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麩屋の弁五郎の密告で牢へ入れられた次郞長は、放り込まれるなり、牢内の仕来りに則ってキメ…
弘化二年夏、次郞長たちは高萩の亀屋という宿屋に一泊した。翌朝、宿の女中が、 「二階のお…
バックナンバー▶https://note.com/sayusha/m/mb61e1acbd714 興津川の北岸、名代の大親分、…
次郞長は槍一条を携え、興津川にかかる橋の南詰にいた。対岸に篝火が燃え、川面が紅く染まっ…
弘化二年三月。殺したと思っていた佐平が生きていた。ならいっぺん清水へ帰ろうかな。そうだ…
遠州榛原郡川崎村に借金の取り立てに出掛け、行き違いから漁師たちに袋叩きに遭い、死にかけ…
漁夫が持っていた櫂を担いで逃げたところ、土地の漁師十数名に追いかけられ、一旦は逃げたが、「ドロボー」と言われて赫っとなった次郞長、立ち止まって漁師たちと一触即発のにらみ合いになった。 「構うこたあねぇ、のしちまえ」 と漁師が言う前に次郞長、 「俺はただ喧嘩をしてただけで、物を盗った覚えはねぇ。あの櫂はちょうど具合がよかったからちょっと借りたまで、喧嘩が済んだら返《けぇ》す心算だった。その俺を泥棒呼ばわりしやがるってぇのは一体どういう了見だ。返答次第によっては……」 と大
武蘇新に頼まれて馬定の星を取り立てに川崎まで行ったのが、弘化元年の暮、そこで馬定と言い…
山の中、谷間の小さな村。あたりは既に薄暗い。そんななか、渓川のほとり、後に杉木立を背負…
天保十三年九月。次郞長が寺津の賭場を見回っていると、 「清水」 と後から声を掛けてくる…