YLCグループA 第1節 vs長崎

・負けに不思議の負けなし。

前回王者として臨んだルヴァンカップのグループステージ初戦は1-2の逆転負け…

「まさか逆転負けだなんて…」
「J2に降格したばかりで、昨年は5試合もやって1回しか負けなかったのに…」

開始早々の小野田将人のクロスバー直撃のシュートを皮切りに攻めまくり、4分には“ご当地梅崎”が2年連続で炸裂して幸先良く先制はしたのに、追加点が奪えない…

前半はベルマーレの“ゲーゲンプレス”にかなり手を焼いていた長崎がハーフタイムの間に修正を施し、少しずつではあるが徐々に流れを引き戻す。
昨年のベルマーレならこの手の闘い方を持ち込まれても凌ぎきることが出来たはずだが、この試合では試合終了間際に逆転を許す羽目になってしまった。

・ベルマーレに訪れたまさかの結末。
セカンドチームで臨む際に潜む“恐さ”につけこんだ手倉森采配。

この試合、ベルマーレは直近のJ1第2節FC東京戦から中3日で試合に臨んだこともあり、先発メンバーを11人全員入れ替えた。
(メンバーは上の画像でご確認ください)

その中で公式戦のピッチに立っていたのは、古林・指宿・大橋の3人、残りの8人は長崎戦が今季の公式戦初出場の選手たちだった。
メンバーの組み合わせが悪かったとは思わない。事実、梅崎司は得点を奪ったし、福島隼斗・鈴木冬一の高卒ルーキーコンビ(鈴木冬一はセレッソユース在籍時にJ3リーグには出場している)、JFLの今治から加入した小野田将人はJリーグデビューながら溌剌とした動きを見せていた。

しかし、第2キーパーの富居大樹と、最終ラインの福島、移籍後初出場のフレイレ、小野田の3バック、秋野央樹と新井光のボランチコンビはお世辞にも連携が取れてるとは言えず、コミュニケーションがまともに取れてない場面や、スペースをどう埋めるのか個人の裁量で任せ過ぎな場面が多く見られた。

福島、小野田はJリーグ初出場、新井は本職でないボランチでの出場ということがあったとはいえ、彼らの経験不足(予測不足、と言った方がいいか)がジワジワとチームに破滅の足音を立ててしまったのは否めなかった。
(これについては誰も責めることができず、むしろ誰もが経験することなので、彼等を責め立てるつもりは一切ありません)

簡単にハイボールに競り負けて、競り負けた相手に置いてけぼりにされて結果ゴールを許した福島隼斗、クリアすべき場面で一瞬迷ってしまった結果、さらに1失点目を与える要因を作った古林将太、2失点目の場面でシューターにスペースを与えてしまった小野田将人と鈴木冬一…
経験ある年長者でありながら試合を無事に終わらせることが出来なかった菊地俊介、秋野央樹、富居大樹、フレイレ…

セカンドチームで臨む公式戦初戦というのはとても難しい。公式戦デビューを飾る選手もいるし、前から居る選手・移籍してきた選手含めてシーズン初めての出場となる選手も多く、選手の質や量のバランス、試合展開を読みながら全体の意思の統一を図り取る作業がとても難しくなってしまうのだ。

そのあたり、後半に選手交代によって流れを引き戻すゲームプランを考えていた、という長崎の手倉森誠監督にしてやられたと言わざるを得ない。
ホームゲームという地の利、若手の選手起用を厭わないチョウさんの采配の特徴を逆に利用したのだろう。菊地俊介をボランチに据えてもベルマーレとしては後の祭りとなってしまった。

・過信と慢心はピッチ内外で広がっていたと言わざるを得ない。

サッカーというスポーツはつくづくメンタルのスポーツだなと実感させられる。
ベルマーレの選手・スタッフだけでなくサポーターの人たちも、「俺たちは前回王者。J2に落ちたばかりの長崎が相手だから今日は勝てる。勝った勢いそのままに鹿島に行けるはずだ。」と思っていたのであろう。

結果は開始早々に先制しながらの逆転負け。
逆転負け自体、2試合連続で許している事実もある。
チームが勝つと信じてはおらず、勝つと思ったからこそ、あのような結末が待っていたのだ。
強いチームは“自分たちが勝つとは思わず、勝てると信じる”ことが出来るから強いのだ。
自分を信じ、仲間を信じれば足が一歩早く、一ミリでも大きく踏み出すことが出来る。
試合で勝つ大原則を忘れてしまっていては、勝てる試合も勝つことは出来ない。

公式戦が始まって3試合でこのことに気づけたのはラッキーだった、と言えるように今後の試合も闘ってほしい。

次の試合と対戦相手は待ってはくれない。やるか、やられるか、相討ちか、答えは諦めずに走った先にある。

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