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マーケターがおさえておきたい心理法則~アンダードッグ効果~

こんにちは。BtoBマーケターです。
私はこれまで中小規模のBtoB事業会社に複数在籍し、マーケティング業務に従事してきました。

その実務経験の中で、疑問に思い直面したこと、試行錯誤したことやその解決策、「BtoBマーケティングあるある」を、noteでまとめていきたいと思います。

今回は、【マーケターがおさえておきたい心理法則~アンダードッグ効果~】のテーマでまとめます。


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◆アンダードッグ効果とは?

アンダードッグ効果とは、経済学者であるライベンシュタインが1950年の論文の中で提示した行動心理学の事象の1つです。

「アンダードッグ(Underdog)」には「負けそうな人」という意味があり、弱い立場にある人や、不利な状況に追い込まれている人に心を寄せて応援したくなるという心理を指します。「負け犬効果」とも呼ばれています。

ビジネスにおいて、自社の商品やサービスが競合と比較して市場内シェアが占められておらず不利な状況に陥るケースがあります。

そんな状況を逆手にとって光を見出すために有効なのが「アンダードッグ効果」です。

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◆アンダードッグ効果の活用例

アンダードッグ効果は、選挙の場面で使われ始めたとされる心理事象です。

選挙前の勝敗予測において、劣勢であると報じられた候補者に対して、同情心から票が投じられ逆転勝利へとつながる現象を指します。
弱い一面を見せることで効果を発揮する好例といえます。

このアンダードッグ効果と反対の意味で使われるのが「バンドワゴン効果」です。
バンドワゴン効果とは、「みんなが持っているなら自分も欲しい」「世の中の流行に乗り遅れたくない」という心理が作用する、他者との同質化に対する願望が評価や判断材料、行動を促す事象です。

※バンドワゴン効果に関しては下記記事をご覧ください。

このアンダードッグ効果は、マーケティングの領域に応用できるケースもあります。

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■発注ミスをして大量の在庫を抱えてしまった・・・

ディスカウントストアで見かけることがある「発注ミスで在庫を抱えすぎて困っています」というPOPで安売りしているケースです。
「発注ミスで在庫を抱えすぎた」という弱みを見せることで、それを目にした消費者に「応援してあげたい」と思わせ購買意欲を高めようとする方法です。
(本当に発注ミスをしたのかはわかりませんが・・・)

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■売れ行きが不振な商品やサービスをテコ入れしたい・・・

自社の期待ほど売れ行きが良くない商品やサービスをテコ入れしたいケースです。

「売れていませんが、実は良い商品(サービス)なのです」といったメッセージを打ち出して、売れていない・人気がないという弱みを認識してもらうことで、購買意欲が高まる可能性が生まれます。

注意点としては、その商品やサービスが社内で高く評価されていて、プロモーション次第で拡販の可能性が見込めそうであるということです。
良くない商品(サービス)だから売れないのであれば、消費者へのアピールにはなりません。

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■お客さんが減ってしまった・・・

昨今の社会情勢により、接客業、特に飲食業界は大打撃を受けています。

どの飲食店にも悪影響を与えているので、目に留まるような手法で「応援したい」「少しでも助けになりたい」と思ってもらえるようにすることで、少しでも現状を打破する可能性が生まれるかもしれません。

これらのどのパターンでも、もしSNSで拡散してもらえば爆発的に売れる可能性があります。

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◆アンダードッグ効果を発揮させるための条件

「アンダードッグ効果」はマーケティングの領域でも活用できますが、発揮するためには条件が必要になります。

■努力している
ただ単に弱い立場にある、不利な状況に追い込まれているからといって、アンダードッグ効果が発揮されるわけではありません。
応援したいと思われるような姿勢、つまり状況を打破しようと諦めずに努力している姿を見せなければなりません。

■弱みを見せる
弱く不利な状況であることを正直にさらけ出すことも必要です。
隠すことなく見せることで、共感されやすくなり、「応援してあげたい」と思ってもらえやすくなるため効果がより発揮されやすくなります。

■普段の姿を知ってもらえている
弱く不利な状況になる前の姿を知っておいてもらわないと効果は発揮しにくくなってしまいます。

これまで何のやり取りも交流もないのに、急に「助けて欲しい」「応援して欲しい」と求められても、よほど刺さる商品やサービスでない限り、感情が揺さぶられることは稀ではないでしょうか。

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◆最後に

ビジネスやマーケティングの場面では、自社の状況だけでなく競合の影響を受けることで、不利な状況に陥ってしまうことがあります。
そんな状況でも、諦めずにアンダードッグ効果を活用すれば、改善できる可能性があります。

とはいえ、消費者に感情に訴えかけることで効果を発揮するので、正直に自社が置かれている弱み、状況を打破しようと努力しているけれど報われていないことを見せ、同情を誘い過ぎず、卑屈にならずに共感を得られるようにすれば、消費者は応援してくれるようになるはずです。


BtoBマーケターより。

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