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【英語】in due course

少し硬いニュアンスだが、ビジネスでよく使われる表現、"in due course"のご紹介。

辞書では、「そのうち、やがて」などと訳されることが多い。しかし、ただ「漫然と時間が経てば」という意味でなく、「しかるべき時期に、適切なタイミングで」、何かをする、何かがなされる、という文脈で用いる。

いつもどおり、オンライン辞書「英辞郎」の解説を見てみよう(以下、引用箇所の太字は筆者付す)。

in due course
そのうち、やがて
・You will be allowed to take responsibility in due course
あなたはそのうち責任を持つことができるようになるだろう。

また、同じく「英辞郎」に載っている例文には、次のようなものがある。

will be announced in due course 
時期が来たら発表される
acknowledge receipt of ~ in due course 
~を受領した旨を遅滞なく知らせる
look forward to receiving further details in due course 
さらなる詳細をそのうちもらえるものと期待する
reach someone in the ordinary way in due course
〔通知などが〕やがて通常の方法で(人)に届く

これらの用法のように、時期を具体的に特定せず、「しかるべき時期に」「適切なタイミングで」何かをする、何かがなされる、という意味で用いる。

ポイントは、"due"という単語の意味。あまり普通の日本人にはなじみのない単語かもしれない。

"Due"には多くの意味があり、「~する予定である」「支払い期限がきた」「当然の、正当な」といった日本語訳がある。この点、Oxford Learners' Dictrionaryという英英辞書(Webベース)に、次の用法があった。これが最も近いと思う。

​[only before noun] (formal) that is suitable or right in the circumstances
After due consideration, we have decided to appoint Mr Davis to the job.
Due allowance should be made for inexperience.
(British English) He was charged with driving without due care and attention.

必ず名詞の直前に持ってくる用法で、「それぞれの状況に応じて適切に、正しく」という意味だという。これが、最も、しっくりくる。

私が普段よく聞くのは、次のようなフレーズだ。

We will inform you our decision  in due course.
「私たちの決定は、しかるべき時期にお伝えします。」

決定はいずれ伝えるが、時期は特定せずに、「追って沙汰を待て」と伝えるイメージだ。

You will be promoted in due course.
「あなたはそのうち昇進するでしょう。」

いずれあなたは昇進するだろう、といって、期待を持たせている。時期まではちょっと分からない(言えない)が、このまま順当に行けば、適切な時期が来たら昇進するだろうから、引き続きがんばれ、という含みを持たせるときなどに使う。

このように言われたら、えっ、"in due course"って、「一体、いつのことよ?」「どれだけ待てばよいの?」と、突っ込みたくなるかもしれない。

しかし、具体的時期がいつかを聞き返しても、答えはもらえないだろう。話し手が、あえて"in due course"というフレーズを使うということは、具体的な時期がまだ分からないか、時期が分かっているとしても、言えないか、コミットできないときなのだ。そういうときは、それ以上深追いせず、「Understood.  (わかりました)」と言ってサクッと引き取って、素直に御沙汰を待とう。

逆に、こちらが話しているときで、「(時期を特定できないけれど)いずれ、そのときが来たらね」というニュアンスを出したいときがあれば、まさにぴったりのシチュエーションなので、是非このフレーズを使ってみていただきたい。

ご参考になれば幸いです!

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