【グルメ】「かねつき堂」の「ふらい」と「ゼリーフライ」（埼玉県行田市）
今週、小説『のぼうの城』についての記事、その舞台となった忍（おし）城の記事、石田三成の忍城攻めの形跡を辿る記事をアップした。
忍城の所在地は、埼玉県行田市。東京都内の私の自宅からは、結構距離がある。せっかく訪問するからには、現地のグルメを食べようと思い、ご当地グルメについてGoogleで調べてみた。
すると、行田市のウェブサイトで、ご当地グルメを紹介するページが見つかった。そこで絶賛されているのは、「フライ」と「ゼリーフライ」という食べ物だった。
何それ？ 初耳。ご存知の方はそう多くないのではなかろうか。まずは、それらが何なのか、についての解説からどうぞ。
フライ
まずは、「フライ」について。以下の行田市のサイトの記載を引用してみよう。
『フライ』と言えば一般的に揚げ物というイメージがありますが、行田のフライは揚げ物ではなく、焼き物なのです。
行田でいう『フライ』とは、小麦粉を水で溶き、鉄板の上で薄く焼きながら、ねぎ、肉、卵などの具を入れ、好みでソースまたは醤油だれをつけて食べるもの。クレープのようにふわりとした舌ざわりのお好み焼きのようなものです。
行田市の位置する北埼玉地方は古くから小麦の産地であり、もともと農家で手軽に作るおやつのようなものでした。安くて持ち運びが便利なうえ、腹持ちがよいこともあって、行田で昭和初期に全盛期を迎えた足袋工場で、働く女工さんに大ヒットし、販売する店が増えて定着したとのこと。現在でも市内では20件以上の店が営業しています。
イメージできただろうか。ご心配なく、後から写真でご説明しよう。お次は、奇妙な名前の食べ物、ゼリーフライについて。
ゼリーフライ
ゼリーフライ…。この名前を最初に聞いたときの反応は、お菓子の「ゼリー」を油で揚げるのか？？？ それ、美味いの？？？と、いう、戸惑いだった。種明かしをすると、以下のようなものだった。同じく、行田市のサイトから引用。
フライと名前は似ていますが、「ゼリーフライ」は全く違う食べ物。お菓子のゼリーとも別ものです。見た目は衣のついていないコロッケのようなもので、そのルーツは、日露戦争の時、中国から伝わった「野菜まんじゅう」だということです。
ジャガイモにねぎやにんじん、さらにたくさんおからが入っているのも特徴で、食物繊維が豊富でヘルシー。おいしくてダイエットできることうけあい。ソースの味と香りがとても利いて、モチモチとした食感が大人にも子どもにも大人気。
その名の由来は、小判形であることから「銭フライ」と言われていたものの「銭」がなまって「ゼリーフライ」となったとか。
ゼリーフライは市内のさまざまな場所で販売されており、おやつとして行田市民に親しまれています。
小判（ゼニ）のような形をしたフライとのこと。ゼリーの揚げ物でなくて、良かった…。
「こぜにちゃん」と「ふらべえ」
そして、なんと、これらふたつの食べ物にちなんだ、ゆるキャラが存在することも判明した。行田ゼリーフライキャラクター「こぜにちゃん」と、行田フライキャラクター「フラべぇ」だ。
これらのゆるキャラの著作権は行田市のもの。取扱要領はこちら。
取扱要領まで整えて、ゆるキャラを用意するとは！ 行田市の、この２つの食べ物に対する、深い愛が感じられる。これは、美味しくないわけがなかろう。これらを提供するお店を調べて、いそいそと出かけてみた。
「かねつき堂」さんを訪問
訪問したのは、忍城から徒歩数分の位置にある「かねつき堂」さん。なかなか趣のある店構えだ。
お品書きはこちら。ゼリーフライと、フライを、ともに提供している。フライは、何故か、平仮名で、「ふらい」と表記されている。
飲食エリアは、ガレージのようなエリアに、机と椅子が設置されている。コロナ対策のビニールも設置されている。
「ゼリーフライ」（２個入200円）と、「ふらい」（卵入り・小400円）をオーダー。両方そろったところで、写真をパチリ。
まずは、ゼリーフライからいただこう。
行田市の情報によると、「野菜まんじゅう」だそうだ。色からすると、ちょっと健康に悪そうだが、ところがどっこい、かじってみると、とても、優しい味。触感も、もちもちしている。そうか、これは、おからの感触だろう。中身はみっちり。しっとり、柔らかい。でも、腹持ちがよさそう！
次は、「ふらい」。小麦粉を焼いたクレープのようなもの、だそうだ。卵入り、ソース味にしてもらった。
キャベツの入っていないお好み焼きのようだ。こちらも、もちもちとした触感で、駄菓子のような、懐かしい味。
城郭巡りウォーキング中の、よい腹ごしらえとなった。美味しかった〜。ごちそうさまでした！
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