見出し画像

怖いという気持ちをどこかに置いておけたなら

 色々なことに不安を感じやすいHSP気質で元場面緘黙症だったわたしは、新たな環境や、やったことのないことには、ワクワクより不安を感じることの方が多い。
最初の一歩がなかなか踏み出せず、結局そのままだったり、考え過ぎてしまい、想像で動けなくなったりすることもある。

自分が方向音痴だとは知らなかった


 運転免許証は持っているのだが、方向音痴と言うこともあり、片道20分以内の決まった場所しか運転できないので、あちこちどこにでも行ける人が、心底羨ましいなあと思う。

 行きたいところがあれば、大抵夫に運転してもらい、わたしは助手席に乗る。
そうすると、安心して運転を任せてしまい、無意識に景色を眺めるだけになって、道を覚えようという思考がなぜかストップしてしまうのだ。

 子供の送迎などでどうしても運転しなければならない時は、一度夫が助手席に乗り、なるべくわかりやすい大きな道を通って予習しておく。



そして、マイ地図を書いてイメージトレーニングして、その地図を元にもう一度運転して本番に挑むのだ。



信じられないかもしれないが、それくらい知らない道を通るのが不安なので、運転を楽しむ余裕など皆無に等しい。

 それでも免許とりたての頃は、怖いと言う気持ちもそれ程感じず、自分が方向音痴だとは知らずに運転していた。この辺だと思ったのになぜ到着しないんだろうということが多々あったのだが…


 こんな調子なので、中学生の息子はわたしが運転することをとても嫌がる。
お父さんが助手席にいるから大丈夫だよ!お母さん練習したいし。と言っても、絶対にだめだと運転させてもらえない。 



 でも、わたしは運転したいのだ。
愛犬を連れてドッグランに行ったり、ドッグカフェに行ってみたりしたいのだ。
いつもの近場の公園だけでなく、ちょっと遠くにも行けるようになりたいのだ。

 カーナビは、どうせ見れないからいらないよねと、野生の勘で運転出来る夫のひと言で付いていない。


 スマホの地図は小さくて見にくいし、スマホ片手に反対方向に歩いたこともある。

ほんの少しだけチャレンジしてみた

 でも先日、知らない場所に行けたのだ。

 犬友達から魚を釣ったのでよかったら取りに来て。宅急便がいつ来るか分からないので、家を離れられないと連絡があり、新鮮な魚なので、取りにくる時間に合わせて捌くとのこと。午後からはお互い都合が合わず、午前中しか時間がなかった。

 今までなら、方向音痴で知らない道は行けないんです。と、残念ながらもお断りするところなのだが、今回は仕事前に取りに行ってみたいなと、少し挑戦したい気持ちになった。

 「行けるのか確認してみます」
と、住所を送ってもらい、地図を頼りに距離にして2キロ程のルートを行ってみることにした。

 初めに大まかな方向を確認。家からだと、左ななめ前。北西の方角。左折一回、右折一回で何とかなりそうだ。

 家の前で待機してくれると言うので、ドキドキするけど、チャレンジしてみるのだ。そう、わたしはチャレンジしてみたいのだ。

 結果は、住所を番地までしか入れてなかったので、早く曲がり過ぎて間違ってしまったが、口頭で説明を受けて、次の角で曲がって無事辿り着く事が出来た。


 こんな小さなチャレンジだけれど、少し自信がついた出来事だった。


 ほんの小さな積み重ねでもいいから、不安を感じない程度に少しずつ距離を伸ばしていけたらいいな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?