見出し画像

苦しみの向こう側。


親友がまたパニック発作を起こした

何度も何度も

パニック発作で暴れて

疲れて動かなくなって

また発作で暴れるのを

繰り返したらしい

ぼくは担任から

危ないから別の部屋に避難するように

と言われて

親友が調子が悪い間は

カウンセリングルームで過ごしていた

親友の調子は良くならなくて

おかあさんが四時間目に迎えに来た



親友のパニック発作には原因がある

突然の音や誰かの声がきっかけになる

でも普段はそれだけじゃ発作は起きない

親友は不安な気持ちでいっぱいなのだ

不安な気持ちで心がいっぱいになると

普段は気にならないような音でも

大丈夫じゃなくなってしまう

ぼくにもわかる

ぼくも感覚過敏がある

普段は無意識に

自分に入ってくる音や光や匂いを

調整することができる

でも体調が悪かったり

ストレスが溜まると

頑張っても調整ができなくなって

色んな音や光や匂い、感覚が一気に暴走する

たとえば、

音は大きくなったり小さくなったりしたり

脳に刺さるような痛みもあったりする

光は目から脳にフラッシュみたいに

激しい刺激を与え続ける

匂いも有り得ないくらい敏感になる

吐きそうになるし吐くこともある

こうなると自分を保つことはできない

だから脳が混乱して身体を暴走させ

無理やり治めようとする


パニック発作はめちゃくちゃ疲れる

疲れるというか意識を失う

つまり無意識で身体だけ暴れてる状態

普段抑えてる力もコントロールできないから

側にあるものや人にどうしても危害が加わる

周りの人からすれば

頭がおかしい人に見えるだろう

人のことなんて

人の気持ちなんて

実際になってみないとわからない


担任はそんなぼくたちを

いつも冷たい目で見ている

目は口ほどに物を言う

ぼくたちの苦しみをわかってくれる

そんな担任がいてくれたらいいのに




昨日の朝、ぼくが教室に入ると

親友は明らかに様子がおかしかった

その不安の理由をぼくは知ってる

親友から話を聞いていたから知ってる

でもぼくは聞くしかできないし

一緒に悩むことはできても

親友の悩みを解決できるのは

親友本人しかいないと思う

だから心の中で応援してる

不安定になると親友は

いつも以上にぼくを叩いたり

物を投げつけてきたり

ぼくの物を壊したり

当たり散らしたりする

それは本当はしてほしくないし

ぼくだって神様じゃないんだから

叩かれたりしたら痛いし悲しい

だけど

親友はそれ以上に苦しいんだろうなって

そう思ったら

親友を責めたり怒ったりできない

だからぼくは

できる限り笑って受け止める

ぼくなりの愛

って言ったらかっこつけすぎかな


親友が苦しいと

ぼくも苦しい

苦しいけど

苦しみの向こう側になにかがある

ぼくは希望を捨てたくない


やりたいことをやるために、

好きなものを好きだと言うために、

僕らは生まれてきたんだ。


まだまだ

たくさん

好きだって言いたい

まだまだ

たくさん

やりたいことをやりたい





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?