見出し画像

ラテン語の格言 (02)「正義を貫こう、たとえ世界が滅ぶとも」

Fiat iustitia et periat mundus.
 (正義を貫こう、たとえ世界が滅ぶとも)

 この格言は、「正義」という理念を最優先する道徳的理想主義を強く表しています。ここでの正義とは、倫理的・道徳的な正しさや公正を指し、個人の行動や判断の基準とされます。この考えは、イマヌエル・カントの道徳哲学に似ており、行動の正しさはその結果ではなく、道徳法則に基づいているかどうかで決まるというものです。つまり、正しいと信じる行動を取るべきで、その結果は二次的とされます。
 しかし、この格言には重大なリスクも含まれています。「たとえ世界が滅ぶとも」という部分は、正義の追求がもたらす破壊的な結果を示唆しています。これは、倫理的な判断が現実の複雑さや結果の重要性を無視するリスクを孕んでいることを意味します。従って、高い倫理的理想を掲げることの重要性を認めつつも、その追求が引き起こす負の結果とのバランスを考慮する必要があります。正義を追求することと、その希求が現実に与える影響との折り合いをどのようにつけるかが、この格言が投げかける難しい問題です。

Sol omnibus lucet.
 (太陽は等しく僕たちを照らす)

Rumores volant.
 (噂には羽根がある)

Nosce te ipsum.
 (自分自身を知ろう)

Ars longa Vita brevis.
 (芸術は長く残るのに 命は短い)

Rerum concordia discors.
 (不協和音から来る調和)

Ede Bibe Lude.
 (食べて飲んで遊べ)

Amor vincit omnia.
 (すべてに愛は勝つ)

Tempus est quaedam pars aeternitatis.
 (時間は永遠の一部分)

Mater artium necessitas.
 (必要は発明の母)

Ubi spiritus est cantus est.
 (魂のある処に歌あり)

Festina lente.
 (ゆっくりと急ごう)
 ※類義語は「急がば回れ」

Frangere dum metuis, franges crystallina.
 (壊れないか気にしているとクリスタルの器は壊れる)

Dum spiro spero.
 (生きている限り希望がある)
 ※古代建造物に彫られていた言葉

( 2009年11月2日 - 11月15日)

正義を貫こう、たとえ世界が滅ぶとも

続き
ラテン語の格言 (03)「楽園にも死神は居る」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?