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心を開いて、”選択肢を選べる自分”に気づく 。猪股奈穂子さんの「笑顔」と「元気」の理由

とある休日、とある公園のベンチにひとり腰かける。その日は風が吹いていなくて、よく晴れた日。それでもやっぱりまだ寒い、2月最後の日。

私はホットドリンクを飲みながら、クレープを口にほおばっていた。

ホットドリンクは”オーツミルクチョコ”。素朴な味わいに身体はすぐに馴染んだ。あたたかさと甘さで心がほぐれていく。身体と心に優しいドリンクを、私は無心になって飲んでいた。

クレープはバナナを選んだ。生クリームがたっぷりで、もっちりした皮。食べ応えがあるはずなのに、一瞬で食べ終えてしまった。久しぶりのクレープを楽しみにしていたのに、「もったいないな」と思いつつ、お腹と心は十分、満たされている。

美味しくて、身体にいいものを取り入れて、自然のなかでゆったりと過ごす。

そんな至福のひと時に、身体を休ませること、自分をいたわることについて考えてみた。



もし、「なんだかわからないけれど、身体が重くてだるい。やる気が起きない・・・」といったお悩みを抱えている方がいるとしたら。

私はある方の体験談を届けたい。

もちろん、体調不良の原因は人それぞれ。専門家でない私は「こうすればよくなる!」とは、けして言い切れない。

それでも、どんな風に体調不良を克服されたのか、その過程や考え方をお伝えすることで、同じように悩んでいる人が状況を変えるきっかけを見つけられるのではないかと思ったからだ。

キッチンカーを経営されている猪股奈穂子さん。第一印象は「元気ハツラツ」という言葉がぴったり。パッと場を明るくする笑顔を向けて、優しく穏やかな口調でお話しをしてくださった。

奈穂子さんの活動は幅広い。キッチンカーでスイーツやドリンクを販売する以外にも、睡眠の大切さを伝えるSNS投稿やLiveでの発信、アロマ講座開催などがある。

そんな活動的な奈穂子さんも、体調不良で悩んでいた時期があったそうだ。

「原因は『副腎疲労』が関係しているのかもしれない」

調べていくうちに、一つの可能性にたどり着いた。副腎疲労とは、その名の通り、副腎が疲れている状態のこと。身体に必要なホルモンをつくる副腎がストレスなどで疲労すると、様々な体調不良を引き起こす原因となる。

お話を聞いていると、身体に重い鉛を引きずっているような、つらい状態を想像した。

奈穂子さんはそこからどうやって身体の調子を整えていったのだろう?
そして、ご自身の経験と活動を通して伝えたいこととは?


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猪股奈穂子(いのまた・なおこ)さん 
キッチンカー𝚂𝚞𝚗𝚗𝚢 𝚂𝚙𝚘𝚝 𝙲𝚊𝚏𝚎 で身体と心に優しいスイーツを販売している。出店先は主に埼玉県。SNSでは栄養、アロマ、睡眠などの情報を発信することで、イキイキと輝ける毎日を過ごすための選択肢を提供している。元保育士、1児の母。

ーー副腎疲労と思われたとき、奈穂子さんはどんな状態だったんですか?

おかしいなと思ったのは、お腹をくだしやすくなったときでした。最初は原因がわからなかったんです。

でも、ほかにも色々と症状が出てきて。朝の寝起きはもともと良くありませんでしたが、「起きるな!」と頭を押さえつけられるようですごく辛かったです。やっと起きられても眠気はずっと覚めませんでした。

頭に霧がかかったような状態がずっと一日続いている感じ。その頃は保育士をしていましたが、子どもたちのお昼寝の時間に一緒に寝たくて仕方がありませんでしたね(笑)。

仕事から帰宅して夕方に「ごめん、寝かして」と息子に言って、10分間寝てからでないと、家事ができなかったんです。

あとは、いつもイライラしていました。息子に対して細かいことが気になり、ガミガミ注意していると、息子にも私のイライラがうつってしまって・・・。

ーー私は奈穂子さんが元気になった後にお会いしているので、当時の状況が全然想像できないです(笑)。

調子が悪かった頃の私を知っている方に、最近お会いすると「誰だかわからなかった。すごく元気になったみたいで良かったね。」と言われるくらい見た目が変わりました。

頬が下がって疲れた顔をしていたのですが、それが今では口角が上がって、イキイキした顔に変わっていると自分でもわかるくらいです。体調面だけでなく、気持ちの面でもイライラしなくなったので、息子との関わりも変わっていきました。

