いてみると、こんな感じ。

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うおお、読めん、、、w。

英語とかスペイン語とかとは、別の意味で、難しい!

それでも、よく読むと、ちゃんと日本語です。よく読むと、「軍政改革と洋式砲術をご奨励のこと」とわかる。この他にも、電信機や蒸気機関、氷砂糖の作り方まで、島津斉彬がとにかく「テクノロジー研究」「独自産業の人材育成」に熱心な人だったことがわかる。この人は、単に西洋の武器や軍事学を輸入するだけでなく、みんなが世界で食っていける新産業を探していることがわかる。

これは、今の日本で言えば「AIやブロックチェーン、ビッグデータの専門学校を、地方自治体の首長が率先してどんどん建てている、というか、首長そのものが大学教授顔負けな勢いでそうしたテクノロジーを研究しているので、志ある人材は喜んで集まってくる」という好循環が地方都市で起こっているみたいな感じでしょうか。こんな殿様が指導していた薩摩藩が強かったのは、さもありなん!

戦争が強かったとか、謀略に長けていたとかではなく、産業学問振興のリーダーとしてカリスマに溢れていた殿様、島津斉彬。こういう人物が偉人としてちゃんと尊敬されているのが日本史の強みだとおもいます。

そしてこのような人の言行録が、難しくてなかなか読めないなりにも自分の家の本棚にあることは、テクノロジー時代のサラリーマンである私のような人間にも、元気付けてくれるお守りのような存在として、意味があることと思うのです。

さあ、島津斉彬公にあやかって、僕らももっともっと、最新テクノロジーの勉強をしないと!

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子供の時の私を夜な夜な悩ませてくれた、、、しかし、今は大事な「自分の精神世界の仲間達」となった、夢日記の登場キャラクター達と一緒に、日々、文章の腕、イラストの腕を磨いていきます!ちょっと特異な気質を持ってるらしい私の人生経験が、誰かの人生の励みや参考になれば嬉しいです!