#326 気になるあの子

所属ラグビーサークルには女子マネージャーが選手全体人数の3分の2はいた。9割以上が他大学から来ていた。僕の同期に当たる女子マネージャーも10人以上いた。中には高校時代ラグビー部のマネージャーをしていた人も一部いたが、ほとんどがこのラグビーサークルで初めてという人たちばかりだった。主に練習や試合を観に来て、そのまま飲み会に参加するのが役割だった。
僕は同期の女子マネージャーの中にお気に入りの子がいた。
それでも中々その子に話し掛けることが出来ずにいた。

春のシーズンが終わり、打ち上げの納会が高田馬場で行われた。
高田馬場駅前にある居酒屋「酒の蔵 だるま」(2022年閉店)にて行われた。春シーズンラストという事もあり、いつも以上に参加者が多く、大賑わいの中行われた。
飲み過ぎた何人かが寝てしまったり、トイレから出てこなくなったりしていた。
会も終わり、全員で外に出るもすぐには解散とならず、外でまた大騒ぎしていた。すると一人の女子マネージャーが飲み過ぎたのか横たわってもどしてしまっていた。何とその子は僕が気になっていた子だった。
僕はすぐに汚物を片付ける掃除を他の同期と行った。その子は大丈夫だよと陽気に笑いながら言っていたが、明らかに大丈夫そうではなかった。
他の女子マネージャーがその子に付き添って、彼女を送り届けることになった。
そうこうしているうちに解散となり、僕も家路へと着いた。
翌日、その子のことが心配だったので、他の同期の女子マネージャーの子に電話し、その子の連絡先を教えてもらった。そして僕は家の近くにあるミニストップの公衆電話からその子の家に電話した。東京出身の子で実家住まいだったが、思い切って電話した。
彼女が出てくれ、少し話すことができた。昨日、酔っぱらってしまったことは覚えていなかった様だが、二日酔いで気分は優れないと言っていた。
迷惑を掛けたと僕に謝っており、心配して電話したことに対してもお礼を言ってくれた。僕なりに頑張って行動したことに満足した。とても気分が高揚した。
続く…

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