ーー奈穂子さんは「元気ハツラツ」という印象があります。目もきらきらしていて綺麗ですよね。体調をよくするために取り組まれていたことを教えてください。

本当ですか?ありがとうございます!やっていたのは、「副腎疲労」を解消するための取り組みでした。

睡眠に関する講座を受けたのですが、そこで副腎疲労について学びました。副腎疲労による症状は、私の体調不良の状態に当てはまるものがとても多かったんです。また、副腎が疲れる原因に腸内環境が関係していることも知りました。

なので、まずは腸内環境を整えることから始めました。小麦と乳製品を抜いて生活してみると、お腹の調子も良くなっていきました。

一度、調子が安定してきた頃、私がお腹をくだす原因が本当に小麦や乳製品なのかを確かめるために、また小麦や乳製品を食べてみたんです。

そうすると、お腹の調子が再び悪くなったり、身体がだるくなったので、私の場合、やっぱり小麦や乳製品がお腹をくだす原因になっていたのだなと思いました。それから朝食はパンではなく、玄米や雑穀米に変えました。

あとは、野菜たっぷりのお味噌汁を作ったり、良質な睡眠に重要な「トリプトファン」という栄養素を意識した食事を心がけました。

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また、サプリメントも取り入れてミネラルやビタミン、抗酸化物質、オメガ3といった栄養素もしっかり取り入れていきました。

食品の添加物にも気をつけましたね。野菜もなるべく有機野菜や減農薬のものを選んだり。

食事だけでなく、睡眠の環境も整えていきました。講座で教えてもらった通りに、夕食の後は照明を暗くしていき、お風呂は洗面所の電気だけにしました。これ、結構心地いいので、気に入っています。

アロマもよく使っています。足裏に塗ったり、デフューザーを使ってお部屋をアロマの香りで満たして、リラックスできる状態で寝るようにしていました。

ーー食事で腸内環境を整えたり、「睡眠の質」を向上させるなど、いろいろ工夫されたのですね。体調が良くなるにつれて、息子さんとの関係も変わったとのことですが、どんな風に変わっていったのでしょうか。

私自身、食事ですごく変わりましたが、一緒に食事をしている息子にも良い影響があったと思います。

息子との関係は、食事のほかにアロマの影響もあったかもしれません。

私は以前からアロマが好きで保育士時代からよく使っていました。でも、息子は私が使っているのを見ていても、最初は「俺はいいや〜」って感じで。

特に興味を示さなかったのですが、そのうち「塗って!」と言ってくるようになったので塗ってあげたんです。塗る回数も次第に増えていきました。

そしたら、ある日突然「ママ、大好き!」と言ってくれるようになったんです。その日を境に、一日何十回も「大好き」や「ありがとう」を言うようになりました。

あと、寝る前と起きる前、足裏にアロマを塗ってあげていたら、スッと起き上がれるようになったんですよね。

私が朝起きるのが辛かったときは、息子も寝起きがよくありませんでした。「起こさないで!向こう行って!」と言われ、朝からケンカをしていたくらいだったのですが。

だから「この子、どうしちゃったのかしら?!」と本当にびっくりしましたね(笑)。

今思うのは、アロマを通して私がタッチしてあげたことが良かったのかなと思います。触れてあげることで安心感に繋がって、満たされたのかなと。アロマを塗ってあげると、アイスを食べるときのように、「やったー!」と喜ぶんですよ。

私が使っているのはメディカルグレードと言われる、100%天然のものです。たとえば、オレンジの香りだったら、皮を折り曲げて絞ったときの汁がそのまま全てビンに入っています。

保存料など人工的なものが一切入っていないので、肌にも安心して塗れます。足裏は動脈と静脈が集結している場所。そこに塗ることで血流に乗って全身に巡るので、オススメですよ。

息子の変化を見て、アロマを伝えたいとより強く思うようになりました。

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ーー奈穂子さんと同じような症状で困っておられる方に伝えたいことはありますか?

そうですね。ふり返ると、こだわりや先入観をまず手放すところから始まったのかなと思っています。

たとえば「◯◯で売られているものは品質の高いものが多い」というイメージがあったとしても、実際に使ってみるとそんなことはなかった、自分には合わなかった、ということがあったりしませんか?逆のパターンもありますよね。

「そんなことで良くならない」と思ってしまったら先に進めない。
私自身も、「◯◯で本当に変わるの?」「△△で本当に良くなるの?」と最初思うことも、実際に試してみるとイメージと全く異なっていたことがたくさんあります。

