「捨ててもお金は戻ってこない」それでも物を減らす理由。
先日、親から実家の片づけを頼まれ、ずっと手つかずの部屋を片付けた。
数時間の作業で、ゴミ袋(45L)5袋分の不用品が出てきた。
「モノをたくさん捨てても、お金はもどってこないんだよ」
それを見ていた7歳の息子は、
少し不思議そうな顔でそんなことを言っていた。
どうして「もったいない」と感じるのか。
人は、物の価値を十分に生かしきれず、無駄になっている状態を惜しむとき「もったいない」と感じる。
個人差はあるだろうが、まだ使えそうな物を捨てるとき、多少なりとも「もったいない」と感じる。
息子が言うように、
物を捨ててもお金は1円も戻ってこない。
捨てずにとっておけば、
いつか役に立つ日がくるかもしれない。
そうすれば、無駄にならないのかもしれない。
残しておくのは簡単。捨てることは難しい。
まだ使えそうな物を捨てるのは、少し胸が痛む。
それは、物を無駄にしてしまう罪悪感、無駄な物を買ってしまったという反省や後悔かもしれない。
その理由は人それぞれ違う。
でも、人は、まるでその痛みから目を背けるように「捨てる」選択を後回しにしがちだ。
もちろん、「捨てる」「捨てない」の判断は
個人の自由だ。
でも、もし、不要だとわかっているのに、「もったいないから」を理由に捨てられずにいるのなら。
伝えたいことが2つある。
①「捨てる」ことは、必ずしも物を粗末にすることではない
物を捨てることは、もったいないことをしたことを認め、反省する機会になる。その作業を経て、物との付き合い方を考えられるようになる。
一見、使える物を捨てることは、物を粗末にしているように見えるかもしれない。
でも、不要なものを「捨てること」は、今の自分に必要な物を大切にすることにつながる。
自分にとって大切な物を、大切にするために物を厳選する作業なのだ。
②物を持ち続けることで、無駄になっているものがある。
物を持つということは、それを収納するスペースと管理する時間が必要になる。
つまり、物を持ち続けるかわりに、知らぬ間にスペースと時間を失っているのだ。
私たちの空間も時間も。全て有限である。
「もったいないから」と残した物の多くは、ほこりをかぶり、他のモノに埋もれ、存在自体を忘れてしまうことが多くないだろうか?
だから、私は不要なものを手放す。
そして、今の自分に必要な物を大切にしたい。
私の母親も、もう高齢になった。
彼女が管理できる物の量は、体力的にもそれほど多くないだろう。
これからは、物の管理に追われる暮らしではなく、今の暮らしを楽しめるようになってほしい。
そのためにも、母に見合った物の量に変えていく予定だ。
実家の片付けをきっかけに、物との付き合い方を改めて考えることができた。
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