#275 束の間の休日

ゴールデンウィークに東京で二人暮らしている兄達と会う事になった。
僕に気を遣ってくれ、秩父宮ラグビー場で開催される早稲田大学VS日本体育大学の試合を一緒に観に行くことになった。
2人は僕が受験が終わった後に見に行ったマンションに四月より住んでいた。
ゴールデンウィークで予備校も休みの日、秩父宮ラグビー場のある外苑前駅で待ち合わせた。
この日の試合は春に行われるオープン戦という秋以降のシーズンを見据えての試合だった。
ただ、有料試合なのでお互いファーストジャージを着て対戦する。
僕が来年に合格し、ラグビー部に入部した際に先輩になるであろう選手達が出ていた。
僕は二浪目なので、同級生で現役で入学した選手は早稲田大学ラグビー部2年として活躍している。その選手達を見て悔しさや羨ましさみたいな感情は少なからずあった。

序盤から早稲田は劣勢に立たされ、日本体育大学がリード。早稲田は怪我人が出ていてベスト布陣は組めていない様だった。
早稲田は試合でも怪我人も出て、更に苦しい展開となった。結局、見せ場らしい見せ場がなく日本体育大学の勝利となった。
ラグビーに詳しくない兄が「早稲田強くないね。日体大の方が強かった。」
僕はこれから自分が入部を目指している早大ラグビー部をその様に言われ、悔しかったが兄の言うのも最もだったので言い返すことができなかった。
正直イマイチの内容の試合で気分がモヤモヤした。
試合が終わってから兄達と軽くご飯を食べてから別れた。僕は翌日も新聞配達があるので、足早に寮に向かった。チラシ入れを行い、出来るだけ早く寝なければならなかった。
束の間の休日で兄達と久々に会い、いろいろ話せて気分転換になった。
早稲田ラグビー部が気持ち良く勝って、清々しい気分になりたかったが残念ながらその様には行かなかった。
とは言え、早稲田ラグビーの赤黒ジャージを目の当たりにし、モチベーションは確実に上がった。
僕はチラシ入れを始めた瞬間からまたいつもの日常へと戻っていった。
続く…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?