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商品やサービスに親近感が増して好印象を与える!?『バーナム効果』

『バーナム効果』

◆『バーナム効果』とは?

『バーナム効果』とは、実際は誰にでも当てはまるような曖昧な内容にも関わらず、「自分に当てはまっている」「自分を理解してくれている」と感じてしまう心理現象を指します。

●『バーナム効果』の原理

バーナム効果が発揮されると『確証バイアス』が作用し、心的距離を縮める、好意を抱くようになることに拍車がかかると考えられています。

『確証バイアス』とは、無意識に自身にとって都合の良い情報だけを取得し、不都合な情報を避けるようになる働きのことです。
つまり、自身に当てはまるものだけを意識するようになり、当てはまらないものがあったとしても軽く扱ったり無視するようになるということです。

●『バーナム効果』の由来

『バーナム効果』の由来としては、19世紀のアメリカで人の心理を巧みに動かしサーカスなどの興行を大成功させたフィニアス・テイラー・バーナムの、「We've got something for everyone.(誰にでも当てはまる要点というものがある)」という言葉にちなんで名づけられたとされています。

また、バーナム効果を提唱したアメリカの心理学者であるバートラム・フォアの名前から『フォアラー効果』とも呼ばれています。

身近な例

◆『バーナム効果』の身近な例~血液型診断、占い、おみくじ~

日常生活の中でもよく使われている『バーナム効果』。代表的な例を挙げます。

●血液型性格診断

日本で身近に感じる例としては「血液型での性格診断」ではないでしょうか。

例えば「A型は真面目、几帳面」とよく言われますが、血液型で性格が決まるという科学的根拠はないとされています。

ですが、「血液型性格診断を信じている人」には確証バイアスが働き、仮に自分が当てはまっていない項目があったとしても「ほかの多くの人が当てはまっているのだから正しい」と解釈をしてしまうのです。

●占い

万国共通の例としては「占い」が挙げられます。

占いの結果やアドバイスなどは誰にでも当てはまるものが多く、他人の結果やアドバイスと自身のを入れ替えたとしても、自分に当てはまっていると思ってしまいやすいのですが、生年月日や名前、出身地や血液型など自身に関する質問を投げかけられるため、「自身に当てはまっている」「自身だけに向けられたアドバイスだ」と感じやすくなってしまう特徴があります。

●おみくじ

「おみくじ」も代表例として挙げられます。

おみくじの場合は、自身で引くおみくじを選ぶため、『バーナム効果』がより色濃く発揮されやすいといえます。

◆『バーナム効果』のビジネスでの活用例~セールス、マーケティング~

『バーナム効果』はビジネスの場面でも活用することができます。

セールスシーンでの活用例

●セールスの場面

ただ商品やサービスの説明をするセールストークではなく、『バーナム効果』を用いると提案がより深まります。

よく例えられるのが、セキュリティ関連の商品やサービスを情報システム部門の担当者に提案するケース。

競合の多いセキュリティ商材ということもあり、ただその商品・サービスの特徴などを説明するだけでは訴求力は乏しくなりがちです。

そこで「データ漏洩の心配」「パスワードの流出不安」「面倒なパスワード管理」など、どの企業の情シス担当にも当てはまる不安や心配、課題や問題点を投げかけることで、「この人の話は自分に当てはまる」「自身・自社が抱える課題や問題を理解してくれている」と信用を得られる可能性が高まります。

その後、それらを解消する自社の商品・サービスであるという流れで特徴などを説明すれば、提案対象も興味を持って話を聞いてくれるかもしれません。
(大前提として、投げかける不安や心配、課題や問題点を解消する商品やサービスでないと何の説得力もありません。。)

マーケティングシーンでの活用例

●マーケティングの場面

マーケティングの場面での活用例としては、出稿する広告やコンテンツなどに用いるキャッチコピーが挙げられます。

セールストークのように『バーナム効果』を用いて、「これは自分に当てはまる広告・コンテンツだ」と解釈してくれるようにすれば、施策の反応が良くなると見込まれます。

効果を発揮させる5つのコツ

◆『バーナム効果』を発揮させる5つのコツ

誰にでも当てはまることを相手に伝えるだけでは『バーナム効果』は発揮しません。

『バーナム効果』を発揮させるためには、いくつかのポイントをおさえる必要があります。

●特定の相手に向けた内容だと思わせる

『バーナム効果』を使いたい相手に「誰にでも当てはまること」と気づかれないようにすることが必要です。

気づかれてしまうと「自分だけに当てはまることではない」と判断されてしまい、効果が発揮しなくなってしまいます。
その人だけに向けられたことだと思ってもらうことが大切です。

●情報発信源に高い信頼性や権威性を持たせる

『バーナム効果』は、発信者に権威性があるかどうかで効き目が変わります。

人には、地位の高い有名な人・信頼されている人から言われる方が強く信じ込む傾向があります。
なので、信頼性が高い=肩書きがあるほど聞き入れてもらえやすくなります。

そのため、権威性のある発信者であるかどうか、もしくは著名な人を引用する、具体的な実績を加えて、発信する内容に信憑性が増すようにすることがポイントです。

●ポジティブな内容を多くする

人は、ネガティブなことを言われるよりも、前向きなことを聞いた時の方が信用しやすく印象に残りやすい傾向があります。
マイナス要素を少し入れつつも、全体を通してポジティブな内容を多く伝えることがポイントとなります。

●解釈の幅が広い内容を伝える

「誰にでも当てはまること」を相手に伝えるためには、受け手にとって解釈の幅が広い言葉で知らせるのが望ましいといえます。
「人といるのが好きですね」よりも「人といるのも好きですが、一人で過ごす時間も大切にしたいですね」と言われる方が当てはまる確率が高まります。

●『カリギュラ効果』を組み合わせて使う

『カリギュラ効果』(※)とは、禁止や制限をされることで興味や関心が湧き、衝動に駆られるという心理現象です。

『カリギュラ効果』の詳細に関しては、こちらの記事をご覧ください。

例えば「マーケティングのすべてを知っている方はこのセミナーには参加できません」というキャッチコピーがあったとします。

「マーケティングのすべてを知っている」と断言できる人はそうそういないと思いますので、結果的に「マーケティングのすべてを知っていない」ことに多くが当てはまります。

この『バーナム効果』に、「参加できません」という禁止や制限(=『カリギュラ効果』)を加えることで、より強く効果が発揮することになります。

この『バーナム効果』と『カリギュラ効果』を組み合わせたキャッチコピー例は、一見特定の誰かを切り捨てているように思えますが、実のところ「誰にでも当てはまる」表現になっています。

そして受け手にとっては「これは自分に当てはまっていることだ」と感じやすくもなっているので、より訴求力の高い表現といえます。

活用する際の3つの注意点

◆『バーナム効果』を活用する際の3つの注意点

※詳細については、こちらのページをご覧ください。

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