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「週休3日制度」は”休み増やすぜ!ヒャッハー!”のためではない理由

先日、noteでこういう記事を書いたら色々広がって話を聞かれることが増えた。

Twitterでも言っているように「休み多いから良い会社アピールだ!」とかじゃない全然別な理由だ。良い会社だと思ってくれるのは嬉しいけど、ごめん、もっと重たい未来の話である。今日はその辺りを解説したい。

ゲームルールが変わったことに気づく

僕はゲーマーなので仕事なんて追加クエストでまくる新手のゲームくらいに捉えている。しかもそれで飯を食っている。もはやeスポーツとも捉えられる。
本件の結論から言うと以下。

<変わったことに気づいた方が良いルール>

・僕たちの平均寿命は伸び続けている(84歳)
・定年退職の年齢も伸び続けている(60⇨65歳)
・労働人口は減り続ける

もう色々フラグは立っている。なんなら定年退職の年齢とか70歳とか撤廃とかになるんじゃないかとすら思っている。めっちゃシンプルな変化として

人生ゲーム延長で最後の方、少しステージ増えますよー

ってことがわかる。ラスボス倒したと思ったら第二形態なった、そんなシナリオなかった!みたいな。聞いてないやん!は人生ゲームでは詰みとなる。
であれば、変更が加わったゲームルールに今のうちに適応しておく。その上で結果を出せる状態をデフォルトとする方がいい。幼少期の悟空やクリリンが重たい道着を着ていたようなものだ。

休みが増える!やったー!は間違い。
休みが増える?やばい!が正しい。

うちの社員たちは色々考えてるので理解してる感じ。休み増えるから楽できるなんて思ってない。そもそも残業したら評価下がる文化の会社なので週40時間のリミットに対してスケジュールを組む。これが32時間に減るのだ。この限られた時間の中で結果を出せという捉え方をする。
採用が下手くそだとヒャッハー勢が増えると思う。しっかり自分の力量とかを測っている人からすると、どうやってこれを実現するかと考え込む。

そう、この週休3日の決断は全社的に重たい道着を着る決断でもある。この限られたゲーム時間/週のなかで今までと変わらない結果を出すという次のチャレンジでもある。でも、痛みを伴いながらも他より先にこれに適応し結果を出せる体質にすることの方が大切だ。

引き伸ばされたゲームだという見方

寿命が伸びると言うことは、死ぬまでに生きていくお金がかかり続けると言う状況。さらに介護など今ではリアルな想像がつかないイベントが色々ある。
それでもって年金もらえるのかわからん空気。日本経済の存在感が世界から消えていく感じを生きていくのだ。その先の未来はまぁまぁディストピア。

ゲームが引き伸ばされたんだから、プレイヤーの動きも引き伸ばそう。

これが週休3日の導入理由。先にこれで結果を出せるようにしておけば、複業トライしてみたり、新たな資金源を生み出す可能性もある。そもそもこの先の未来で無数のライフイベントが出てくる状況で週休2日では心身ともに対応しきれない。

人間は同時に3つの課題が降りかかると精神壊すらしい。
案件がトラブった、自身が病気を患った、介護が必要な家族がいる。
あり得そうな人生の課題だ。誰にでもありうる話である。

そんな課題があり得る未来で週休2日、かつエンドロールはまだまだ先になりましたなんて展開がデフォだとおそらく人間耐えられないと思う。
こんな未来に社員を連れていくわけにはいかない。今のうちに人生に余白を、仕事に効率を当たり前のように与えていきたい。いやそうすべきだと思っている。

働き方の当たり前を疑う時代へ

週休2日にしたのは松下幸之助さん。
今のパナソニックとなった松下電器製作所の創業者。誰もが知るレジェンド経営者ですね。松下さんが海外視察行った際に週休2日だったんですって。これを日本で当たり前にしようと日本でも導入された経緯があります。

そこから時代もだいぶ経ちました。単純に休みを一つ増やすよってことではなく、時代とともに当たり前とされてきた働き方を見つめ直すタイミングなんだと思います。これは上述したゲームルール、世界の仕組み自体が変わっていってることに連動して変更されるべきです。いまだに捺印がいることにおかしいぜ!ってみんな言ってるように、この時代にはそぐわない物事は改変されていくべきだと思っています。

僕は経営の当たり前を疑いながら経営していこうと今の会社を立ち上げているので意思決定はサクッとしちゃうんですが多くの企業に所属する会社員はお上が動かないと変えれない状況にあると思います。でも、声を上げるなら今かなと思います。働く環境が一変し、オールドスタイルの会社も今まで通りでは行かなくなる局面が増えています。ビデオ会議がわからない古株は必死にならないと戦力外だし、それを理解できない経営者もこの荒波で振り落とされていきます。
当たり前を疑い、変えていくにはもってこいの時代です。

人生に余白を、仕事に効率を

大事なことで2回言いました。
1日のスケジュールでパツパツにするな!という教えがあります。万が一の予期せぬトラブルを吸収処理できる余白がないと事故るから。人生も経営もこれが大事だと思っています。体の関節って可動域を広げるために余白があります。それと同じ。余白があることで柔軟に対応できる。

これと同時にトレードオフで消えていく時間と限られた中で効率を上げ同等やそれ以上の結果を出していくにはどうすべきかを考える。アウトソースでもいいし、やらない仕事を決めるでもいい。欧米的かもしれないですが、やらなくていい仕事をやりすぎるのが日本人の特徴だと思ってます。自ら判断し、自分がすべきものだけを取捨選択し、不要なものは削除する。そうやって効率を上げていき、その人だからこそのキャリアを積み上げていく。そう言うことができる環境を作るのも経営者の大事な仕事だと思います。

社員は駒ではない。もちろん血の繋がった家族ではないけど、大切な仲間です。そんな仲間の未来を考えると今やるべきことや備えるべきことはあるはずです。それが今回の判断の大きな理由でした。

人生に余白を。
仕事に効率を。

結局、3回言っちゃいました。

いただいたお金は子どもに本でも買おうかと思ってます。