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出会いと別れ。

僕は老人ホームで働いている。

後二日。

今日はお休み。

まぁまぁやることもあるので

朝から忙しくしていた。



桜はいい。

この時期に咲くところがまたいい。


いろいろな思いを運んでくれる。

上の子ねず子が今年から中学生。

袴を着た写真が送られてきた。


写真を撮るときいつもねず子は無表情。

笑えよwっていつも思う。


そこがまた可愛いんだけど。





さて、ノー友のコッシーさんがこんな記事を書かれていた。

ご利用者さんとお花見に行かれたみたい。


僕は今年は行けなかった。

毎年行ってたんだけど、

今年は大々的にやるのは見送って、

職員さんお手が空いた時に

近くの桜を個別で見に行く方針になっていた。


コッシーさんの記事の中でご利用者様が、

「来年は見れるかわからない。

いつも今年が最後かもしれないと思って見ている。」

とおっしゃっていた。




すごくよくわかる。

ご利用者様たちは諦めているとかではなくて、

もう覚悟しているんだ。


その中で、

精一杯毎日を生きておられる。










つい先日、

全く予兆なく、

一人の入居者さんが亡くなられた。



前日に僕は、移動の挨拶をしていた。

「今までお世話になりました。」と。


その時その方は、

「どこに行くんだ?

そうか…。こちらこそお世話になりました。

頑張ってください。」と声をかけてくださっていた。



いつもと変わりない、穏やかな口調。

ご飯の時以外入れ歯を外しているので、

ちょっと可愛い顔をして。


何も変わりなかった。


次の日から僕は連休で、

二日後に出勤した時、管理者から

「〇〇さん、亡くなられたんですよ。」と報告を受けた。



え?なんで?


まずそう思った。



ほんとに全く予兆がなかった。

まだ70代。

大きな疾患もなく、

ほんとに、

ほんとにこの前笑って送り出してくれたのに。





コッシーさんの記事を見て、

本当に僕たちの仕事は

一期一会なんだ、

今できることを精一杯やっておかなければ、

後悔することになるんだ。

それをまた痛感させられた。







ちょっと愚痴っぽくなってしまうけど、


…なんでなん。

なんでいつもそうなん。



僕のじいちゃんもそうだった。


僕が結婚するって言った次の日、

亡くなった。




たまたまのタイミングなんだろうけど、

今体調を崩す入居者さんが続いている。




管理者さんは言う。

「ねずみさんの存在は大きいんじゃないですかね。」


なんだろう、

なんだろうね、この気持ちは。



嬉しくないなぁ




明後日には

僕は異動する。


ごめんなさい。

僕は前を向きます。


ごめんなさい。

今までありがとうございました。





頑張るので

許してくださいね。



桜を見ながら、

そう思いましたとさ。













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