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仕事のミスを減らすシンプルな3つのルール

プロジェクトがスタートする時に大切にしていることがある。
それはプロジェクトに対する自分自身の理解を把握すること。
驚くほど当たり前のことだが意外とこの整理を付けずにスタートしてしまう。

料理を開始する前の下準備みたいなもので慣れたら無しでも調理できてしまうが特に新人や若手はしっかり準備しておいた方がいい。なぜその調味料が必要なのか、どういう役割を果たすかの体系的な効果は準備と結果のセットで持って理解へと繋がるからだ。今日はそれを超ダイジェストでお届けする。

状況を理解する3つのルール

1)わかっていること
2)わかっていないこと
3)これらを踏まえた次の行動

簡単すぎて書く意味あるの?と感じるかもしれないが意外と未整理な人が多い。うちの会社の場合、プロジェクトの監督的役割が多いので指揮官はまずはこれをする必要がある。ちなみに弊社ではこのポジションを死ぬ気で探している。クリエイティブと全体戦略指揮は右脳左脳の切り替えコスパ鬼悪い。

大切なのは全ての情報や状況を完全掌握することだ。
つまり2)の項目をゼロにする作業をスタートラインで実施する。
実際にプロジェクトスタートや現状動いている物で試して欲しい。監督ポジションの大切なことは「わからない」を消すこと。
「わからないことすら、わからない」は爆弾を抱えて走るような物だ。

1)わかっていることは「予算」「納期」「制作物」などの基本的なことから、このプロジェクトの地雷になりそうな課題やクライアントの組織的性格、ロンチ間際の社会的状況(クリスマスやエイプリルフール、コロナのような予期不能なステータス)などがある。

大切なのは2)の洗い出しである。監督がまず洗い出してもいい。同時にチームメンバーを集めて1時間もあれば「わからない」項目が湧いて出てくる。わからない項目が多いと不安にもなると思うが、まず最初にそれを明確にすることこそ最も大事だ。これを戦場に置き換えてみよう。どのルートで攻め入るかを考える時に情報があまりにない中で「ひとまず攻めてみるか!」は愚策中の愚策。部隊全員を危険に晒す判断だ。やるべきことは一つ。わからないを全て見つけ出して日の元に晒すこと。

わからないをわかるに変えるのは行動のみ

2)で大量に生まれた「わからない」を「わかる」に変えていくことがプロジェクトの成功に繋がる唯一の道だ。全てのわからないをわかるに変えるにはどうすべきかを考えよう。つまり3)の次の行動を決めていく。

わからないことは聞けばいい。本を読んで勉強でもいい。その道のプロをチームに加えるのも手だ。選択肢は無限にあり、それらは全て「わかる」ための行動である。わりと人は「わからない」ものは出来るだけ見ないように進めてしまう。年末調整とかとりあえずギリギリまで書かないようにわからないのはストレスがあるからだ。逃げがちなのだ。しかし行動はすぐにでもできる。わからないストレスは放置してると思いの外、大きくなる。行動すれば5分で済むことも放置すると雪だるま式に不安を煽り視野から外したくなる。手っ取り早く相談するか、今すぐできることから動き出すことをおすすめする。

心のざわつき度でプライオリティを決める

3)これらを踏まえた行動を決めるのが難しい場合は、とくに2)わかっていないことを眺め、心が不安にかられるものから手をつけるといい。自分が最も分かってないものは早めに処理した方が心的ストレスもない上に意外とイージーな流れで1)わかってることへ昇華できる。経験上、多くの巨大なわからない!は想像ほど大変ではないことが多い。その道のプロに聞くことが最短距離なのでたくさんの領域のプロと友達になっていると救われます。

これが大事
「このリストを定期的にアップデートする」

常にプロジェクトでは状況が変わり続けます。監督であれば毎週プロジェクトステータスを更新しましょう。余裕がなければ2週間に1回チームで30分の打ち合わせでもいいです。チーム内の「わからない」を炙り出す作業です。多くの場合、チーム内の誰かが「わかっている」のに他の人に浸透してないなど情報伝達のミスが原因というものもあります。

何より大事なのは誰もが見落としていた「わからない」を早期に見つけること。わかったふりしてチームで地雷を踏むリスクを潰せただけでもう万々歳です。仕事増えるから嫌だな…という人もいるかと思いますが地雷踏んでからの方が仕事激増します。対処するなら今です。

誰も死なないための監督業務

こんな言い方怖いかと思いますが、チームの誰1人置いてかないのが監督の鉄則です。仕事だから命は取られませんが、わからない状況でチームで地雷原に突っ込む仕事なんて、誰だっていやです。それがクライアントワークならなおさら。チームにもクライアントにも迷惑をかける。

「わからない」って言えない空気が職場にあるとしたら、それは良くない状態。悪いニュースを上司にバレないようにしたりとか、地獄です。悪いニュースほど最速でボスに伝えないと取り返しのつかないことになるのがわかっているのに世の中そんなニュースが目につきます。

一応、僕もボスなので積極的に「これ、俺もわかんないわ。聞いてみるわ」と「わからなさ」を公言しまくります。本当にわからないので。笑
「わからない」ことは悪いことではありません。それに気付いてるだけでももう偉いんです。むしろ、考えもせず「わからないことをわからないままにすること」は一番ダメです。

「わかららないところある?」というのがスタッフに対する僕の口癖です。
まずはみんなで「わからない」を共有し合いましょう。

いただいたお金は子どもに本でも買おうかと思ってます。