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【番外その36 ラグビー夏合宿2】

大学ラグビー部の夏合宿は春シーズンが終わると約1カ月の長期オフを挟んで行われる。この長期オフを夏合宿に備え、いかに過ごすかで個人間の差が生じる事となる。束の間のオフにトレーニングを怠り、のほほんと過ごした後のツケは計り知れない。
夏合宿が始まり、自分自身の準備不足を感じた時には後の祭り。
日々の厳しい練習や試合に体力や気力が必要以上に削ぎ落されていく。
僕は大学2年の夏合宿でこれを経験。地獄の底に転げ落ちた気分となった。
この年の春シーズン絶好調で、春シーズン初戦がBチーム(2軍)で出場。
2トライで活躍し、その翌日にはAチームデビューとなった。
対戦相手は横川電機という社会人チーム。14番の先輩が試合開始早々に怪我で退場。その時、交代出場で僕の名前がコーチから呼ばれた。
Aチーム春の初戦ということもあり、早大東伏見グランドは溢れんばかりの観客で埋め尽くされていた。その中グランドに入って行った時の高揚感は忘れられない。
2日でAチーム迄上りつめたことを皮切りに春シーズン大躍進。
その後、全5試合で10トライをマーク。春シーズン中盤過ぎに行われた中国電力との試合でダブルタックルを受け、右手首骨折を負い、入院し、手術。夏合宿からの復帰となった。
グランドで見知らぬファンの方々から声を掛けてもらえることも多々あり、僕は完全に天狗になっていた。
夏合宿前のオフで十分なリハビリと走り込みを行わずに夏合宿へ臨んだ。
夏合宿はEチーム(5軍)辺りから始まるだろうと思って、夏合宿前日のチーム発表を見にいった。
Eチーム辺りに僕の名前はなかった。それよりも下なのかと思い、FチームやGチームも見るがない。その時、一緒に見に行った同期がBチームに僕の名前があることを教えてくれた。僕はまさかの上のチームでの復帰となった。
怪我からの復帰は通常、1~2チーム下のチームから始まることが多い。
僕は嬉しさよりも不安の気持ちを感じることとなった。

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