くじら

ファスト&スロー#3

『ファスト&スロー』 ダニエル・カーネマン
第1部 二つのシステム
第6章 基準、驚き、因果関係
第7章 結論に飛びつくマシン
第8章 判断はこう下される
第9章 より簡単な質問に答える

まとめ
・驚きは、過去の出来事から想起される連想と異なることを、異常と判断したために起こる感情である。
・信じたことを裏付けようとするバイアスがある(確証バイアス)
・複数の情報源から情報を得るときは、情報源を常に相互に独立させなければならない。
・見知らぬ人の顔を見ただけで、その人の支配力と信頼性をある程度把握する能力を私たちは持つ。
・意図する情報以外を拾い上げ、過剰な情報処理をしてしまう(メンタルショットガン)
・感情的な問題に対しては、監視役であるはずのシステム2がシステム1の判断の擁護に回る。(感情ヒューリスティック)

人の印象は初対面で9割方決まってしまうことや、感情的になってしまうと周りの意見を聞かなくなってしまうことを論理的に説明している。
人は信じたいものしか信じない。これは、信じないということが、まず最初は信じることを前提であるし、信じることの方が疑うことよりも負担が少なく楽であるためであるから起こると考える。人は楽なほうへと流され続ける。

また、感情ヒューリスティックの話は、動物保全活動が現状とかけ離れて過剰に行なわれていることを思い出した。アザラシや鯨が残酷に捕獲される動画を見たり、絶滅危惧種の増加がメディアで報じられるのをみると、私たちはかわいそうだと思う。結局、何もしない人が大半かもしれないが、ある人は募金活動に参加したり、動物保全のNGO団体に参加する人もいるだろう。何かしら、マイナスの感情は持つはずだ。しかし、動物保全の現状は、良好に向かってきているケースが多く、むしろ私たちが過剰に反応するせいで、動物たちに悪影響がでる場合もあるらしい。

捕鯨についての国からの情報はこちらを参考に。
捕鯨問題Q&A

偏った情報に左右されて感情的に行動するのではなく、多面的に情報を手に入れることで、正しい判断をすることが重要だ。

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