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【温泉】渋温泉「歴史の宿 金具屋」(長野県山ノ内町)

今日ご紹介する温泉は、長野県の渋温泉にある老舗の温泉旅館「歴史の宿 金具屋」さん。こちらのお宿に、2食付きで1泊したときのお話だ。

こちらは、温泉マニアや旅行好きの方の間では有名なお宿だ。まずは、その貴重な建築物。昭和初期に建築され、国の登録有形文化財となっている建物を、そのまま旅館として使用している。

そして、自家源泉を含む、極上の源泉をかけ流した温泉。しかも、3つの大浴場と5つの貸切風呂の計8つのお風呂で、温泉めぐりができるのだ。

宿泊前から期待値は高かったが、実際に宿泊してみて、期待を大きく上回る満足感が得られた。以下、写真多めでレポしてみる。


外観

まずは、外観。登録有形文化財の「金具屋斉月楼」という木造4階建ての建物が、入り口奥に見える(全貌が見えないのが少し残念)。

玄関

夜には「斉月楼」がライトアップされて、幻想的な雰囲気を醸し出す。夜の温泉街をそぞろ歩きする旅行客のほぼ全員が、ここで立ち止まって写真撮影をしていた。

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館内

館内は、贅を尽くした豪華絢爛なものだった。昭和初期の大工さんが工夫を凝らしたユニーク構造、遊び心いっぱいの装飾などに、とにかく圧倒された。

まずは、フロントにてチェックイン。玄関のある建物は、戦後に建てられたコンクリートの建物だ。

玄関
休憩所

そして、奥へ進む。いよいよ文化財の「斉月楼」へ。昭和初期の木造建築美のワンダーランドが始まる。

次の写真は、やはり登録有形文化財である、大広間。座敷130畳、舞台30畳で、廊下、床の間を入れると200畳を超えるという。圧巻だ。

折り上げ格天井。格子の内側に井桁を組み入れている。

ちなみに、こちらのお宿では、毎日夕方に、宿泊客向けのサービスとして「金具屋文化財巡り」ツアーが開催されていた。参加は任意だが、大変多くの宿泊客が参加していた。お宿の9代目ご当主が、自ら、館内をくまなく歩いて案内し、その工夫や特徴をじっくりと教えてくれた。当時の大工さんたちが粋を集め贅を尽くした建物であることがよく分かり、感銘を受けた。こちらに宿泊される方には、是非参加されることをお勧めしたい。

客室

私が泊まったのは、504号室の「淡路」というお部屋だ。美しく設えられた和の空間は、心落ち着く。

引き戸の内側に踏み込み
広縁

温泉

前述のとおり、こちらのお宿には、3つの大浴場と5つの貸切風呂の計8ヶ所のお風呂がある。こちらがお湯めぐりの案内図だ。

8つのお風呂は、広い館内のあちこちに点在しており、探検気分で湯めぐりを楽しむことができた。5つの貸切風呂は、先客が使用中で空いていないことも多かったが、幸いにも、1泊の間にすべてのお風呂を巡ることができた。

(なお、こちらのお宿では、「斉月の湯」以外は、撮影禁止だ。そのため、以下の「斉月の湯」以外の湯船の写真は、公式サイトからお借りした。)

浪漫風呂

公式サイトより借用

鎌倉風呂

公式サイトより借用

龍瑞露天風呂

公式サイトより借用

貸切風呂①美妙の湯

公式サイトより借用

貸切風呂②恵和の湯

公式サイトより借用

貸切風呂③子安の湯

公式サイトより借用

貸切風呂④岩窟の湯

公式サイトより借用

貸切風呂⑤斉月の湯

全てのお風呂が個性的で、扉を開けるたびに新鮮な驚きを味わった。特に浪漫風呂と鎌倉風呂は、昭和レトロテイストの大浴場で、昔にタイムスリップしたような、不思議な感覚に包まれた。お湯も3種類あり、それぞれ違った浴感が楽しめた。

