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行ってらっしゃいと、ただいまが行きかう日々へ

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好きなことが一緒の友人が、数か月日本を離れると知った時の寂しさはなんだろう。
でも、せっかくの機会だから存分に学んで楽しんできて!と願う。

あの、20歳になったばかりの3月。
イギリスのロンドンに一人で立っていた。人生で初めての海外、それがまさかの1人。成人祝いとして、親からもらったロンドン留学だった。
到着ロビーにいるはずの、語学学校の案内人となかなか出会えない。見つからなかった場合は、ああしなさい、こうしなさい、と教えてもらった手順を全て飛ばし、空港のスタッフの方々にたどたどしい英語で状況を伝えた。
そのほうが早いと思ったから。

あれから4年と半年、周りには旅をしている友人が本当にたくさん増えた。SNSを開くと、知り合いがいつの間にか日本を離れて、今日も地球のどこかで楽しそうに日々を過ごしている。

『行ってらっしゃい』と心の中で呟いて、今日も日本で帰ってくる人々を待つ。見慣れた景色や、いつも通りの日常の中で、お留守番をする日々も素敵だと思う。

いつも『行ってらっしゃい。どうか体に気を付けて、素敵な旅を。』と心の中で伝え、見送ることができる。

でもきっと、楽しいことだらけではない。
時々、悲しくて辛い時や、疲れる時もあると思う。もしそういうことが起きたなら、大好きな日常を思い出してほしい。いつでも待っているから。
もしも帰ってきたくなった時は、その時は『ただいま』と言ってくれればいい。

『世界は一冊の本だ。
旅をしない者は、本の最初のページだけを読んで、閉じてしまうようなものだ。』
ーアウグスティヌスー
 『長生きする者は多くを知る。
旅をした者はそれ以上を知る。』
ーアラブのことわざー

ずっと長く続く人生、最終目的地にたどり着くまでのレールは何本もある。
その中で、たまには過ごしてきた日々を思い出してくれたら。
そして、その時に『ただいま』と言ってくれたらいいな。

そしてまた、『行ってらっしゃい』というのだろう。
そしていつか、『行ってらっしゃい』と送り出される日がきたらいい。

これからの君の旅路が、素敵な日々で溢れますように

行ってらっしゃい。

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