イメージを取っ払って試してみたからこそ、わかることがあって、ここまで変化できたのかもしれません。

いろんなことを知っていく度に、「自分の目で見て感じたことで判断していく大切さ」をひしひしと感じます。

オープンマインドでいることで、良い方向に向かっていけることを伝えていけたらいいなと思います。

ーー現在は体調不良を克服されて様々な活動をされていますが、改めて奈穂子さんの活動について教えてください。

キッチンカーでオーツミルクのドリンクを中心にスイーツ系のメニューを出しています。

先ほどお話したように、私自身、小麦や乳製品によってお腹をくだしてしまったことがあったので、そういった方にも提供できるドリンクやスイーツがあればいいなという想いから始めました。

キッチンカーでそれが実現できたのは、兄が知り合いの方に私のことを話してくれたのがきっかけでした。その方がもともとキッチンカーをやっていた方だったんです。アドバイスをいただきながら進めていけました。

キッチンカーはお客様が「かわいい!」と言って褒めてくださるんですよ。自分の好きな色で塗ったりして、自分好みに改装しています。

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DIYが好きな方やリフォームのお仕事をされている方が、「こういうのをうちでもやりたいと思っていたんです。」と楽しそうにお話してくださるのがすごく嬉しいですね。

ドリンクメニューで使用しているオーツミルクは、「牛乳をやめよう」と思っていた頃、代わりになる飲み物を調べていて知りました。いろいろと試してみて、オーツミルクが私の中で一番美味しかったと感じました。

オーツミルクは植物性のミルクで、癖がなくて飲みやすい上に身体にもとて良いんですよ。シチューやお鍋といったお料理にも使えます。

今使用している、オーツミルクの製造業者さんは自社の製品のことが大好きな方で、楽しそうに製品のことを伝えてくださるんです。「この方もオーツミルクが大好きなんだろうな」と伝わります。

そういった方のご縁もあってオーツミルクを使ったメニューができあがりました。

ーーお客様の声で印象に残っている言葉はありますか?

キッチンカーでの活動では、クレープを食べた瞬間、「うま!」「美味しい!」と言ってくださった時にすごくテンションが上がります(笑)。

オーツミルクのドリンクを初めて飲むお客様には「オーツミルクとは何か?」の話からしています。飲む前は「どんなものかな?」と思いながらでも、飲んだ後は「何これ、美味しい!」と反応が返ってくるのも嬉しいです。

アロマや睡眠の話を伝えていく中でも「教えてくれてありがとう」と言われたときは、伝わって良かったなと思いますね。

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ーー「キッチンカー」「アロマ」「睡眠」と一見すると、全然違う活動のようですが、全ての活動に共通点はありますか?

共通点はやっぱり、「良いものを教える」ですかね。私が良いと思った情報を提供するのが共通点だと思います。好きなものや美味しいものを見つけたら、「こんなのもあるんだよ!」と人に伝えたくなるんです。

その人が今使っているものに対して「こっちの方が良いよ」と押し付けるのではなく、自分が良いと思ったものをただ伝えるのを自然とやっている感じです。

昔から発信することや教えることが好きだったのだと思います。子どもの頃、誰かに頼まれたわけでもないのに、家族に向けて新聞を書いたりしていたくらいなので(笑)。

伝えてみると「なおが言ったものは全部おいしいから、これも絶対美味しいはず!」と友人に言ってもらえることもあって、すごく嬉しいですね。

ーー最後の質問です。今後やってみたいことや、どんな風に活動されたいのかをお聞きしたいです。

睡眠やアロマ、キッチンカーの美味しいスイーツなど、私が身体にとって良いと思うものを提供することで「そんなのもあるんだ」と、いろんな選択肢があることを知ってもらいたいです。

大きな病気ではないけれど、以前の私のように身体の不調が続いている方は多いと思うんですよね。

でも、病気と言われないからこそ、身体の調子が良くない状態だと気づいていない人もいる。

風邪もひかないし、熱も出ないからとお仕事とか頑張っちゃうけど、身体が疲れているから頑張れない。それなのに、「頑張れないのは私が怠けているからだ」と自分を責めてしまう人も多いのではないでしょうか。

「それは身体が疲れていて、ベストな状態じゃないよ。治せるよ!」という気づきが、いま一番必要とされているのではないかと考えています。私がそこをサポートできれば、と思うんです。

あとは、私がやりたいことをやることで「こういう人もいるから、自分も何かできるかもしれない」と思ってもらえたら。

夢の大きさや年齢に関係なく、やってみようと思ったときに動ける人が増えて、みんなが「本来の自分」で輝ける世の中になっていたらいいなと思いますね。

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キッチンカー 𝚂𝚞𝚗𝚗𝚢 𝚂𝚙𝚘𝚝 𝙲𝚊𝚏𝚎



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