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フィンランド留学に旅立った娘からの手紙に涙した日

 大学生の娘が、先日念願のフィンランド留学へと旅立ちました。

送り出した時は、正直娘がしばらくいなくなるという実感が全く湧かず、大学の同級生達に見送られるなか、淡々と見送りました。


同級生達が来る前に、早めに着いた空港で一緒に昼食を取り、後で読んでねと渡された手紙をもらったのを翌日思い出し、それを読んでからは、今までのことが走馬灯のように駆け巡り、涙が止まらなくなってしまいました。


内容はこれです
    ↓

お母さんへ
留学を目指し始めた時からずっと見守ってくれてありがとう。今までずっとお母さんには感謝していて、普段からできる
だけ言葉で伝えようとはしているんだけど、なかなか伝えられないこともあるから手紙にするね。
私がフィンランドに興味を持ったのっていつだろうって考えてみたら、多分小学生の時なんだ。宿題が嫌で嫌で仕方なくて、家で泣きわめいてた時に、お母さんが「フィンランドとか北欧の国では宿題がなくて、夏休みはバカンスっていう旅行に行くんだって」って聞いて、そんな国で生まれたらのびのび生活できるんだろうな、いいな〜って思った記憶があるよ。覚えてるかな?

今まで私を育てるの、すごく大変だたよね。
小学生の頃からギャーギャー叫んで、不安をぶちまけていたのに、お母さんはそんな私と向き合い続けて、受け取めようとしてくれました。同じ繊細さんなお母さんだから受け取めてくれると思ったし、逆にお母さんにしか不安な気持ちを表現できなかったんだと思います。沢山無理をさせてごめんなさい。
最近、○○で働いてたときの超絶パワハラ上司の話や、○○のイライラが色々溜まってるっていう話を聞いて(笑)、お母さん色々なところで辛い思いを抱えていたんだな〜って思ったよ。
そんな中ずっと、私たちのために精神面や経済面のサポートをしてくれてありがとう。すごく支えられてきたよ!


今回半年間親元を離れるっていうことを実はけっこう楽しみにしていて、最近、特に大学生になってから1人暮らししてみたいなーってずっと思ってたんだ!
こんな風に、親から離れて自立したいって思えるのは、(大学の愛着形成の理論でもやったけど)小さい時に沢山甘えさせてくれたり、お母さんに自分の気持ちを十分表現できたからなんだ。だから本当に、今までありがとう!
これで最後ではないと思うけど、ずっと夢見てた海外で自力で色んな困難を乗り越えて、絶対成長した大人になって帰ってくるね!
あと、昔から結構繊細な○○気をつけて見てあげてね!
サンタクロース村から手紙出すかも!

Moi moi!モイモイ(フィンランド語でバイバイ)
A bientot! ア ビャントッ  (フランス語)

2022、8、○(娘)より

この手紙を読み終わった途端、何故だか涙が止まらなくなりました。


 本来は昨年留学する予定だったのですが、コロナもあり行けなくなってしまいました。初めは落ち込んでいましたが、まだその時ではなかったんだと、今できることを精一杯やって過ごしていました。

でも、延期になったおかげで、本当に学びたい大学への留学が決まったのです。渡航先はフィンランドと決めていましたが、在学する大学の協定校は、自分の学びたい教育ではありませんでした。


しかし他の国は考えられず、未知の分野でも得られるものがあるかもしれないと、昨年行っていたら、留学先と学びたいことが一致していない状態での留学になるところでした。

今回、留学が延びたおかげで、自ら方法を探し、メールで大学に問い合わせ、協定校以外でフィンランドの教育を学ぶ機会を与えられたのです。

教育を学びたいというのも、自らの不登校の経験から、日本の教育システムに疑問を感じ続け、世界の幸福度ランキング1位のフィンランド教育を、見て、感じて、確かめたい思いが人一倍強かったのだと思います。

