【英語】Take the liberty of ...ing
今日は、"take the liberty of ...ing"というフレーズのご紹介。
まずは、英辞郎の解説を見てみよう。
「勝手に〜する、失礼ながら〜する。」というのが、一般的な訳語だ。この文面だけを見ると、「してはいけないことを、勝手に行ってしまった」という、否定的なニュアンスの表現であると受け取ってしまうと思う。
次に、このフレーズを構成する、"liberty"の訳も見てみよう。
こちらのうち、4.と5.の項目で、「無遠慮、不作法、ぶしつけ」「勝手、気まま」などいう、ネガティブなニュアンスの訳語が並ぶ。そして、これらの用例として、"took liberties"と、動詞"take"を使った例文が紹介されており、今日のフレーズ:"take the liberty of...ing"とよく似ている。
しかし、私がビジネスでこのフレーズ"take the liberty of ...ing"に接するときには、少し違ったニュアンスを感じるのだ。
あくまで私個人の感想だが、「本来なら誰かの許可を求めるべきところだけれど、(例えば、急いでいるところに、連絡を取る時間的余裕がなかった、などのやむを得ない理由から)自分の判断で〜した」という文脈で、過去形で使われることが多いと感じる。
言ってしまえば、無断で何かをしてしまったことの言い訳の表現なのだが、その状況において、許可を得ずにそれを実行したことが、その時点での自分の最善の判断であったという、当時の自分の判断に自信があったことを示す、むしろ堂々とした、ポジティブなニュアンスを伴っていることがあると感じるのだ。
たとえば、次のような例文だ。
上記の例文では、送られてきたメールを、送り主の許可を取らず、自分の判断で、同僚たちと共有したことを述べている。そして、その、許可を取らずにメールを共有するという行動が、本来は望ましいことではないが、やむをえない理由があった、すなわち、緊急事態を解決するためには必要なことだった、と続け、自らの判断が正しかったことを示唆している。
つまり、「無遠慮、不作法、ぶしつけ」「勝手、気まま」といった、ネガティブな行動を非難したり謝ったりするニュアンスばかりではなく、むしろ"liberty"の本来の意味(上記の1.の意味)である、自分の「選択の自由」を行使した、という前向きな態度を伝えたいときにも使われていると思うのだ。
これを書いている今、かなり前に以下の記事にした"It's easier to ask forgiveness than it is to get permission."というフレーズを思い出した。
この記事に書いたように、こちらのフレーズは、「思い立ったら、事前に時間をかけて許可を求めるよりも、とりあえずスピード感を持ってやってみよ。うまくいかなかったとしても、後から許しを乞えば済む」という意味だ。
このように、実際に、許可を求めずに何かをやってみて、「後から許しを乞う」という段階に至った際に、この"I took the liberty of ...ing"という表現を使うのが、すごくしっくりくると思うのだ。
ビジネスのスピードが速くなった現在、ひとつひとつ上司のお伺いを立てていればチャンスを逃してしまうことも多い。そんなとき、自分の裁量で行っても許されるはず!と思えることがあれば、どんどんやってしまおう。そして、"I took the liberty of..."という表現を使って、「私が最善と思う判断でそれをやりました」と堂々と主張することができればよいと思う。
(ただし、明らかなルール違反やコンプライアンス違反となる行動の言い訳には使えないと思うので、ご注意を。)
ご参考になれば幸いです!
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