見出し画像

理想の人生を実現するためのバックキャストの作り方

「あなたの理想の人生は、どのようなものですか?」
あなたはこの質問にどう答えますか?簡単?難しい?

義務教育では「解き方」は教えてくれても「考え方」を教えてくれる機会が少ない。アイデアやコンセプトを考えるプランナーという仕事をしていると、解き方より考え方の方が人生に効くのではないかと思うことが多い。

インターンや若手が来たときに、どうやったら理想の仕事や自分といったものに到達できるかを相談される。たしかに理想の状態はストレスもない。やりたいことをやっているし、それで飯を食っている。たぶん、その理想の状態は人それぞれにあるはずだ。割と自分の理想の生き方・暮らし方を実践していると思われているから質問されるのかもしれないがアドバイスとして、

「人生も仕事もバックキャスト/バックキャスティングの繰り返しだよ」

と伝えている。実際、それ以外言いようがない。
僕はあなたではないし、あなたは僕ではない。
「あなたの理想の仕事/自分ってなんですか?」と聞くと言葉を濁す人が多い。これはなんとなくだが「考え方」を学べなかった弊害のように思う。
「解き方」は教わるが「自分らしい人生の作り方」は教わった方法では解けない。

質問の仕方を変えてみよう。
「この週末、あなたらしく過ごすなら何をしますか?」
これにはかなりの人が少し考えながらでも回答できるはずだ。
感覚値だが人は一定の時間的な距離を超えると想像が届かなくなる。

「○年後、あなたはどんな暮らしをしていたいですか?」
「○年後、あなたはどんな仕事をしていたいですか?」

という質問をすると急に答えがでなくなる。
なんとなく、大きなこと/良いことを描かなければいけない強迫感がある。
この強迫感は「問題」と「答え」を繋ぐ「解き方」だけを教わった大きな弊害だと思う。

余談だが、子供のテストで答えは合ってるのに解放が違うという理由で△をつけられたテストを見て、教育ってこれでいいのかな?とイラッとしたことがある。子供は「答え」にも行き着いたし、「自分なりの解法」も見つけたのだ○を越して◎だと思わない?

週末何したい?に簡単に答えれた瞬間を想像して欲しい。
週末、学校・仕事もない。旅行いく?映画見る?本屋いく?ゲームする?デートする?etc…無限の欲望が湧き出てきたはずだ。

しかし、多くの人が欲望を前面に出すことに抵抗を感じている。欲望大事。まずは「出来た人/優秀っぽくみえること」みたいな謎の見栄を消し去ってみよう。

無限に湧き出る欲望の中から、これだ!と思うものはあなたにとって重要な要素かもしれない。僕はゴロゴロ漫画かゲームをしていたい。お出かけとか別にしなくていい。めちゃくちゃ怠惰だ。でも、これが自分らしい要素だったりする。この「出来た人/優秀な人であれフィルター」を外すことができたら、何年後だろうと想像しやすくなる
どんな怠惰な未来でも、偉大な未来でも、安心してくれ…誰も見てない・聞いてない。あなただけしか知らない情報だ。恥じることはない。

僕の理想の人生は、
「ゴロゴロしながら稼いで面白いことだけを仕掛けていく人生」だ。
どう?あなたの理想の人生より、怠惰で欲深い自信がある。
この理想は100%に近い僕の欲望純度だと思っている。

じゃあ、これいつまでに当たり前にしたい?
「40歳にはこれをデフォにしたい」
では、残り3年でこれを実現するには?

という流れでやっと登場「バックキャスト/バックキャスティング」です。
仕事の大半がそうですが、締め切りがない仕事が一番危ない。ずるずる先送りにしてしまう。仕事では締め切りが必ずありますが、自分の人生となると、めちゃくちゃないのが締め切り。無理かもしれない…そういう不安こそ先送り!まずは自分の理想の締め切りを作ってしまおう。

さっそく、欲望の解剖してみよう。
「ゴロゴロしながら稼いで面白いことだけを仕掛けていく人生」は二つの欲望が潜んでいる。
A「ゴロゴロしながら稼いでいる」…ビジネス的な欲望
B「面白いことだけを仕掛けている」…クリエイション的な欲望
これらを分析/解剖/考察する。

A「ゴロゴロしながら稼いで」
 A-1:スケジュールに追われることのない適量な仕事を引き受けている。
 A-2:そんな仕事少なくてもフィーがいいか、不労所得がある。
 A-3:快適な環境(ゴロゴロできる!?)を所有している。
B「面白いことだけを仕掛けていく」
 B-1:自分がやるべきではない仕事は断るか届かないようになっている。
 B-2:既出のアプローチでの仕事は受けてない。
 B-3:受ける側ではなく仕掛ける側にいる。

