#322　男山

僕は土まみれになりながら、明大新人と戦っていた早大新人を目の当たりにして大きな衝撃を受けた。
明らかにラグビーサークルで経験している緊張感とは異質なものを感じた。
今はとにかく日々のトレーニングを充実させて継続することを重視するしかないと思った。

ラグビーサークルの先輩も同期もとにかく、酒盛りが好きだった。
練習や試合の後は必ず飲み会が行われた。
僕がラグビーサークルに入るきっかけとなった同級生Kとその同郷の同級生Sの一人暮らしの家で良く集まって飲んだ。その時は大体そのまま彼の家に泊まった。同期５～6人で毎回大騒ぎだった。
同級生Ｓの住んでいたアパートの最寄り駅の近くにある居酒屋で男山という日本酒を初めて飲み、僕は見事撃沈してしまった。枡からこぼれるまで並々とつがれ、飲みやすさもありついつい飲み過ぎてしまった。
生まれて初めて、酒で潰れるという経験をしたのがこの時だった。
記憶も途中までしかなく、その後カラオケボックスに行った事も全く覚えていなかった。
翌日、同級生Sの部屋を後にし、同級生Kと池袋西武の７階にあった中村屋というカレー屋さんでカレーを食べた。飲み過ぎた翌日、当然気分は優れなかったが、何だか無性にカレーが食べたくなった。
ラグビーサークルの同期達は仲が良く、何かと集まった。
飲み会をしたり、部屋で飲んだり、時には合コンも行った。
人生初の合コンは飲み過ぎてしまい、豪快に潰れてしまった。
相手は同級生Sの友人達が連れてきてくれた女子で学習院大学の女子大生だった。初の合コンで緊張と気合いの入り過ぎだったのか完全に空回りしたほろ苦いデビュー戦となった。
途中までは覚えており、気になる子もいただけに残念な結果に終わった。
酒に潰れた僕を優しい同期達が家まで送り届けてくれた。
大学一年の春はお酒による失敗が重なってしまった。
ラグビーだけでなく、友人達との楽しい時間も多く大学生生活を満喫していた。
続く….