マガジンのカバー画像

男の愛/町田康

33
「海道一の親分」として明治初期に名をはせた侠客、清水次郎長。その養子であった禅僧・天田愚庵による名作『東海遊侠伝』が、町田版痛快コメディ(ときどきBL)として、現代に蘇る!! 月…
運営しているクリエイター

#BL

罪と罰/町田康

 麩屋の弁五郎の密告で牢へ入れられた次郞長は、放り込まれるなり、牢内の仕来りに則ってキメ…

200
左右社
1年前
7

苦労して行ったけどすぐ飽きた関東/町田康

 弘化二年夏、次郞長たちは高萩の亀屋という宿屋に一泊した。翌朝、宿の女中が、 「二階のお…

200
左右社
1年前
12

ふたつの事実/町田康

バックナンバー▶https://note.com/sayusha/m/mb61e1acbd714  興津川の北岸、名代の大親分、…

200
左右社
1年前
15

次郎長、危機一髪/町田康

 次郞長は槍一条を携え、興津川にかかる橋の南詰にいた。対岸に篝火が燃え、川面が紅く染まっ…

200
左右社
1年前
4

死んでもやりたい大博奕/町田康

 弘化二年三月。殺したと思っていた佐平が生きていた。ならいっぺん清水へ帰ろうかな。そうだ…

200
左右社
1年前
3

​驚くべき人との出会い・治助の情愛/町田康

 遠州榛原郡川崎村に借金の取り立てに出掛け、行き違いから漁師たちに袋叩きに遭い、死にかけ…

200
左右社
1年前
2

​御宥免/町田康

 漁夫が持っていた櫂を担いで逃げたところ、土地の漁師十数名に追いかけられ、一旦は逃げたが、「ドロボー」と言われて赫っとなった次郞長、立ち止まって漁師たちと一触即発のにらみ合いになった。 「構うこたあねぇ、のしちまえ」  と漁師が言う前に次郞長、 「俺はただ喧嘩をしてただけで、物を盗った覚えはねぇ。あの櫂はちょうど具合がよかったからちょっと借りたまで、喧嘩が済んだら返《けぇ》す心算だった。その俺を泥棒呼ばわりしやがるってぇのは一体どういう了見だ。返答次第によっては……」  と大

有料
200

男の生き方・男の道/町田康

 武蘇新に頼まれて馬定の星を取り立てに川崎まで行ったのが、弘化元年の暮、そこで馬定と言い…

200
左右社
1年前
2

岩村の七蔵襲撃事件の真相/町田康

 山の中、谷間の小さな村。あたりは既に薄暗い。そんななか、渓川のほとり、後に杉木立を背負…

200
左右社
1年前
2

​岩村の七蔵/町田康

 天保十三年九月。次郞長が寺津の賭場を見回っていると、 「清水」  と後から声を掛けてくる…

200
左右社
1年前
2