マガジンのカバー画像

Scalesのものがたり料理教室

料理研究家のスケイル(Scales)の料理を、詳しくレシピ解説付きでたっぷり紹介いたします。季節の旬を存分に感じられる身近でありながらちょっと特別な料理、またお酒のこと、テーブル… もっと読む
Scalesの語り口で、素材の意外な組み合わせの発見、読んで美味しい、作って美味しい。 ワクワクす… もっと詳しく
¥666 / 月 初月無料
運営しているクリエイター

#パスタ

パクチーの実を使って、これからの季節にぴったりなひと皿 【其の一】パクチーの実のパスタ🌿もちろんパクチーの葉でも代用可能

パクチーの実 パクチーをベランダや家庭菜園で育てている場合、市販のパクチーにはない楽しみがもれなく付いてきます。そうパクチーの実はうれしい副産物。カレーに欠かせない ”コリアンダーシード” として、もっと成長し乾燥したものもスパイスコーナーに売ってますが、生のそれとはちょっと違う。最近ではファーマーズマーケットなどでもフレッシュなパクチーの実は売っていたりします。これが爆弾のようで口の中で弾けるたびにあの風味が広がっておいしいと、パクチー好きにはたまらなく。料理にも色々使

沙茶醬と油蔥酥のラグーパスタ(台湾スパイスがふわっと香るトマトラグー🍅)

沙茶醬と油蔥酥、どちらも台湾料理に欠かせない調味料でもちろん日本でも売ってるけれど、わたしは好きなブランドのものがあるので、これらも台湾に行ったら必ず買ってくるもののひとつ。 とくに沙茶醬はすぐになくなるので、2個は買ってくる。小松菜なんかをこれで炒めるだけでも美味しいし、日本のうどんを炒めて焼きうどんもおすすめ。今度レシピ上げますね。

あんきもと下仁田ネギのパスタ(旬のあんこうの肝を、食べやすい”あん肝フレーク”に)

冬がはじまるー、あれこれ冬の食材を頭に浮かべてみる。ああ、楽しみ。 そして楽しみ尽くしたら次の季節も巡ってくるから旬てなんてすばらしい。あんこう鍋、冬に食べたくなるもののひとつで、鮮魚コーナーにアンコウが並ぶといよいよ冬本番と思う。今の時期下仁田ネギもおいしい、私はイタリア料理の野菜調理法にならってクタクタにオイル煮にするのも良いと思う。 あんこうの肝は、あんこう鍋かあん肝が王道だけれども今日はサケフレークみたいな感じで「あん肝フレーク」を作ってパスタに応用したいと思います

ジロール茸とマスカルポーネのパスタ(ジロール茸の代わりに色々なきのこで)

今年も伊勢丹イタリア展でフレッシュなきのこ達が売っていたのでジロール茸を購入。ポルチーニにもうんと惹かれたけど、今年の気分はジロール茸。 毎年何だかんだ行っている伊勢丹のイタリア展。もっと昔は色々売っていて、コロナの際に少し規模が縮小された感じがするけれど、でも今回も大盛況だった。 以前は、プーリア州のグラノアルソ(焦がし小麦)という、灰色した燻したような風味の小麦粉なんてマニアックなものや(これで手うちパスタを作るとなかなかの味わいに)、「マレルバ」というイタリア産の栗粉

ごろっと、にんにくミルク煮パスタ(ミルクで煮たほくほくのニンニクを丸ごと具材にしたパスタ🧄)

食材には、その産地ならではの食べ方ってあると思う。ひょっとしたら、いちばん美味しい食べ方を知っているのは生産者さんではないかと。何を、どのようにして食べているんだろうと色々と聞き回ったり、調べている時期があった。そんな中で、15年くらい昔(いや、もっとかも)、青森県の農協だったかのHPで ”にんにくの牛乳煮" なるものをみつけた(残念ながら今はそのHPはないみたい)。家に材料はあったから気になってすぐにその場で作ってみたら、すっかりくさみが取れコクのあるやさしい味わいの、まる

ホタルイカとバジルのパスタ(ジェノベーゼ以外にもある、バジルを使った美味しいパスタ)

バジルを使うパスタはジェノベーゼ以外あまり思いつかないけれど、そのまま魚介と炒めると、ジェノベーゼとはまた違った味わいになるから不思議。 ハーブと炭水化物も相性はすごく良いから、魚介とバジルとパスタなんてもってこいの相性だったりするのです。 あと少しでホタルイカも終わりの季節、また冬までしばしのお別れ。 名残惜しみながら、最後にもういちど食べておきましょ。 さて、このパスタ、にんにくをみじん切りにする以外はとくに包丁の出番はなし。ホタルイカの下処理を済ませたら、あとはさっ

