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[小児科医ママが解説] 頭のカタチ【Vol.4】日本のヘルメット治療。ヘルメットの種類、病院のまとめ。


頭の変形は、自然に見ているだけでは治らないケースもあること(【Vol.1】)。
生後6ヶ月頃からの矯正ヘルメット治療は、一定の効果がありそうだということ(【Vol.2】)。
でも様子を見て、って言われたときに、とりあえず自宅でできること(【Vol.3】)。


こういったことを、前回までに書いてきました。

今回はラスト。現時点で、日本でできる矯正ヘルメット治療について、まとめてみました。

いずれの医療機関またヘルメットの治療を受けるにしても、原則は、お近くの医院や、乳幼児健診などからの紹介状が必要になります。
しかしお子さまの年齢や変形の具合などによって、対処はケースバイケースです。対応に迷われた場合は、治療を検討したい医療機関やメーカーへ、直接のお問い合わせ・ご確認をお願いいたします。


また治療中の声として、「(ヘルメットが物理的にあたって)抱っこや授乳のときに邪魔」「汗を吸って臭い」「病院での待ち時間が長い」といったトラブルは、どのメーカーでも一定数聞かれます。
また料金はおよそ40万円の場合が多いですが、各医療期間や治療期間などによっても異なってきます。

このように個人差や今後の状況によって変動しうる要素について、メーカーごとで比較することはできないため、ここではしていません。

どのメーカーが有意に優れている、という差は立証されていません。定期的な通院が必要になるので、お住いの地域で一番通いやすい病院が扱っているヘルメットを使うことになる、というのがメジャーな流れです。


※以下は2020年4月24日時点で、白井が個人的に調査して判明した範囲です。全国の施設のうち網羅できていない可能性もありますし、今後取扱施設がふえていく可能性をご了承ください。


①古巣・大手の「スターバンド」
②日本製が売りの「アイメット」
③ちょっとレアな「ミシガン」

世界的に見ると50種類以上のヘルメットが開発されていますが、日本で現状使えるのは、3つです。


①古巣・大手の「スターバンド」

国内販売においては、AHS Japanが販売しているヘルメットです。
提携している医療機関はこちら

矯正ヘルメットの元祖・Claren博士が発端となっていることもあり、提携している医療機関もかなり数が多いです

医療機関だけでなく、AHSビジターズオフィス(銀座・新宿・大阪)でも最初の手続きが可能(その後は医療機関に継続的に通う事が必要ですが)であることから、最初のアクセスのハードルは低めだと思われます。

スターバンドでの治療を紹介しているページは、以下です。

●『スターバンド』体験談 - AHS Japan
●〜天パーおチビ家族の育児記録〜 やんちゃマンあおくん!!
●スターバンド体験記
●リモルディングヘルメット奮闘記
●一人っ子を計画していたら双子を妊娠しました


②日本製が売りの「アイメット」


ジャパン・メディカル・カンパニーが販売しているヘルメットです。
提携している医療機関はこちら

素材や構造などが(現時点では)唯一、日本製というのが売りです。

日本人によりサイズを調整しているという点、より皮膚トラブルに気を使っている、という点をメーカーは利点としてあげています。
もちろん汗疹など、皮膚トラブルは一定数報告されています。

アイメットでの治療を紹介しているページは、以下です。

●秋山莉奈オフィシャルブログ
●S家のワンダーランド
●「育児よりも仕事派」女、育休を楽しみきる!
●きなこの育児ブログ
●前橋ママLife
●36歳「てんかん」妻・47歳夫との双子育児日記
●ちゃんぶろ


③ちょっとレアな「ミシガン」

ダンマープロダクトインツが製造し、メディカルユーアンドエイが国内販売しているミシガン頭蓋形状矯正ヘルメットです。

ホームページを見てもわかるとおり、提携している医療機関の公式リストは無いのですが、ウェブで拾える範囲では、以下がわかっています。

●東北
新潟医療センター@新潟

●関東
国立成育医療研究センター@東京
赤ちゃんの頭のかたちクリニック@東京
 ※アイメットも扱っています
神奈川県立こども医療センター@神奈川

●近畿
高槻病院@大阪
大阪市立総合医療センター@大阪
兵庫県立こども病院@兵庫
田辺中央病院@京都
西宮協立リハビリテーション病院@兵庫
西宮協立リハビリテーション病院@兵庫

●九州
聖マリア病院@福岡

ミシガンでの治療を紹介しているページは、以下です。

●大渕愛子オフィシャルブログ
●梅はその日の難逃れ


どうでしょうか。

日本ではやっと、ヘルメット治療が親御さんにも知れ渡ってきたかなという状況ですので、今後もっと物理的にも・金銭的にも、治療がしやすくなるのではないかとは思います。

いつもながらですが、こうした情報をもとに、日頃からお子さんを見てくださっている親御さんが納得のいく選択をしてくださる、そんなお助けが少しでもできれば幸いです。

(この記事は、2023年1月26日に改訂しました。)


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