#279 後期突入
ハードだった夕刊配達があった夏休みも終わり、予備校の後期が始まった。
前期と夏季講習での試験の結果を踏まえて、成績順にAクラスとBクラスに分けられた。僕はAクラスに入ることができた。素直にとても嬉しかった。
早稲田大学の上位学部(政経学部、法学部、商学部)を目指しているメンバーも全て合わせた上でのクラス分けだったので大きな自信となった。
このクラス分けで、前期、、僕に良く話し掛けてくれた東京の進学校から奨学生待遇で来た二人がBクラスになった。
何故かそれ以降、廊下や自習室で会っても目を合わせてくれなくなったばかりではなく、挨拶すらしてくれなくなってしまった。
仲良くしていたと思っていた僕だけがAクラスになった事に対し、面白くなかったのだろうかと推測した。もしくは彼らのプライドを傷つけてしまったのだろうか。
僕は友達を作らないと言うマイルールを作っていたので、全く痛手には感じなかった。むしろ、すっきりしたぐらいだった。
噂ではBクラスから早稲田大学に合格するものはほとんどいないと言うことだった。
クラス分けした後も、週1回の校内模試は継続され、成績は毎週発表された。後期に入り、予備校内の緊張感が少し高まった気がした。
浪人生は12月以降急激に学力が伸びると言われている現役生に追いつかれ、引き離されない様、これからの期間はより大切なものになる。
僕は夕刊配達がなくなり、午後自習室で勉強する時間が復活したので夏休みの遅れを取り戻すべく、自習に精を出した。
新聞配達もすっかり慣れ、僕は毎朝バイクを降りた時は小走りで配達することにしていた。そうすることで配達時間が1時間近く早まり、指導係の配達員に驚かれた。「ちゃんと配っているんだろうな。」と最初は疑われた位だった。ベテラン配達員でも叶わない速さと言われた。
早く終わった時間をすぐに寮に戻り昼寝に充て、少しでも睡眠時間を確保することに努めた。
9月は台風が多いシーズンで何かと面倒なことは起きたが、これまでで耐性ができておりなんとか乗り切れる様になったいた。
続く…
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