【英語】Cascade / Cascade down
今日は、外資系企業でよく使うフレーズ。"Cascade"(カスケード)または"Cascade down"(カスケード・ダウン)。
"Cascade"単独でも使われるが、"Cascade down"として、下へ、という方向を意味する"down"と共に用いられることも多い。
外資系企業に入社する前は、この表現を知らなかったが、本当に頻繁に使われる。たとえば、よく聞くのは、次のような表現だ。
まずは、いつも通り、オンライン辞書「英辞郎」先生の解説から。
上記のとおり、"Cascade"は、名詞で「滝」を意味するのだが、他動詞として、1.「~を滝のように落とす」2.「~を転送する」という意味で使われる。今日ご紹介する表現は、この、他動詞の用法だ。
この表現について私の感じている語感は、英辞郎先生の上記1.2.の意味よりも、もっと強い。それは、むしろ、
「情報や指示の内容を、指揮命令系統に従って、しっかり組織に浸透させ、定着させる」
というニュアンスだ。
繰り返しになるが、cascadeのもともとの意味は、「滝」だ。滝が、上から下へ(滝のように)落としていく、というイメージは、組織のピラミッドに従って、上から下へ、指揮命令系統に従って、指示を浸透させる、というイメージとぴったりなのだ。
私の勤めた複数の外資系会社では、グローバル本社から、子会社の社長へ、子会社の社長から、役員たちへ、役員たちから、各本部や各部の本部長、部長たちへ…と、組織の上から下へ、指令を伝達し、かつ、しっかり浸透させることが求められる。それこそが、"Cascade down"というイメージなのだ。
そして、上司から、何かの指示を"Cascade しろ"と言われると、その指示は、自分の管轄する組織に共有しなければならないことはマストだが、単なる情報共有、情報伝達だけでは足りない、と思っていたほうがよい。
結果として、自分の組織内で、その内容についてメンバーに完全に理解され、すべてのメンバーがその指示を守れていなければ、"Cascadeした"とは認めてもらえない、と思っておいたほうがよい。
そのため、私は、ひとたび”Cascadeせよ”と言われたときは、その指示の内容について、できるだけ速やかにメンバーに対して共有するとともに、直接説明したり、質問を受けたりする機会を設けるようにしている。あるいは、メンバーが内容を十分理解して、その指示を実践しているか、事後のフォローアップをするようにしている。
ご参考になれば幸いです!
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