何故か覚えている詩がある

君が瞳はつぶらにて
君が心は知りがたし
君をはなれて唯ひとり
月夜の海に石を投ぐ

「少年の日」佐藤 春夫の一節より。

何故だか中学の教科書(国語便覧)に掲載されていた、この詩をずっと暗記している。特に授業で触れられたわけでも、テストに出たわけでもない詩の断片。

どの部分が当時の私の琴線に触れたのかは最早定かではないけれど、今でも思い出すのは青春ならではの少し胸が痛くなるような、気恥ずかしいような、刹那的な一瞬のきらめきだ。

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