欲望の解像度が上がってきました。ここで出来る人/優秀な人の見栄フィルターがあると相当ブレるので気をつけてください。人は怠惰な生き物なのです。そして欲深いのです。初期設定のミスは大きなズレを生むので、恥ずかしい人は1人でこっそりやるといいです。

この炙り出された欲望項目をどう実現すべきか考える時間です。

A-1:スケジュールに追われることのない適量な仕事を引き受けている。
まずここでわかるのは今の仕事量よりは減らしたい!という事実です。適量だとは思ってないだなというのがわかります。仕事量は減らすと売上が落ちる。そうなるとゴロゴロ過ごすことが厳しくなります。
これ答えは簡単で「仕事の単価を上げる」です。でも、そう簡単にあげれるとは思えないですよね。怠惰を実現するには努力が必要です。「他に出来ない仕事や結果を生み出し続ける」という次の課題が見えてきます。これで一つ思考のタスクが出来ます。

✅  価格があげれそう&自分にしか出来ない業務は何かを考える。

A-2:そんな仕事少なくてもフィーがいいか、不労所得がある。
これはA-1に被りますが仕事の単価を上げながら、僕でいうと受託業以外のビジネスを作る必要があります。受託業は自分の時間を切り売りするモデル。これだけだと忙しくしまくるか、単価を上げ続けるしかない。そのうちマーケットから外れてしまうだろうなというリスクがあります。ここからわかることは「いくつかの別事業を収益化」するという次の課題が見えてきます。

✅  今のメイン業務を生かした収益化が望めそうな事業を考える。

A-3:快適な環境(ゴロゴロできる!?)を所有している。
最後に快適な環境です。これは固定費だなぁと率直に思うのですが(今の時代どこにいても物質的な快適環境は作れる)持ち家なのか、維持管理コストが低いという意味でも快適といえるなと。もしかしたら収益化された自分のオフィスかもしれません。

✅  維持費が安いor収益化が望める仕事空間を考える。

B-1:自分がやるべきではない仕事は断るか届かないようになっている。
僕の場合、まだここが超ヘタクソです。全部やってしまおうという癖があるのでそこを直す必要があります。これが原因でA-1が実現しにくい要因になっていることがわかります。タスク化するならこうなります。

✅ よくある業務を書き出し、自分でなければ出来ないものを洗い出す。

B-2:既出のアプローチでの仕事は受けてない。
これは今でも実現できているが、断るだけだと機会損失になるなと気づく。
一見、普通の相談に見えても提案したら化けるもの/それを理解してくれる顧客かを判断するというのがより良い選択かなと判断しました。

✅  相談内容を見て、新しいチャレンジが出来るかを検討し返答する。

B-3:受ける側ではなく仕掛ける側にいる。
これはA-2に関連することだと気付きます。不労所得とズボラな言葉がでましたが、それを実現するのはとてもハードルが高いこと。それを得意な分野で自分の事業としてトライする必要があることがわかります。さらにそこで得た利益で自分が面白いと思うことを仕掛けることができれば120点!

✅  収益化が望める事業を自分らしく面白く提案できるよう考える。

40歳までにやるべき行動が見えてきます。

40歳までに「やるべきこと」
□  価格があげれそう&自分にしか出来ない業務は何かを考える。
□  今のメイン業務を生かした収益化が望めそうな事業を考える。
□  維持費が安いor収益化が望める仕事空間を考える。
□  よくある業務を書き出し、自分でなければ出来ないものを洗い出す。
□  相談内容を見て、新しいチャレンジが出来るかを検討し返答する。
□  収益化が望める事業を自分らしく面白く提案できるよう考える。

今、僕は37歳です。40歳までの3年でいくと約1000日。
1000日あればできそうな気がする。でもよく見てください。このタスクの中には難しそうなものもある。

「今のメイン業務を生かした収益化が望めそうな事業を考える」

他のタスクは日々の行動からコツコツ積み上げていく系です。
ぶっちゃけ今日からにでも始めれることがあります。全ては40歳の自分のために。でも、難しいなぁと思うものは「タスクの解像度が低いもの」です。
次にこのサブタスクを作っていきます。

□  今のメイン業務を生かした収益化が望めそうな事業を考える。
 L □  どのぐらいの金額があればゴロゴロ出来るか計算する。
 L □  メイン事業から派生可能な業態を書き出す
 L □  書き出した業態のつながりがあれば可能性/リスクをヒアリング
 L □  そこに必要な人材/コストを計算する

