言葉のあやまち
テレビほどある仕事用のディスプレイと二台のワイドモニターをコロコロに乗せて背中にはゴミ箱Mac Pro。肩掛けにはノートのMBPと気合いで運ぶ。
大荷物で地下鉄までたどり着いて初めて気付くエレベーターの少なさ。
そうか車椅子の人って、こんな遠回りして移動してるのか…と体感する不便。
エレベーターに乗って少し困惑する。
ホームとコンコースと表記がある。
もう自分の中ではコンコースの意味が一ミリもわからない英語力。というか日本語英語?一緒に乗ったおばあさんも、あら?どれかしら?って聞いてくる。これわかんないっすよね。と仲良くなる。
一緒の方面でいろいろお話しする。それは壁画かしら?と聞いてくるがすいませんテレビっすって。リュックサックもパンパンね、ってこれ全部パソコンなんですよって、重さを確かめるおばあさん。かわいい。
さっきのボタンね、言葉に問題があると思うのよって、うんうん。僕もわかんないっすよコンコースとか。ふふふと笑って目的地まで。
別れた後に分かりにくさを加速させているのは言葉もあるし、ボタンの配置にも問題があるのかもしれないと思った。
上下に移動するエレベーターなのに階層ボタンが左右に並んでいる。これを上下に変えるだけでも意図が伝わるはずだ。
そしてコンコースという言葉をつけたのは、当たり前にこれらの仕事を続けている人の視点で普通の言葉なのかもしれない。この認識レベルのズレでネーミングの空振りが起きている。
改札とホームで伝わりそうだし、ピクトがあるだけでも意図は伝えれそう。熟考がなかったのかもしれない。僕はどの仕事でも割となにも知らない人が見たら何に気付くかを考える。これは広告の仕事が長かったからかもしれない。それとウェブという機能がある媒体がメインだったからかもしれない。
気をつけないとなと思う体験だった。
今は無事、荷物を運び込みバイトのお手伝いとともに買い漁った備品を事務所に置いて喫茶店でこれを書いている。少し仕事して今日は閉店ガラガラ。
いただいたお金は子どもに本でも買おうかと思ってます。