【にんにくとセージのスープ、モッツァレラを浮かべて】余ったセージでおいしいパスタのレシピも <コラム:万能調味料、煎り酒の活用方法>

コラム:万能調味料、煎り酒の活用方法ただいまパントリーや冷蔵庫の収納を見直し中。仕事柄色々な調味料を使いますが、まぁ、いろいろ出てくる。その中で、醤油や塩、味噌に比べるとやっぱり出番が少ないものはある。 だけど、しっかり上手に使い切りたい。今日は煎り酒(日本酒に梅や鰹を入れて煮詰めたもの)についての使い道について。 煎り酒は、お酢とお出汁と醤油があわさったような味わいの調味料ですが、上手に使えばかなり万能である、その味わいからチヂミのつけだれにも良いし、お刺身や魚のカルパッチ

檸檬とナンプラーの冷製パスタ(暑い日は冷たく爽やかなパスタを。)

今年はすでに3人の「日傘男子」を見かけました。 とはいえ、そもそも日傘は女性だけのものではないけれど、以前からとても暑そうに歩いているおじさんやお兄さんを見かけるたび「日傘させばいいのに」と思っていた、さすがに今年のような猛暑だと一気に浸透しつつあるような気がする。 これはとても良いと思う、やはりUVカット効果のある日傘は暑さをかなり軽減できるし、肌の日焼けを気にするという以前に、強い直射日光を直に浴びるようなこと自体が体力を奪いますから。 けど、私が子供の頃も日傘をさすの

紫菊と白腐乳のスパゲティ

元祖エディブル・フラワー、食用菊。 やさしい苦味と、歯応えが美味しい。 そのやさしい苦味が白腐乳の旨味とぴったり合うのです。 ちょっと驚きの組み合わせ、楽しんでみてください。 腐乳も、アンチョビやナンプラーのように色々使える魔法の調味料。 炒めものの味付けや、スープに入れれば出汁の役割も。 すばらしき万能調味料の使い方、色々紹介していけたらいいな。 もちろん食用菊は黄色でもOKですよ。

白子とシラスと葱のパスタ

素材と素材。「これ美味しそう!」って。思いつきの組み合わせで作ったものが、自分の揺るぎない定番になることがよくある。冬になると作る「白子とシラスと葱のパスタ」も然り。 煮干しもそうだけれど、シラスというのも旨みが凝縮していて、調味料のように使える。例えば、まるでアンチョビのよう。ワケギの甘みも加わって、味付けはほんの少しの塩だけなのに旨味のしっかりしたパスタが出来上がります。 意外にも全体をまとめてくれるレモン。 仕上げにキュッと絞って、いただきましょう。

マッシュルームの(最強)タプナード

キノコ類というのはすごい、そのままよりも乾燥させたり炒めたりすれば旨味が何倍にも倍増する。本当に料理向きな食材である。 タプナードは、一般的にオリーブ(黒)、アンチョビ、オリーブオイル、にんにく、ケッパーが主たる材料で、もちろんそれだけでも十分美味しいけど、ここにちょっとマッシュルームを加えてみると、オリーブの旨味を生かしたまま旨味が倍増して、最強(私調べ)のタプナードになるのでぜひ記しておきたい。 そしてこのソース、こうしてバゲットにつけるだけで最高なのだけど、汎用性の広

天津甘栗のトロフィエ 、ローズマリー風味

イタリア料理で使う「栗粉」というもの。私も割とよく使いますが、日本ではあまり売っている場所が少ないようです(富澤商店にはありますよ)。なので甘くて風味豊かな天津甘栗を練り込んだパスタを仕上げました。粉の配合は栗の旨味を感じられるようにギリギリの配合なのでショートパスタ向け。そして初夏というのはハーブが美味しい。栗の旨味にローズマリーの華やかさが加わって。

実山椒のペペロンチーノ

先日、あまりに気持ちのよかった早朝の誰もいない公園で少しの間マスクを外した。その瞬間、「新緑のかおり」がしたのに驚いた。当たり前のように感じていた「季節のかおり」を感じにくくなっていることへの衝撃が大半を占める驚きだった。 自粛生活も相まって総体的に季節を感じにくくなっているかもしれない。 その分せめて食卓では恵みをとりこぼさないようしっかりとらえたい。 太陽も月も空気も水も風も土も微生物も全部関係している、自然と季節と言う大きな愛が差し出してくれるもの。季節のサイクルに

茗荷と酒盗のパスタ

紫檀色(したんいろ)というのかな、きれいね。 茗荷の色は、なんとも高貴でうつくしい。 茗荷と酒盗のパスタ。旨味と塩気は、海の力をいっぱいに抱えた酒盗が頼もしく担ってくれる。 これは確かに和製のアンチョビ。そして立派な調味料としての称号もここに与えたい。そう、色々な料理に使えるから、酒の肴だけにしておくのはもったいない。 そんな茗荷と酒盗で、「あ、今夜は、かるく日本酒がのみたいな。」 そんな日にもぴったりのパスタを紹介しましょう。 (もちろんお酒なしでも美味しいですから下戸