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【アンサングシンデレラ】時代の変化から生まれた作品

こんにちは。薬局薬剤師のさゆりです!

今回はアンサングシンデレラという作品について書きたいと思います。アンサングシンデレラは2020年7月16日から主演 石原さとみさんで、フジテレビで公開される薬剤師のドラマです。原作は漫画でコミックゼノンから月刊誌として連載されています。漫画としては現行5巻(2020年7月3日現在)でています。

私は薬学生の頃に「なんで医師のドラマはあって、薬剤師のドラマはないのかな?」と疑問に思っていました。

結論から書くと「昔の薬剤師ドラマは魅せ場が作れなかった」

これが理由だと思っています。今回はそのことを記事として書いていきます。

薬というモノをメインテーマで、ドラマは作成できない。

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薬剤師のベテランの人から話を聞いたところ、昔の薬剤師は薬に対して提供する対物業務が多かったとのことでした。

病院では医師の処方に対し、薬を確認しつつ提供する役割。患者さんと話す機会が多いわけではないありません。また薬局も、患者さんは気軽に立ち寄ってくれるが、小売店の要素が強かったと聞いています。

そうなるとドラマ作成側として考えたら、薬剤師の対物業務中心ではストーリーとして魅せ場が作りづらいと思いました。医師であれば「外科手術」、「患者と付き添いながら心のケアも行う」など魅せ場が多いです。コウノトリ、ドクターコトー診療所、医龍など思い浮かべるとわかりやすいかと思います。

対して薬剤師は対物業務で人にスポットが当てられない以上、昔の状況では、主題としてストーリーが作りにくいのではないかと感じます…。例えば、薬剤師の職場恋愛を描く、また、主題は別でインテリキャラクターとして薬剤師を出すなら可能かもしれませんが、これは主題が薬剤師の業務ではありません。

薬をテーマとしてしまうと飲んだ後の反応が題材になると思います。調子の悪い状態から薬を飲み、その後に元気になるだけでは、薬剤師のおかげというより、薬のおかげという目で見てしまいドラマとして魅せ場を作りづらいと思いました。

そのため、昔の状況では薬剤師ドラマが作りにくかったことだと思います。

時代は変わり、対人業務を積み重ねてきた薬剤師さん

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しかし、今は時代が変わったんだと思います。

病院薬剤師は病棟に向かい、患者さんの副作用、薬の飲み方など親身に相談される時代となりました。そして、その内容を医師、看護師に報告して縁の下の力持ちとして活躍していきました。これは医師、看護師さんも理解してくださり、薬剤師を対人業務のチームにいれること促してくれたことが大きいと思います。

薬局でも、かかりつけ薬局として患者さんの健康相談を行う。また、在宅医療といい、患者さんの家に向かい生活面から患者さんが薬を飲めているか、副作用は出ていないか、また生活面の悩みは何かと聞けるようになってきました。つまり、昔からの先代の薬剤師の尽力、医師、看護師さんの理解により、対人業務にシフトしていけました。

そのおかげで、薬剤師が患者さんからの「ありがとう」を貰える機会が増えて、それが魅せ場ポイントとなり、ドラマができたのだと思います。

薬剤師にファインプレーは少ないと思っています。例えば、調剤のミス、副作用回避のための処方提案をしたとします。それに成功したとしても、患者さんに副作用が発生していないこととなるため、ミスは発覚できても、ファインプレーとして理解されないという構図になっています。

そのため、患者さんのために親身になって相談に乗り、感謝され、それがようやくドラマ化されたと考えると、薬剤師一個人として本当に感動しますし、この時代の若手薬剤師になれて良かったと心から思います。

先代の薬剤師さんの今までの積み重ねが、ドラマ化に繋がったんだと思っています。

この薬剤師という、表舞台には立つことは難しい職業を取り上げてくれた荒井ママレ先生には本当に感謝しています。

このドラマ「アンサングシンデレラ」を見て、薬剤師を少しでも身近に感じてくれれば本当に嬉しく思います!

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