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一寸先はたぶん光

堰を切ったように、という表現がある。流れをせき止めていたものが何かの拍子に壊れて一気に溢れだすことのたとえだ。

先日、ある人の文章を読んで堰を切ったように涙が溢れ出た。まったく初めての経験だった。

それは前向きとかそういうのではなく、
ただ風に吹かれているような文章だった。

逆風に立ち向かうとかそういうのでもなく、
今いる場所に吹いてくる風にただそよがれているような文章だった。

途中まで読んで、いったん読むのをやめ、初めからもう一度声に出して読んだ。なかなか先に進まない。そりゃそうだ、涙が止まらないのだ。隣にいた母は何も言わず最後までじっと耳を傾けていた。

救われた、なんていう言葉を使っていいのかわからないけれど、母の手術が決まった日からずっとつきまとっていた不安の一角が、あの日から溶け始めた。

この記事を書かれたwingcatさんに
この場を借りて、心からの感謝を伝えたい。
本当に、どうもありがとうございます。
Wingcatさんがこの文章を書くまでに通ってこられた想像もつかない日々を胸に思います。

この文章がわたしの光です。

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