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自己学習環境 SOLEと出会った

2021年も残すところ1日となりました。この1年の学びを振り返ってみよう。

SOLEに出会う

3月、TED Talkのオススメ動画に現れた Sugata Mitra氏のTED。何気なく見てみたら、なんと"THE SCHOOL IN THE CLOUD"の話だった。これは映画なんだけど、すでに私も20回以上の自主上映会を開催した映画"Most Likely To Succeed"の監督 Ted Dintersmith氏がExecutive Producerに名前を連ねていて、米国の映画配給会社のホームページで見て気になっていたもの。
#schoolinthecloud
#sugatamitra

まさに運命的な出会い!

早速映画を観てみよう、と思ったものの日本語化されているものを見つけることが出来ず、とにかく英語版をレンタルで視聴。その内容に感動!
これは何とか日本語化して日本で上映したい!と思ってネットで情報を探しまくっていたところ、過去に日本で上映会が開催されていたことを発見。さらに、なんと日本語字幕版を見つけてしまった(こっちを見れば良かった・・・)。

上映会の情報はFacebookで発見。主催者はSOLE Onlineという団体だった。早速メッセージを送信。すると、すぐに主催者の加藤裕明さんから返信が来た!
なんと、加藤さんは"THE SCHOOL IN THE CLOUD"監督の Jerry Rothwell氏に直接コンタクトして日本語字幕付けを行ったうえで上映会を実施していた。しかも、一緒に主催したMike Lyonsさんと共にオンラインでのSOLEセッションを実施しているとのこと。

加藤さんがJerryさんに繋いでいただき、Jerryさんから配給会社 metfilm に繋がった。すぐにmetfilmの担当者とメールにて自主上映会の実施に向けて交渉を開始。開催条件など交渉の結果、日本での複数回のオンライン上映会のライセンスを得た。
これまでに "Most Likely To Succeed"で上映交渉をしていた経験が生きた。

4月25日 日本で初めての "THE SCHOOL IN THE CLOUD"オンライン上映会を実施

初めての上映会は4月25日。日本で初めてのオンライン開催。
映画で取り上げられているのは Sugata Mitra博士による教育実証実験。1999年にインドで始まった "hole in the wall"実験。これが"school in the cloud"に進化。この学びのスタイルに共通しているのが SOLE(Self-Organized Learning Environment)

SOLEは日本語では自己学習環境と訳されている。子どもが自らインターネットを使って学びを突き進めていく、そんな学びの環境のこと。この学びのスタイルは、絶対に蓑手章吾さんが興味を持つはず。蓑手さんは、自由進度学習という学びのスタイルを公立小学校で実践している人。SOLEとの共通点が多い。

そこで、蓑手さんにゲスト参加してもらえないかと打診。すぐに「めちゃくちゃ面白そう!」という返事が来て、ゲスト参加していただくことが決定!
日本で初めての"THE SCHOOL IN THE CLOUD"のオンライン上映に、蓑手さんのゲストトーク、さらにSOLE Onlineの加藤さんとMikeさんのコメント付き。

こんなイベントが面白くないわけがない!

4/25 日本で初めてのオンライン上映会

上映会は大盛況。アンケートの回答では、9割以上の人が映画に対して最高評価を付けてくれた。やって良かった!

その後、上映会は共催を含めて6回実施。のべ160人以上が視聴した。毎回のアンケート結果でも約9割が最高評価を付けている。本当に素晴らしい映画に出会えたことに感謝。

ただ、映画の自主上映を行うには英国配給会社 metfilm との交渉が必要であり、これは日本での上映会を広めるにはネック。そこで、監督 Jerryさんと交渉。日本でも上映会が開催しやすいように、現在、オンライン配信サイトを使った上映会実施に向けて配給会社が検討中!!

SOLEを学ぶ

映画の上映は複数回出来るようになったけど、SOLEは日本ではほとんど広まっていない。SOLEを学校現場に持ち込みたい! そんな想いで Facebook に「SOLEを活用する勉強会」グループを立ち上げた。

SOLE Onlineの加藤さんは、ご自身で経営する塾で実際にSOLEを導入している。さらに、SOLEの欠かせない要素である Granny に自ら応募して、海外の子どもたちとSOLEセッションを実施している人。

そんな加藤さんが中心になって、大人がSOLEをやってみよう、という会(月9 大人のアクティブラーニング道場)が発足。SOLEにおいて最も重要なのは Big Question(BQ)。第1回目の道場でのBQは、「これからどんなBig Questionについて探究したいか?」。加藤さんとMikeさん以外は初めてSOLEをやるメンバー。Big Questionってどんなものがいいのか?
手探りでのSOLE初体験。
自分の知らない事、他者の意見からヒントを得て生まれる新しいアイディア、SOLEの魅力にどんどん惹き込まれていく。

この会は名前を変えて年末までに20回開催された。

SOLEを広めるべく、未来の先生フォーラムにも出展。映画の予告編を見てもらったうえで、参加者と共にSOLEを実施。Big Questionは、

もし日本で気温が55℃になったらどうなるでしょうか?

えっ、なにそれ?という問いに、参加者の皆さんがインターネットで検索をしながら格闘した。
なんと、アメリカのデスバレーでは本当に55℃を超えたことがあるという。では、日本でその気温になったら?外は出歩けないから地下生活になるのでは?なんていうユニークなアイディアも飛び出した。

ミライプラスでは学校とも連携してSOLEに挑戦。八千代松陰学園の土曜講座、風越学園の理科の授業にてSOLEに取り組んだ。SOLEでは Big Question の設定がキモ。それぞれテーマに合わせて、簡単には答えが見つからない、または答えが無いもので、生徒が興味を示しそうな要素を取り入れた問いを考えてみた。

風越学園の授業ではBQを複数用意して、生徒に自由に選んでもらった。同じテーマを複数の視点から掘り下げたり、異なるテーマを同時に学ぶには複数のBQ設定は有効。生徒の好奇心も満たしやすい。

SOLEは、探究的な学び方の手法。教科やテーマに関わらず、BQを上手く設定できれば実施が可能。SOLEを続けていけば、自分で学ぶ力が付いていくはず。まさに「主体的、対話的で深い学び」を実践する学習方法だと思う。

もっと広めたい

映画 "THE SCHOOL IN THE CLOUD" と、その中で用いられている SOLE。この二つをもっと日本でも広めたい。世界では多くの国でSOLEが実践されている。

  • 映画上映会を継続的に実施

  • 自主上映の方法を配給会社と確立

  • 学校でのSOLE実践を積み重ねる 

SOLEを始めるためのサイト StartSOLE の日本語化を加藤さんが推進。ここには1万個以上の Big Question の例が載っているので、BQに困ったら見てみるといい。

さらに、Sugata Mitra氏の著書"The School In The Cloud"の翻訳を画策中。
日本の学びの現場でSOLEを溢れさせたい。2022年が日本でのSOLE元年になるように!

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