自然なお産は日本の文化

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今回は、メルマガ10号(2021.7.12配信)、読者のakiさんからのお便りを紹介します。

その前に私から一言:

WHOガイドラインではそれ以外にも非常に画期的な提案がありました。「入院時の一律のNSTは不要」とか、「持続モニターも正常経過では不要で心音聴取でよい」という、今の日本では簡単には受け入れられそうにない提案です。私自身もこれまでモニターの深読み、あるいは不確かなモニターを言い訳に、不要かもしれない帝王切開が増えることはわかっていても、訴訟対策にモニターを用いざるを得ない、と諦めていました。

しかし、WHOの提案によりモニターが不要な場合もある、と思う事ができれば、お産の管理は全く異なった地平に立つことができます。NSTなしの経過のエビデンスをしっかり確認し、日本で臨床研究のDATAが出てくれば、待つお産、すなわち自然なお産は大きく見直されると思います。

akiさんから:
テーマは「病院時代のお産と比べてみると」

開院してから病院時代のお産を比べてみると、病院時代は医療の枠組みのなかでお産を介助していたとしみじみ感じました。開業してから先輩助産師のもとで、病院だったらもう切開して吸引だなと思う場面でも、産婦さんに寄り添い励ましながら家族のみんなも一緒に一丸となって頑張り無事産声を聞くことができた場面を多く経験しました。

まず、違いは何だろうと考えると、入院されてからずっと助産師が寄り添い、あれこれと日常会話も交わしながら家族も交えその時々のアセスメントに基づいたアドバイスを提案するからだと思います。それは、階段昇降であったり、バランスバール、足湯、休養などさまざまです。そして、助産師として大切なのは内診所見や外診による児頭の回旋状態です。

病院時代は子宮口開大状態しかみていなかったように思います。
時間がたつのになかなか進まないお産、CTGをとり、医師に報告、指示により、促進剤の点滴それが大体のパターンでした。それでもお産になればいいですが、CTG所見で緊急手術になったりが多くありました。これでは医療の補助にすぎません。1人で他の仕事もこなしながらでは産婦に寄り添うことはほぼ不可能でした。

開業してからは、ずっと寄り添うことはことはもちろん医療行為ができない分どうしたら助産院で産んでもらえるか必死でした。一番の進歩は進まないお産に関しての助産介入です。内診所見や外診、また経過から総合的に判断して児頭の回旋、胎向の是正を体操をして図ります。その体操をしてしばらくすると急に陣痛が強くなったり効果的になったりしてお産が急展開する経験を日常的にしています。病院時代はじっくりと一人一人に向き合いケアすることはできなかったのです。これは、共に取り組んだ産婦さん、家族とともに助産師としての満点の達成感です。助産師として寄り添うなら共感とリスペクトのうえに専門的なアプローチが必須と考えます。

現在今年で満12年となります。お母さん方の満足度も高く、とくに第二子からのお産で見えた方は比較することができるので周囲にも進めてもらっています。が、残念なことに助産院でのお産は増えていないです。私たちの宣伝不足も痛感していますが。

荒堀からのコメント:

akiさんは、今回のWHOのいう分娩期のケアをすでに殆ど実践しておられるようですね。サンバのお産をWHOは参考にしてガイドラインを作ったようですね(笑) 皆さん自信を持って進みましょう! 

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