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自分を愛する先には何があるのか


今の自分を愛してしまったら、自分ってどうなってしまうんだろうという不安が消えない。

なぜなら、私は今まで「こんな自分が嫌い」という理由で頑張ってきた人間だったから。

”あの子が合格して私が合格できないなんて自分が許せない”

そう思ったから、塾に行く足取りが重くて自転車が漕げなくなっても、周りに見放されたと感じても、成績も上がらなかったけど頑張って勉強した。

それだけ勉強しても志望していた高校には行けなかった。だけど、ギリギリの選択で第2志望にした高校で過ごした3年間は、まあまあ楽しかったと記憶している。今の大学を選び合格できたのも、このときの努力と決断があってこそだ。

客観的に見たらひねくれているし自分を「かわいそうな奴」だと思い込んでいたのも事実だ。でも、それが私の一部であることはどうしようにも代えられないのである。


そんなこんなで、私が大学2年生のときの12月。
私の人生で1番悲しい日がやってくる。
祖母の死である。

小学3年生のときにみた夢を思い出す。
駅のホームで持っていたカバンを落とし拾おうとして電車に轢かれる祖母。
結局その夢は家族全員がなんともヘンテコリンな理由で死んでしまう、というブラックコメディのようなものだった。当時は学校の作文の授業でこの内容を書いて、先生に爆笑されたっけな。

だけど、人の死というのは本当に現実に自分に起こり得るんだなと思ったし、「推しが尊過ぎて死んだ」とかまじでもう言わんといてくれ、というような気持ちだった。

そんなとき、私を救ってくれたのはなんと新たなる”推し”であった。
その名は防弾少年団(BTS)

LOVE YOURSELF 自分を愛そう

このメッセージは私にとってある種の衝撃だった。理由は明白である。

そんなこと、やったことなかったから。

最近、自分をまずは認めてあげようとか、自分らしく生きる道もあるよねとか、そういう優しいヒーローみたいな考え方が普及してきたように感じる。

それ自体は、すごくいいことだと思う。

BTSのリーダー・ナムジュン(RM)が国連で行った「Speak Yourself」のスピーチも、すごく素敵だった。
だけどね、

だけど、私、怖くてやっぱり喋れないや。ごめんナム

これが今の私の声なんだ。

何度も自分を愛そうとした。けど、オンラインばかりで見慣れてきた自分の顔も、不器用で自分を隠そうとしてしまうところも、愛してしまったら逃げなんじゃないか?

無視するのは楽だし、実際そうしてしまう部分が大きいけど、無視してしまったら逃すチャンスもあるんじゃないのか?

私は自分を愛そうとすることで、逆に自分を嫌いになってしまいはしないか?

不安だ。毎日がものすごく不安。

自分のなかに憤りはあるけど、口で言葉にして吐き出すのはものすごく怖い。

こうして手で文字で打つのは、多分人に話したら何か言われてしまうのが怖いんだろう。ここなら、誰にも、私の周りにいる誰にも見られる心配がないから。

弱くて矛盾していて上手い嘘はつけなくて団体行動も苦手。

いくらでも自分の嫌なことばかり思い出してしまうから、もう寝よう。

そう思うのに、やはり自分を愛したい、愛してみたいと思うから、私はいつも自分を探している。

何もできている実感がない、今の自分をどうすれば愛せるようになるのかな。

息苦しい世の中で、これからもちゃんと息をし続けるには、何が必要なんだろうか。

突然自分の頭にぽつりと浮かんだ一文字。

自分が自分を少しずつでもまた愛せるようになるまで。

私は生きなくちゃならない、と思う。



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