#314 大学ラグビーデビュー戦

ラグビーサークルの初練習に参加した翌日、いよいよ練習試合で大学ラグビーデビュー戦の日を迎えた。
僕は特に気負いはなく、花園以来2年5カ月振りの試合にワクワクしていた。
花園で負けた試合から一時止まっていたラグビーキャリアがようやく本格的に再スタートすることになる。
前日の練習の影響で少し体の筋肉痛を感じつつ、準備を行い、試合会場のグランドへと向かった。会場は大井競馬場駅から徒歩10分位にある公園内のグランドだった。対戦相手は成蹊大学の成蹊桃太郎というチームだった。
僕は後半11番左ウィングとして出場した。
試合前の練習の雰囲気は前日の練習に比べると、緊張感があり試合に臨む空気を感じた。僕は感慨に耽る間もなく、練習に集中した。
試合自体は接戦となり、そのまま前半が終わった。
ハーフタイムを挟み、いよいよ僕の出番だ。先輩や同期が「頑張れよ」と声を掛けてくれた。僕は少しでも自分の良さを見せられれば良いなと思いつつ、グランドに入っていった。
試合では残念ながら僕にボールが回って来る機会はなく、ディフェンスも出番がなかった。
試合中、ようやく唯一僕がボールを触る機会が訪れた。
相手スタンドオフがハーフウェイラインより少し敵陣寄りのスクラムから出たボールをキック。そのボールが僕のサイドに飛んできた。僕は後方に戻ってボールを確保。ボールを確保した僕に相手バックスがプレッシャーを掛けてきた。僕はその相手を交わし、10メートル程前進し、フォローにきた味方フォワードにボールを繋いだ。
ボールを持って相手を交わして走る感覚を久々に味わえた喜びが少しだけ滲み出てきた。
僕がボールに触れたのはその1回のみだった。
試合は僅差で僕が所属するチームの勝利。大学デビュー戦を勝利で飾ることができた。試合後、先輩や同期から祝福の言葉を掛けてもらい、嬉しかった。とは言え、1度少しだけボールに触れただけだったので正直物足りなさを感じた。これからウェイトトレーニング及び走力を高めてより良いプレーが出来るようにやっていこうと思った。
続く…

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