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甘酒のおいしさ、しみじみ(蘊蓄)

いと不思議な飲み物、甘酒。これが二種類ありまして。

ひとつは麹から作るもの、もうひとつは酒粕からつくるもの。
甘酒がメニューにあったら、どちらなのか都度確認しなければならなくないか? 後者はアルコールが入っているのですよ🤔。

作り方も素材も違うのに、同じ呼び名でややこしくはないのか、今日まで区別していないのが不思議である。それに、結構味の違いもある。ただ、両者ともに飲む点滴ってフレーズとともに、アミノ酸やビタミンB群や、ものすごく栄養は豊富なことはよく聞く。とはいえ糖分も入っているので飲む際は適量を保ちつつ、そんな甘酒について私なりのこだわりを、チョット述べたいのであります。



わたしは酒粕の甘酒ほうが僅差で好きだ。しかも家で作る甘酒が。自分で甘みを調節したり、気分でお酒を入れたり、生姜を入れたりして体の中から暖も取れる。そしてなによりこだわる箇所は、スーパーで年中みかける酒粕ではなく、「美味しい酒」から出来た粕であること。

なのでアンテナショップや、こだわりのある酒店で銘柄酒の酒粕が売っていたら迷わず即買いする。とくに都内では、アンテナショップなる場所で結構見つけられる。(ちなみにうちの冷蔵庫の野菜室には今3種、冷凍庫に2種の酒粕が入っている。甘酒のほか、しょっちゅう西京漬や粕汁も食べるから。)

季節にもよると思うけれど、飯田橋の青森のアンテナショップでは田酒、有楽町の秋田のショップでは雪の茅舎の酒粕なんかが見つかる。やはり吟醸酒や大吟醸酒の酒粕はほんとうに、ほんとうにおいしい。最近は小林酒造の鳳凰美田の吟醸酒粕を見つけた(写真)、これも本当に素晴らしかった。

酒の香りや味わいがそれぞれ違うように酒粕も結構違う。美味しい酒の酒粕というのは、なんともアロマティックな花の蜜のような美しい香りなのだ。「香りを飲む」そんな喩えもできるほどの。

板状の酒粕を適当な大きさにちぎって鍋に入れ2〜2.5倍程度の水に一晩浸す。この時点でキッチンはなんとも芳醇な香りに包まれる。

この後、酒粕が溶けたら、水を加えて飲む濃さを調節する。好みの甘さになるまできび砂糖、塩少々、気分で日本酒、生姜のすりおろしを加える。

毎年出会う新しい酒粕を、好き勝手にマイペースで研究している私が、いままで飲んできて、一番美味しいと思う酒粕をこっそり紹介しましょう。こちらを超えるやつにまだ出会ってない。

秋田県の木村酒造の「福小町」純米大吟醸のもの。
これが東京では手に入らない、(あ、ネットでググっても、たいした情報でてこないですので。)もちろんアマゾンでも楽天でも売ってない、アンテナショップにも、ない。

そして冬季限定である。冬が来ると酒蔵に電話して取り寄せるしかない。タイミングがあえば手に入る。クール便で届いたそれは、玄関先ですでに美しい香りを放ち、その時点で、代引の精算のため財布の中の小銭を数える私をうっとり気分にさせるのである。

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