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豊かで楽しい未来の生き方 ~ミライ・ミキサー 生き方編~
未来を妄想する「ミライ・ミキサー」。ナビゲーターの浦野さんと小林が色々なテーマを設定して、これまでに15回の発信をしてきました。
今回は、予測不可能な未来をどう生きていくのが良いのか、に関連したテーマで対話した回をまとめます。
第4回 ミライの遊びはどうなる?
第11回 不老時代の生き方
第12回 ミライを生きる人間力とは
遊びこそが人間らしさ
第4回のミライ・ミキサーは「ミライの遊びはどうなる?」というテーマでした。まずは、仕事と遊びの違いから話が始まります。仕事は何か人や社会の役に立つことを行うこと、遊びは完全に自分の楽しみのため。AI技術が進化して、仕事はだんだん機械に置き換わっていきますが、遊びは絶対にAIに置き換わりません。
だって、自分(AI自身)の喜びを満たすだけのAIには価値が無いですよね。
という事は、遊びこそが人間らしい行動なのではないでしょうか?
では、どこまでが遊びなのか。子どもは遊びと学びが地続きだけど、大人になると学びと仕事が繋がってきて、遊びは学びの要素が薄れてくるような気がします。遊びにも刹那的に快楽を満たすものと、より知的好奇心を満たすような学びに繋がるものがあるのではないでしょうか。
他の回でもありましたが、未来の人間は暇になる、つまり仕事の多くが機械に置き換わり、人間がやる仕事が減っていくために、多くの人は暇な時間が多くなる、と言われています。そういう社会では遊び呆けている人ばかりになるのでしょうか。
ナウル共和国では今から50年ほど前にベーシックインカムが導入されました。税金なし、医療費・教育費無料、全国民に給与を支給した結果、30年後には失業率が90%に達しました。この30年間でナウルの人たちは働くという意欲が無くなってしまったそうです。
未来の社会では確実に暇な時間は増えるでしょう。未来の遊びは、刹那的に快楽を求め続けるものばかりではなく、知的好奇心を刺激し、人々の意識の成長に繋がるような遊びが求められていくのかもしれません。
老いなき世界であたなはどんな生き方をしたいですか?
第11回は、「不老時代の生き方」について語りました。
「LIFESPAN」という本の中で著者のD.A.シンクレア氏は、医学研究の視点から、老いは病気であり治癒できると示します。すでにメカニズムも解明されつつあり、人類は老いなき世界を迎えると言います。
100歳を優に超えるような寿命を獲得できるようになったら、あなたはどんな生き方をしたいですか?
いくつまで働けるのでしょうか? 定年はいくつになるのでしょうか?
そもそも仕事をし続ける必要はあるのでしょうか。
昭和な価値観では、暇は耐えられない、何か仕事を見つけて働かないとダメなんだ、と言う人もたくさんいます。
これからは、前述したように暇な時間が増える時代に突入します。さらに、老いを克服して寿命も延びた場合、暇を楽しむというマインドに変化していかなければいけません。経験を積んだ人がなるべく姿は「モダンエルダー」だそうです。
モダンエルダーになる方法はこの4つだそうです。
変化を恐れない
新人の気持ちになる
仲間と知恵を交換する
アドバイスの能力を磨く
古い価値観をアップデートすることができるか。一方、これからの人たちは最初から違う価値観を持っていて、不老時代にも柔軟に対応できるのか。
古い価値観に基づいた教育では、不老時代を生き抜く力が身に付かないのではないだろうか。そんな疑問やモヤモヤが残るミライ・ミキサーらしい対話になりました。
競い合いよりも笑い合える社会
第12回のテーマは「ミライを生きる人間力とは」。
まずは人間力とは何か?から話を始めました。
人間と動物の違いは何か? それは想像力、サピエンス全史によれば虚構を信じることができる力、なのではないでしょうか。
では、人間と機械の違いは何でしょうか。人間は、能力的には機械に敵わない面が多々あります。たとえば記憶力は全く歯が立ちませんが、人間は忘れる能力があるという事も出来ます。
これは、大事なことを覚えている、という事ですが、大事なことは、その人にとって大事な事であり、これはその人の価値観、そして感情に紐づいた経験であると言えます。
「動物と機械から離れて」の中には、人間と機械の違いは自由意志である、とあります。自由意志、というと難しいですが、要は”好き嫌い”があるのが人間なのではないかと思います。
人間力については平成15年度に内閣府が定義したものによれば、知的能力的要素、社会・対人関係力的要素、自己制御的要素に分けられるようです。
この中で未来にも求められるものは何でしょうか。知的能力の中には、基礎学力、専門の基礎的知識が含まれます。これらは現在に比べると優先度は下がるかもしれません。
未来の世界では、こういう生き方、という典型的なものが薄れていくと思います。
対話からは「笑い」の大切さに話が及びました。笑いは豊か。
これからは人間同士が競い合うのではなく、笑い合える世界になればいいですね。
暇を楽しめる未来の生き方
ミライ・ミキサーで対話を重ねてきて、暇な時間が多くなる未来に、暇を楽しめる生き方を目指していくのが良さそうだ、ということがわかってきました。
遊びの中にも知的好奇心を求めたり、年を重ねても変化を楽しんだり、笑いのある世界を作り出したり。こんな未来の楽しみ方を妄想していくことが、より豊かで楽しい未来を創造することに繋がるのかもしれません。