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骨と光

滋賀の撮影中、鹿の骨を拾った。
朽ち果てた廃屋の入り口に横たわったままの形状で頭から背骨まで横たわっていた。動物や虫たちが土に返す途中。どうしても骨だけは残る。
ひょいと素手で持ち上げると撮影クルーの一人が「持って帰るんですか?」と驚いた。そうか、俺のデスク骨だらけなの知らない子だった。

人生で、骨を買うことはない。
行き当たりばったりで出会った骨は拾って帰っている。
どうせ土にも帰れない。そして、この骨にもう魂はない。
骨を持ち帰ることに抵抗感を覚える人もいる。なんだろう呪いの象徴だったり、死神のモチーフだったり、悪魔的なイメージが強いのか。
いつも不思議に思う。別に神様がいるとも思ってない人なのになぁと。
そして、お前自身も骨で基礎構造が作られているぞ、と。

映画や漫画、アイデア、プロジェクトの骨子がどのようにできているか好きでずっと見ている。もちろん想像の中の話だし、僕らもレントゲンのようにみんなの骨が見えるわけじゃないのと同じで、考えてみるしかない。
しかし、生き物の骨はめちゃくちゃ良くできている。ものすごい年月の進化の積み重ねでこの形状と機能を有している。

僕らは普通に生きていると、眼球がどのような筋肉で動き、どのような骨の形状で守られているのかを知らない。毎日、物を噛み砕き栄養に変える歯の構造を知らない。これら当たり前に日々駆使するものの性能たるや新型iPadとかいうてる場合じゃないくらい良くできている。

時折、ものすごく美しい風景を見て写真に撮るも、肉眼で見るほど美しくない時って多分にある。それはいかに僕らの眼が優れているかを目の当たりにすることに等しい。

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