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【英語】Cascade / Cascade down

今日は、外資系企業でよく使うフレーズ。"Cascade"(カスケード)または"Cascade down"(カスケード・ダウン)

"Cascade"単独でも使われるが、"Cascade down"として、下へ、という方向を意味する"down"と共に用いられることも多い。

外資系企業に入社する前は、この表現を知らなかったが、本当に頻繁に使われる。たとえば、よく聞くのは、次のような表現だ。

Please cascade this information within your organizations.
(この情報をあなたの組織に共有して(浸透・徹底させて)ください。)
Please cascade this new rule down to your team members.
(この新しいルールをチームメンバーと共有して(浸透・徹底させて)ください。)

まずは、いつも通り、オンライン辞書「英辞郎」先生の解説から。

cascade
【名】
1.(連続した)小さな滝
2.〔液体や小さな物の〕滝状の流れ
3.〔装飾物などの滝状の〕垂れ下がり、カスケード
4.〔次々に起きる〕多くのもの[こと]◆【用法】cascade ofの形で用いられる。
5.〔電子機器などの〕カスケード[直列]接続
6.《化学》カスケード反応◆次々に起きる化学反応。
7.《コ》カスケード表示◆ウィンドウを斜めにずらしながら重ねて表示すること
【自動】
滝のように落ちる、滝になって落ちる
【他動】
1. ~を滝のように落とす
2. ~を次へとつなげる、転送する
・Please cascade this to account manager. : これを経理部長へ転送してください。
・You may cascade the attached documents to your managers [supervisors] for their use in discussions. : あなたの上役の人たちの議論に供するために添付した文書を彼らに転送するのはかまいません。

上記のとおり、"Cascade"は、名詞で「滝」を意味するのだが、他動詞として、1.「~を滝のように落とす」2.「~を転送する」という意味で使われる。今日ご紹介する表現は、この、他動詞の用法だ。

この表現について私の感じている語感は、英辞郎先生の上記1.2.の意味よりも、もっと強い。それは、むしろ、

「情報や指示の内容を、指揮命令系統に従って、しっかり組織に浸透させ、定着させる」

というニュアンスだ。

繰り返しになるが、cascadeのもともとの意味は、「滝」だ。滝が、上から下へ(滝のように)落としていく、というイメージは、組織のピラミッドに従って、上から下へ、指揮命令系統に従って、指示を浸透させる、というイメージとぴったりなのだ。

私の勤めた複数の外資系会社では、グローバル本社から、子会社の社長へ、子会社の社長から、役員たちへ、役員たちから、各本部や各部の本部長、部長たちへ…と、組織の上から下へ、指令を伝達し、かつ、しっかり浸透させることが求められる。それこそが、"Cascade down"というイメージなのだ。

そして、上司から、何かの指示を"Cascade しろ"と言われると、その指示は、自分の管轄する組織に共有しなければならないことはマストだが、単なる情報共有、情報伝達だけでは足りない、と思っていたほうがよい

結果として、自分の組織内で、その内容についてメンバーに完全に理解され、すべてのメンバーがその指示を守れていなければ、"Cascadeした"とは認めてもらえない、と思っておいたほうがよい

そのため、私は、ひとたび”Cascadeせよ”と言われたときは、その指示の内容について、できるだけ速やかにメンバーに対して共有するとともに、直接説明したり、質問を受けたりする機会を設けるようにしている。あるいは、メンバーが内容を十分理解して、その指示を実践しているか、事後のフォローアップをするようにしている。

ご参考になれば幸いです!

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