マイアミの公立学校のコロナ対応


元々春休みは3/21から3/29迄だったけど学校閉鎖が春休み1週間繰り上げの3/14日から行われる事になったことを受け、事前にオンライン授業へのシフトの為必要なディバイス(ラップトップとタブレット)を集めるなど準備を進めていたマイアミでは11日に緊急アンケートが全生徒に行われ家でオンライン授業が受けられない環境にある生徒数を把握。
3/13金曜日を最後に学校は封鎖されたが、翌14日土曜日と翌週16日月曜日に学校前でドライブスルー形式でディバイスの受け取りを実施。
Superintendent(教育委員長)が発表したディバイスの数はマイアミで20000台。家庭にWiFi環境が無い家庭には通信企業2社が寄付。1社が無料で3カ月WiFiサービスを提供、もう1社が通信ケーブル工事が既に完了していない地域や家庭にホットスポットとして利用できる携帯電話を1600台寄付。

以上がハード面での市の対応です。

我が家は2人とも高校生。
既に2人とも中学からオンライン授業は1科目受けています。

フロリダは他州と同じく、ホームスクーリングを選ぶ家庭のためにKー12(Kinder/幼稚園から12年生まで)の教育は全てオンラインで受けられるシステムは既にあり、なんらかの事情で子供が学校に通えない場合にオンラインで同じ課程を習得することが出来ます。事情は多岐に渡っており、不登校の子供から、スポーツや演技など突出する才能を持つ子供がオーディションに全米飛び回り学校に行く事が出来ない場合、長期の入院など医療的な理由、親の長期出張に同行する場合、または親の信条など。美容師である私のお客さんでも中学から不登校になりその後オンライン授業のみで高校を卒業し現在大学に通っている男の子も居ます。

公立の学校に行き始めてから毎年年度始めに父兄が各教室を訪ねて受け持ちの先生に会いに行きますが、各教室スマートボードにQRコードが貼ってあり父兄はそれをスマホで読み込み自動的にアプリや携帯メールで先生と繋がる仕組みになっておりプリント類は殆どありません。
高校に入ってからは各先生がクラウド上に教室を持っていて(Google classroomを使用する先生が多いと思います)授業のスケジュールや宿題など必要な情報は全部ここから生徒は得ますし、提出物の提出、生徒同士の採点、グループディスカッションなどもここで行われる事が多いです。
ちなみに私立の学校の方が先生によってハイテク度にばらつきがあるように感じます。ブランド校のIT設備は物凄いらしいですが。

①既にシステムが構築されて使用されている ②生徒にとって新しいものではなく抵抗が無い、こういった点から今回の学校閉鎖による混乱は最低限だと思います。今までZoomを使った事がない先生が手間取って最初の2回くらい音声が入らなかったとかそういった混乱くらいです。ただこれは我が家の子供達のように年齢的に「自分で出来る」学年であるため混乱が無く、低学年になる程親のハイテク度によって違いが出たり、宿題自体親が手伝ってやる上に負担が出るので大変である事は容易に想像できます。
フロリダ州は全生徒のオンライン教育に必要な教師をコロナ後に2万人新たに雇用しています。

フロリダ州には毎年3月から5月にかけて州の学力検定テストがあります。この点数によって留年したり夏の補修が決まったり翌年のクラス分けに影響したり特別プログラムを持つ中学・高校の入学の資格が決まったりします。受験というシステムが無いアメリカの公立学校で最も大事な試験です。今回のコロナにより、州は既にこの試験を「子供の真の学力が反映されるとは思えない」「閉鎖による人手不足で処理に時間がかかりすぎる」の2点で既に中止にする事を決定しています。各学校の年度末の試験も中止です。唯一試験をオンラインでする事が決定しているのは、高校で取るAP(advanced placement)という科目のみで、このAPというのは大学の単位の先取りにもなりますので年度末の試験で合格点を取らないと高校の卒業単位としては加算されるけど大学の単位には認められなくなるので、試験は行われる事になっています。

マイアミの教育委員長(という肩書で良いのかどうかわかりませんが教育機関のトップです)が毎日繰り返して発信しているのは「Children’s safety first」という事であり、学校が消えることは無いし学業に遅れが出ても後に取り戻せば良い、ただ感染による健康被害は取り返しがつかずやり直せるものでは無い、と言うものです。実際フロリダ州知事はロックダウンを早く解除したくてウズウズしていますが、マイアミ市が独自に学校閉鎖延長を決定した事は多くの市民が賛同しています。
学校は年度末の6/3迄閉鎖となりました。閉鎖開始から3カ月近くオンラインで授業を受けそのまま夏休みに突入します。

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