なお、これらのお湯の湯使いについては、以下の説明文があった。全ての浴室に使われている源泉について、分かりやすくまとめられている。

浪漫風呂は、「金具屋別荘」という名前の、すぐそばから湧き出る源泉。露天風呂と5つの貸切風呂は、金具屋第1ボーリングと第2ボーリングの混合泉。鎌倉風呂は共同源泉を使用している。色、味、匂いなどについても、ここに書かれているとおりだった。

湧出温度はすべて高温。露天風呂は5%のみ加水しているが、その他のお風呂は湯量を調整して覚ましており、加水なしの純粋な100%源泉かけ流し。とても贅沢な湯使いだ。

なお、こちらのお宿では、毎朝、宿泊客向けのサービスとして、自家源泉を見学させてくれる「源泉ガイドツアー」を行っている。私も参加した。その状況については後述する。

食事

食事会場は、夕食と朝食のいずれも、前述の登録文化財の大広間だった。昭和初期の贅を尽くした宴会を想像しながら食事をするのは、とても貴重な経験となった。

夕食

老舗旅館の正しい夕食といった、豪華な和食メニュー。私のプランは「鶏肉の治部煮」がメインのベーシックなコースだったが、一皿一皿のクオリティーが高く、大満足だった。

朝食

朝食は、身体に優しくとてもヘルシーなメニューだった。

源泉ガイドツアー

宿泊した翌日、チェックアウト前に、こちらのお宿の自家源泉を見学できる「源泉ガイドツアー」に参加させていただいた。この日、こちらのツアーに参加したのは、私を含め、たったの3人だった。前日夕方に行われた館内の「金具屋文化財巡り」ツアーには、数十人のお客さんが参加していたのだが・・・。普通のお客さんは、建物には興味があっても、源泉にはさほど興味がないのかもしれない。

こちらのお宿は、4つの自家専用源泉と5口の共同引湯の権利を所有しており、お湯の使用量は毎分約200リットル。湯口のみならず蛇口からでるお湯もすべて、源泉から湧いた温泉そのものだ。

以下、案内していただいた順にご紹介してみよう。

「金具屋別荘」

ナトリウム・カルシウムー塩化物・硫酸塩温泉。温度62.3度。Ph6.8。湧出量毎分22リットル。浪漫風呂のすぐそばの地中から湧き出ている。狭い階段を下りて、湯だまりを実際に確認できた。とても貴重な経験!

右側の階段を降りる

「金具屋第3ボーリング」

金具屋から歩いて数分の場所にある。ナトリウム・カルシウムー塩化物・硫酸塩温泉。温度73.8度。Ph7.98。湧出量毎分30リットル。浪漫風呂の洗い場と、お風呂付客室に使われている。ここで、こびりついている湯の花を少し削り取って、味見をさせてくれた。なんとも苦かった!

「金具屋第2ボーリング」

金具屋からも、「金具屋第3ボーリング」からも離れた場所にあり、お宿の車で向かった。含硫黄ーナトリウム・カルシウムー塩化物・硫酸塩温泉。温度98度。Ph8.2。湧出量毎分64リットル。次にご紹介する「金具屋第1ボーリング」とともに、露天風呂と5つの貸切風呂に使用されている。

「金具屋第1ボーリング」

「金具屋第2ボーリング」から徒歩ですぐの場所にある。含硫黄ーナトリウム・カルシウムー塩化物・硫酸塩温泉。温度98度。Ph8.0。湧出量毎分57リットル。

なんと、源泉が噴きあがる様子を見せてくれるというパフォーマンスがあった。地中から真上に勢いよく飛び出す源泉のパワーに圧倒された。

成分がパイプの内側にびっしり付着している

ツアーの最後には、お土産にということで、源泉の湯の花と、温泉分析表のコピーをいただいた。温泉マニアには嬉しいプレゼントで、自宅で今でも大切に保管している。

昭和初期の雰囲気そのままの建築物。極上の源泉。美味しいお食事。文化財ツアーに源泉ツアーという、心憎いサービス。全てにおいて高いクオリティーで、期待を大きく上回る素晴らしい滞在となった。全ての方に自信を持ってお勧めしたいお宿だ。

いいお湯でした。お世話になりました!

こちらのお宿の公式サイトはこちら。

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