見出し画像

【1989年100日旅】37日目。モスクワ

1989年5月12日は旅の37日目。妹は友人宅へお泊まり、父はミンスク、母と弟は知人と出かけてしまい、学校から帰ったらホテルの部屋には誰もいなかった。窓から重い空が見え、飛行機の音が低く聞こえる。父の知人に渡すための漫画「はだしのゲン」がまだある部屋で、一人で留守番する羽目になった恨み言が日記に書いてある。

日本からは漫画以外にも様々なものを持って行った。その中で木刀は、渡航時に機内でCAに保管してもらったのに降りるときにはなくなっていた。木刀が見つかったのは1ヶ月も過ぎた後。その間、「スカジーチェ パジャールスタ グジェ カタナ(刀はどこですか?)」という言葉が我が家の流行語になった。

ボールペンもたくさん持って行った。ソ連の文具は質が悪くて、すぐにインクが出なくなり、ボールペンの先をライターで炙らなきゃいけなかったから。ソ連を発つ時に、今後はこんなに文具は必要ないから、と使いかけの文具をモスクワ大学の寮の人目につくところに置いてきたら、あっという間になくなった。

そんな感じの37日目。旅は残り63日。

この記事が参加している募集

最後まで読んでくれてありがとう。気に入ってくださったら、左下の♡マークを押してもらえるとうれしいです。 サポートしてくださったら、あなたのことを考えながらゆっくりお茶でもしようかな。