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働かない意思で売上が上がった

Nue incの1期目の着地が見えてきたので週末、振り返りをしていた。
2017年7月からスタートしているので来月末でちょうど1年。前社時代から応援してくれた皆さん、一緒にこと作りに走り回ってくれた皆さん、本当にありがとうございました。お陰様で無事に2期目も迎えれそうです。

1期目のテーマ「できるだけ働かない」

ただいつも通り働くということは、人生の無駄遣いだと思ってるので自分なりにテーマを設けて1年働いていました。それは「いかに働かずに生きていけるか」というもの。極端だけど、極端くらいの意思でやってちょうどいいかなと思い、このテーマでした。意思は弱いので。

もっとポジティブなことでいうと、自分の成すべきことだけにいかにフォーカスできるか。ということです。というのもNue立ち上げる前までいろいろバタバタで仕事も過密で、もちろん良いもの生み出すぞ!という気持ちはいっぱいなんですが、気持ちだけじゃ良いものは出来ないことを痛感した一年だったから。圧倒的インプット不足と余白不足。

これで何が起きるかというと、最初に策定した完成イメージを超えることが難しくなるってことでした。想像を超えるって、それを生み出す余白が必要で常に100%の状態だと、最初に想定したイメージにちょうど着地してしまう。がむしゃらに働く時代ももちろん大事だけど、注げる熱量や時間、コストは限られている中で全部を打ち返していると全てが甘い返しになる。
こりゃよくないぞ…ということでNue inc創業から「働かない意思」みたいなものを強く持って挑んでみた。自分で言ってて意味不明だけど。

残業ゼロできてしまった。

そこでまずやったのが、自宅仕事なので時間の無駄がないようにした。
通勤時間すら無駄と言い切る。その時間寝ていたい。ダメ人間。
でも、10時になると仕事をしだす。で19時には絶対、必ず仕事を終える。どんだけ忙しくても、どんだけ急かされていても、終業。家族と飯を食いにリビングにあがりスイッチオフ。

結果、週末振り返りをして気付いたけど「この一年、残業ゼロ」という無意識で偉業を成し遂げていた。すごくない?残業ゼロって普通にできるんだな。思い返せる遅くまで仕事していたのは、施工現場が深夜帯にまで及んだ1日だけ。ちなみにこの日は夕方まで仕事してない。なのでシフトを深夜作業を見越してズラしただけ。

なんなら売上も上がった。

さらにすごいのが、馬車馬のように働いていた昨年に比べ、今年は残業ゼロで、かつ安定して昼寝を決め込むスタイルのパートナー企業からみると不安にしかならない生活スタイルでもってお届けしたのだが、馬車馬時代より最終的な売上が上がっている。自分でもわかんなくて、なんだこれ?ってなった。労働ってなんだ?って哲学者みたいなことを思うほど。

自分が成すべきことだけにフォーカスし続けた結果、やらなくて良い仕事はブチッと切って、これは自分にしか答えが出せないというものだけにグッと集中できた。集中すると密度高い提案が可能になり、それが次に繋がる流れを生んだ。と予想している。

今まで無駄な仕事もこなしていた。その時間を全て「やるべきこと」に投資できたというのが今年の一番の違いである。

また怠惰な僕の性格もこれにあっていたのかもしれない。出来るだけ仕事を早く終えて、家族と遊ぶなり、ゲームをするなり、勉強するなりしたい!でも、良い仕事もしたい!という欲張りモードが毎日のように発動して、この業務時間にグッと集中してパートナーのことを考える時間が設けられた。

誰のための労働か、明確になった。

仕事の数でいけばNue以前の方が案件数が多い。多くの相談を断ったというのもある。極端にやってみないとわかんないだろうと思い単発の制作案件は全てお断りした。例えばサイト作りたいです、とかそういうもの。もっと全体からコミットできないと弊社に依頼する意味がないのでといって他社を紹介する形でお断りした。

関わる案件が減り、パートナー企業と毎月あって作戦会議していると、この労働は誰のためか?が明確になったのも凄いよかった。この頑張ってる時間はあの人のためだ。そう思える仕事は肌ツヤが良い。

結果こうなった

最終的にこういう結果になることは予想もしてなかったが、

・仕事を減らしまくって、残業ゼロ
・残業ゼロなのに、過去最高益
・誰のための労働か明確になった

みたいなことが実現&体験できた。

「働かない」を大切にした理由

なんで「働かない」努力をしたのかというと、Nue inc2期目には雇用を考えていたから。今、この業界を目指してくれる学生が凄い少ない。大学で先生してた時に痛感したけど、クリエイティブ業界=辛い・大変・帰れないみたいなイメージがつきすぎている。

なので極端に普通のサラリーマンより、全然働いてないのにしっかり稼いでいて、ボーナスもしっかり出ていながら、毎日定時には帰る会社みたいなことを誰かがはっきり示さないと…この産業がなくなるリスクより、この仕事にあこがれがなくなるほうが、まじクリエイティブの根絶だなと思ったから。

入って馬車馬で上司もしんどそうで、なんかの悪口でストレス発散してて、みたいな現場は絶対嫌で、うーん、今日天気いいし、散歩でも行こうよって普通に言える環境を用意したいと思っていました。

結果、散歩に出たつもりが木屋町でビール飲んでたりするんだけど、これは意外と実現できる。特に小さいチームこそ、それが実現できる。この金額まで稼げたらみんなの暮らしをしっかり守れます。ってラインを明確にして、そっから先はフリータイム。稼ぎすぎたらボーナス多めにぶっこんで海外旅行にでもいけばいい。車を買ってドライブにでもいけばいい。

こんな会社にしたい

組織を大きくすることが僕の目的ではなく、良い環境で良いアウトプットを生み出すことが大目的である。なので数字も欲しがらない。ノルマの概念がそもそも間違っていると思っている派で、それは数字の教育だと思う。僕がまさにそうやって教えられたんだけど、松倉の賃金はこれくらい。機材はこんくらい。家賃はこのデスクだけで坪単価いくらくらい。保険でこんぐらい。といった感じに、松倉月に○○万円のコストです。と教えられた。

超わかりやすくて、雇われているということは結果を出すこと。つまりノルマを超えることと思いがちなんだけど、君のコストはこのくらい。だから会社にいくら残さないとプレイヤーとして、あなたはマイナスのコストですってことを教えてくれたの。これ超よくない?凄いわかりやすくて、あーじゃあ、この3倍くらいブッ込めば俺めっちゃ良いプレイヤーってことだ!ってわかる。

なのに世の中的には根拠曖昧でノルマがドンと出される。これが良くない。この金額が必要な理由の説明が抜けている。そんな曖昧な目標に頑張る方が難しい。なので弊社は死なないラインを超えることをまず目指す。その先は、働いても遊んでいてもいい。死なないラインを超えて生まれたお金は自己投資に回す。新しい事業に挑戦でも良いし、社員がトライしてみたかったことに投資でもいい。それは大きなインプットとになるから。

こんな環境を作りたくて、ひとまず自己犠牲だ!と思い「働かない意思」を強く持って働いてみた(言っててよくわからなくなる)。その結果がこれでなんとなく本能的にわかっていた、これが正しいってことが正しいのだと少し証明&体現できた気がしてる。

来年のテーマはこれを土台に俺も社員も育つ環境をテーマに何ができるかを模索している。今日はNue一年の総括日記でした。

家帰って、家族でも恋人でも友達でもいいから一緒に飯食って寝ろ!と怒れる会社でいたい。

いただいたお金は子どもに本でも買おうかと思ってます。