手紙を読んで涙が溢れたのは、強い目的意識を持って、心は完全に親離れしてしまったのだなと、分かってしまったからなのかもしれません。


結婚するとか、就職して親元を離れての親離れなら、少しは覚悟も出来るのでしょうが、こんな日は突然やってきました。

大学は自宅から通えるところなので、自立して、自分で生活をしてみたいと最近よく口にするようになっていました。


家庭教師のアルバイト代と、手付かずの奨学金を留学費用に充てていて、完全に親離れをしてしまったのだと、嬉しくもあり、寂しくもあり、一緒にいた日々を、もっと大切に扱えていたのだろうかと、また涙が溢れてくるのでした。


娘からもらった手紙の返事です
  ↓

(娘)へ

お手紙ありがとう。今日読みました。

昨日までは、全く実感がなくて、半年なんてあっという間なんだろうなと寂しさを感じる暇もなくて、淡々と送り出してしまったけど、手紙を読んで、嬉しいのと同時に、(娘)の強い決意を感じ、涙がでました。

もう、帰ってこないつもりなんじゃないかと思えて…

(娘)が小学生の時に、お母さんがフィンランドの話をしたんだね。忘れてたけど、お母さんもいいなぁと思ってるから、言ったのかもしれない。

でも、それがきっかけで今に繋がっているのなら、よかったと思う。

お母さんも、(娘)に棘のある態度を取ってしまったり、言わなくていい事を言ってしまったり、すぐに後悔して後で謝ろうと思って、謝れなかったことも何度もあったり…

(娘)のこと、渦中にいる時は、人と違うことをしていることで、先の見えない不安を感じでいなかったと言えば嘘になるけれど、最近思うのはあの時間はお母さんと(娘)にとって、宝物のような大事な時間だったんだなと感じます。

プレイセラピーに通った時間、帰りに○○でランチした時間、○○ヨガに通った時間、帰りに家族でご飯を食べた時間。 どれも、近くて遠いような、懐かしさを感じます。

(娘)は美しく、賢く、優しく成長してくれました。積極的に、何でも吸収しようと動いて、我が子ながら、本当に凄いなと思います。 


本当に本当に、お母さんの自慢の娘です。

何だか二度と会えないような気がして、涙がとまりません。こう感じてしまうのは、なぜなんだろう。


沢山学んで、世界一幸福になって、無事に帰ってきてね。



これに対する娘の返事はこれです
   ↓

お母さん、ありがとう。

大学も卒業したいし、教職も続ける予定だからきっと帰ってくるよ!!


英語の教員免許を取るために、戻るつもりのようですが、裏返せば、何かを見つけたら、帰らないんだなという覚悟も読み取れました。

不登校を経験した娘は、今大きく羽ばたこうとしています。


不安に押しつぶされそうになり、数えきれない位涙した日々。


家に閉じこもっている間、唯一興味の持てた○○の英語の教材を好きなだけやらせていました。


あの日があったから、今がある。


 出発前日の夕食のリクエストで、お母さんの天ぷらが食べたい!と言われたのですが、

「明日はお母さん仕事だから、終わって作るの大変だなぁ…」

と言うと、

「材料は買って、わたしが切っておくからどうかな?」

と言われ、それならと了承したのですが、仕事が終わって買い物してる時に、やっぱりお好み焼きがいい!わたしが作るねと連絡がきたので、結局天ぷらは作りませんでした。

もしかして、気を使ってくれたのかな。

任せて‼︎と作ってあげられなかったのが、ちょっぴり心残りだったので、半年後に一度帰ってきた時は、内緒で天ぷらを作るつもりです。

娘のことを考えると、すぐに涙が出てしまうけど、ちょっと前までは、辛そうな娘の顔が浮かぶことが多かったのに、離れてからは、笑顔の娘の顔がいつも浮かぶのです。

だから、きっと、大丈夫。

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