~「サブスク音楽配信サービス」から見る~『期待する成果』と『得られる成果』のミスマッチを起こさない方法とは!?
■「サブスク型音楽配信サービスは儲からない」というつぶやき
「サブスクというシステムを考えた人は地獄に堕ちてほしいと思っている」
先日、シンガーソングライターの川本真琴さんがTwitterに投稿した内容が話題を呼びました。
この川本真琴さんの「音楽のサブスクリプションサービス(サブスク)は利益が少ない、儲からない」というメッセージ。
実際のところ、1回の視聴再生回数で¥0.01以下というケースもあるようで、音楽のサブスクで収益を上げる難しさを物語っています。
ビジネス・マーケティングの視点で掘り下げてみたいと思います。
■『サブスク型音楽配信サービス』とは?
一曲ごとの販売ではなく、月額の定額制で何曲でも聴き放題のサービスであるサブスクリプション(※)形態の音楽配信サービス。
利用者・ユーザーにとっては恩恵が大きく、2021年の日本国内の音楽サブスク市場は前年比で126%の744億円と市場規模が拡大しているようです。
※『サブスクリプション』の詳細に関しては、こちらの記事をご覧ください。
市場が拡大し普及・浸透が進んでいる一方、音楽コンテンツを発信する側にはさまざまな意見があるようです。
上述の川本真琴さんのように収益にならず嘆く方もいれば、シンガーソングライターの山下達郎さんのようにサブスクへ配信をしない選択をとるなど、
どうやら音楽業界でも賛否が分かれるようです。
また「サブスク型音楽配信サービス」は、GoogleのサーチエンジンやYouTubeのようにアルゴリズムによって、ユーザーの好み・嗜好に応じて音楽コンテンツがおすすめされる仕組みがあり、一曲まるまる聴いたか途中で離脱したかで配信単価が変わるようです。
そのため、長く聴いてもらうために音楽コンテンツの導入である『イントロ』を無くしたり、曲構成の2番を無くして曲自体を短くする、曲の盛り上がる部分である『サビ』だけを作ってSNSなどで反響を見て曲の制作に着手する、など音楽制作に大きな影響を及ぼし始めているようです。
■実際のところ『サブスク型音楽配信サービス』は儲かる?儲からない?
1回の視聴再生回数で¥0.01以下というケースもあると上述しましたが、実際のところ収益はどうなのでしょうか。
サブスクリプション型の音楽サービスの運営会社によって異なるようですが、音楽配信会社への登録料などが差し引かれて、楽曲の1回の再生数当たり、¥0.3~¥1の印税が発生します。
ですが、この印税はあくまでトータルの売り上げであり、ここから楽曲権利者やレコード会社の取り分を除くと、アーティスト本人の収入としては¥0.01以下もザラのようです。
一方、以前まで主流だったCDの場合、¥1,000のシングル盤であれば流通業者や製造コストを除いたアーティストの取り分は1%の¥10程度、作詞や作曲もしていればそれぞれ3%ずつが加算されるイメージとのこと。
単純にサブスクリプション型の音楽サービスとCDを比較すると、サブスクがアーティストにとって収入が乏しい傾向にあると言えます。
■どの業界でも起こり得る「対象&施策と成果」のミスマッチ
世界規模で定着している『サブスク型音楽配信サービス』。
もはや人気アーティストであっても無視のできないマーケットとなっています。
このサブスク型音楽配信サービスという『場所(マーケット)』で収益を上げるためには、(極論を言ってしまえば)サブスクユーザーに人気の出る音楽コンテンツを提供すれば良いということになりますが、ヒット曲を狙って出し続けるのは難しいことなので、結果として満足する収益を上げるためには、アーティストにとって高いハードルがあると言えます。
この「特定のマーケットで施策をして収益を上げることが難しい」という傾向は、音楽業界に限らずとも発生する事象です。
■期待する成果と得られる成果のミスマッチを起こすケース
プロモーションする『場所』と実行する『施策』が、求める成果とミスマッチを起こすケースとしては、上述の音楽サブスクを含めて以下の例が挙げられます。
◆『場所』=SNS、『施策』=フォロワー獲得を実施
例:SNSでプロモーションしてフォロワーが増えても、販促イベントに参加してくれない。。
◆『場所』=新聞メディア、『施策』=広告出稿を実施
例:新聞に広告を出稿したのに、売り上げが増えない。。
◆『場所』=音楽サブスクサービス、『施策』=販促活動を実施
例:音楽サブスクで楽曲を配信しても、収益が上がらない。。
もちろん、アクションを起こすことで求める成果が出る場合もあります。
とはいえ、求めるレベルの成果が出にくい・成果が出ても頻度が低い傾向があります。
■マーケットと施策によって得られる成果の例
こういったミスマッチが発生する理由としては、アプローチするマーケットなどの対象と、プロモーションする商品やサービス・プロモーション施策が合致しない、ということです。
対象に合う/合わない、言い換えれば向き/不向きを見極めることが重要なポイントになります。
これらのケースで得られる成果の例としては下記が挙げられます。
◆『場所』=SNS、『施策』=フォロワー獲得を実施、『求める成果』=販促イベントに参加して欲しい。
例:SNSでプロモーションしてフォロワーが増えても、販促イベントに参加してくれない。。
→フォロワーを増やす≒メインの成果は『認知度のアップ』。
フォローとイベント参加の間には一定の乖離が存在するため、一足飛びでとはなりにくい。
継続的なアプローチ(情報発信)でその乖離を埋めて、ゆくゆくはイベント参加を、という姿勢が望ましい。
◆『場所』=新聞メディア、『施策』=広告出稿を実施、『求める成果』=売り上げを増やしたい。
例:新聞に広告を出稿したのに、売り上げが増えない。。
→新聞に広告を出稿する≒メインの成果は『認知度や知名度のアップ』。
新聞広告を見て「こんな会社があるんだ」「こんな商品・サービスがあるんだ」と知ってもらえる。
もちろん場合によっては直接問い合わせも見込める。広告をきっかけにWebサイトへの流入、見込み客(リード)化、問い合わせもゆくゆくは・・・?
◆『場所』=音楽サブスクサービス、『施策』=販促活動を実施、『求める成果』=収益を上げたい。
例:音楽サブスクで楽曲を配信しても、収益が上がらない。。
この続きに関しては、こちらのページをご覧ください!
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BtoBマーケターより。
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