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戻ってこないで欲しい


年末に、中学生の時にカウンセリングに
通ってくれていたAさんが
「奥園清香」という名前を検索して
事務所に電話をくれた。

Aさんは、中学時代に悩んでいたことは
乗り越えて、その後の進路では、
夢も叶いスポーツの世界で成功を収めていた。

高校も大学も社会人になってからも
大好きなスポーツをやり続けられる
人生を歩んでいたことを教えてもらい

Aさんは、カウンセリング終結してから
本当に輝く未来が待っていたし
その道を歩んでいたんだと

会っていなかった数年間の時間の流れを
感激・感動しながらお話しに耳を傾けた。

Aさんの人生にカウンセリングが
与えた影響なんて、
私とのカウンセリングルームでの時間なんて、
Aさんの人生の中のほんの一瞬のことだったと思う。

でも、あのカウンセリングで
夢を諦めず、進んだ時間の中で

出逢えた人も、進路も
未来も全て変わったんだと思うと
Aさんが、夢を叶えてくれていたことに
感情が込み上げてきた。

カウンセラーをやり続けていて
本当に良かったと思う気持ちになる。

そんな風に、喜びに包まれている
私の心とは裏腹に
目の前のAさんの顔は、輝いていない。

夢が叶って素晴らしい進路を歩んでいる報告なら
もっと早くカウンセリングルームに来ているはず・・・

今のタイミングで、目の前のAさんは
なぜ、私を探したんだろう?

「どうして私を探して見つけてくれたの?」

口火を切ってみると
悲しい今の現実を話し始めてくれた。

夢を叶えた学生時代からの
”好き”を、”得意”を、仕事にできて
社会人になり、社会に出て

それはないだろう⁈という『現実』

今の生活に、追い込まれているから
私を「探してくれた」という事実を知り

「再会できてよかった」
Aさんが、子どものときカウンセラーとして
出逢えて、よかった。

そんな風に思いたいけれど
“感情”の部分では、
その気持ちを打ち消す自分もいる。

中学時代、あんなに苦しんで
乗り越えて、今、また、Aさんに
こんな苦しみを与えられるなんて。

無情であり非情に感じる。

私はスケールの大きな人間ではないことを
自分が、一番、よくわかっているので、
小さな自分の器で思う。

クライエントさんは
カウンセリングを受けて
セルフカウンセリングができるようになり

自己対話のレベルで、
物事を解決できるようになれば
もう、そのクライエントさんの人生に
カウンセリングが必要なくなってほしい。

カウンセリングに戻ってくることなんて
起こって欲しくない。

新たな問題が起こることは試練であり
試練を乗り越えても、その人に必要な試練であれば

また、新たな課題が起こり
その課題を解決する力があるからこそ、
その人の目の前に試練は起こるのであろう。

カウンセラーとして
知識としては、理解しているつもりでいるけれど
心では、やりきれなくなることが多い。

カウンセリングを終結した方には
その後の人生に
穏やかな幸せな生活があって欲しいと思う。

幸せを感じられる毎日が続いていてほしいと思う。

これから、Aさんと共に
新たな試練に向けて、解決の光を見つけていく。

その想い新たに、次こそはカウンセリングルームに
Aさんが、戻ってこなくてもいい”選択の方法”までも
共に探していきたいと思っている。

今日、どうしても、新年最初の投稿で
書きたかったのは

カウンセリングを終結した後に
クライエントさんが、
自分で、見つけ出した「こたえ」を胸に
状態を安定し、保っていけるか?

どれだけ、自分の「生きる力」に変えられるか?を
もっと、強固にできるよう
カウンセラーとして、力をつけたいと思ったから。

カウンセラーは、クライエントさんが
カウンセラーを通して
自分の姿を映し出す「鏡」になる。

それがカウンセリングであると思う。

「鏡」が曇っていないことはもちろんのこと
鏡の大きさが大きい方が、

クライエントさんは自分の姿を
丁寧に観ることができ
見えていなかった部分まで見えるはず。

だから、カウンセラーである私は
自分の鏡を大きくする努力をしたい。
と強く想う。

今年も年賀状で今までのクライエントさんから
笑顔溢れるお顔の年賀状をたくさんもらった。

新しい生活、幸せな家族、新しい環境
輝いているお顔が観れれば、
それだけで安心し幸せな気持ちになる。


今年も、関わらせて頂けるすべての人の
幸せと笑顔が守られる毎日であることを

切に願って、自分にできることを
最大限の力でできるよう日々精進したいと思う。


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