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デジタル分断がもたらす教育格差

PRディレクターのさやです。

今日はコロナ渦における教育格差について考えます。

新型コロナウイルスにより私たちの日常生活は大きく様変わりしましたが,教育環境もオンライン学習という新しい方法が主流になりました。今は対面授業に切り替わっている学校・国もあれば,まだオンラインが続いている環境もたくさんあります。しかし,オンラインに切り替わったからと言って,本当にオンラインの授業を受けられている子どもはどれくらいいるのか,ユニセフがレポートを発表しました。

ユニセフの最新レポートが浮き彫りにした教育現場

今日ユニセフが発表したレポートによると,世界の13億人の子どもが自宅にネット環境が整っていないことがわかりました。

ユニセフ(国連児童基金)と国際電気通信連合(ITU)の新しい報告書によると、世界の学齢期の子どもの3分の2、つまり3歳から17歳までの13億人が、自宅でインターネットに接続できないことが明らかになりました。

これは17歳までの子どもだけでなく,24歳までの若者間においても,世界の約60%がインターネットに接続できていないとされています。

「多くの子どもや若者が自宅でインターネットを利用できないことは、デジタル・ディバイド(gap:裂け目)というより、言うならばデジタル・キャニオン(canyon:峡谷)です」とユニセフ事務局長のヘンリエッタ・フォアは述べました。

インターネットに接続できないことがもたらす弊害

インターネットへの接続環境がないということは,デジタル世界へのアクセスがないということです。適切な教育を受けることももちろんできません。SDGsの「目標④質の高い教育をみんなに」に明らかに反している現実です。

そして,このデジタル格差は所得格差につながります。自分の親の所得を上回ることが非常に難しい貧困の連鎖に陥りやすくなってしまいます。

世界的に見ても、裕福な家庭の学齢期の子どもたちの58パーセントが自宅でインターネットに接続しているのに対し、貧しい家庭の子どもたちは16パーセントに留まります。この格差は、国の所得水準によっても存在します。自宅でインターネットに接続できる低所得国の学齢期の子どもは20人に1人未満に留まっているのに対し、高所得国では約10人中9人です。

このようにそもそもインターネット環境がないという環境に加えて,注意しなければならないのは,本当にインターネット環境がないことだけが問題なのかという点です。

つまり,女の子はインターネットを使ってはいけない制限がある,家事を手伝わさせられて勉強にあてる時間が十分にとれない,ネットリテラシーの低さにより接続ができないなど,様々な問題が複合的に存在するということです。

根本的にインターネット環境がないことはもちろん課題ですが,加えてジェンダー観や教育に対する価値観からのアプローチも必要であることを理解しておくことが非常に重要でしょう。

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