こんな感じ。食べきれないタスクは食べれるサイズまで落としましょう。
これでバックキャストの準備が整いました。
在りたい未来は「ゴロゴロしながら稼いで面白いことだけを仕掛けていく人生」です。作業にあたられる工数は1000日。先ほど割り出したタスクの並び替えをしてみましょう。この順番で処理すれば効率的な階段になるぞ!という感じで組み上げていきましょう。

1) よくある業務を書き出し、自分でなければ出来ないものを洗い出す。
2) 価格があげれそう&自分にしか出来ない業務は何かを考える。
3) 相談内容を見て、新しいチャレンジが出来るかを検討し返答する。
4) 今のメイン業務を生かした収益化が望めそうな事業を考える。
5) 収益化が望める事業を自分らしく面白く提案できるよう考える。
6) 維持費が安いor収益化が望める仕事空間を考える。

処理するならこの順番かなと流れができます。まずは自分自身の整理で1)2)がすぐにでも出来ることがわかります。
自己整理を追えたら3)の判断ができるようになる。これが定着するころには徐々に仕事量が減ってきて自由時間が増えます(理想でいいです)。そこで4)5)を考え、その実現の中に6)を入れ込む。はいできた!

これが1000日で僕が登る階段です。全体のタスクの重さを見た時に1)〜3)は軽め/すぐ出来ることがわかります。4)5)6)が急に重たいですね。ここに時間がかかることがわかります。

ノートと紙、パワポでもキーノートでもいいです。あなたの使える工数でスケジュールをひきましょう。軽いものは短く、重たいものは長く。余裕があれば併走させても構いません。自分しか見ないスケジュールなので自由に理想を描きましょう。

名称未設定3.001

1000日分の超ざっくりタイムスケジュールに落とし込んでみました。
時間軸で落とし込んでいくと「ん、2年でいけるかも?」とかなるんですが巻けるなら巻いてみましょう。【3) 相談内容を見て、新しいチャレンジが出来るかを検討し返答する。】のタスクが最初は地味に見えたのにとても大事なことにも気づけます。

人によって様々ですがタスクを行動順に並べると大きなセクションが見えてきたりします。僕の場合は

整理>思考>行動

というシンプルなシーズン分けがされていました。もしかしたら多くの人がこの枠組みに分けれるかもしれません。あらゆる計画の基本の流れです。4)5)6)はタスク重ためなので長いスパンを計画しています。ここで巻けると1000日と言わず600日で終わる可能性もあります。

もう5000字近いのですが、こんなたくさん書いていて実現したいことは、

「ゴロゴロしながら稼いで面白いことだけを仕掛けていく人生」

の実現方法なんです。自分でも何してるかな?と思うんですが、楽しく生きる上で超大事なことだと思い書いています。

そもそも自分の人生計画を誰かに相談するというのが頻繁にあることがおかしいんです。だって、これはあなたの人生です。決めるのもあなたなんです。でも、あまりに若い世代から同じ質問が多く、うちの子供達もみてたりすると「考える」という学習が足りないことが不安になります。

「考える」という行為は想像に近い行為かと思われますが、実は至ってロジカルです。仮説と考察の積み重ねです。学校じゃ教えてくれないことは「考える」というのは「理想を定めたのち、それを実現する方法を明確にする」なんです。急に面白いことを閃くことはもちろん考える行為ではありますが、同じことです。理想を定め、実現する方法を明確にする行為を頭の中で処理しています。たぶん。

バックキャストという言葉がついていますが、あるべき理想像から現時点まで逆算してステップ化する作業です。これは考える行為の基本でもあります。現時点から理想像を定めず考えることは「想像」に近いかもしれません。

考えるってめちゃくちゃ楽しいんです。
しかも自分の人生だったらクライアントは自分です。
自分を幸せにする最適な答えを考えてみて欲しいです。
解法は自由です。そこに至るまでのアプローチは自分で「考え」てみてください。あなたらしい方法であなたらしい未来を計画してみてください。

大事なことなのでもう一度いいます。
カッコつけたり、優秀そうな未来は本当の欲しい未来ではない可能性が高いです。裸のあなたで、欲望むき出しの、怠惰極まりない未来こそが、本当のあなたが欲しいと思う未来なんじゃないかと思います。

安心してください。
誰もあなたや僕を見ていません。
あなたの未来に本当にワクワク出来るのは、あなただけなんです。
みなさんの理想を実現した未来でお会いできれば幸いです。
僕も頑張ります。怠惰に。ゴロゴロするために。努力を重ねます。

いただいたお金は子どもに本でも買おうかと思ってます。