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志望校不合格の最高の青春

こんにちは。ヨガインストラクターの吉田紗弥です。
8月に入り夏休みで遠方へ行かれる方も多いのではないでしょうか。楽しい旅行ができるといいですね!
今日もヨガ哲学のお話から入りたいと思います。
今から約2000年前に成立されたとされるヨガの根本経典「バガバットギーター」には私たちの生活をよりよくしていく賢者の教えが記されております。その中から一説ご紹介いたします。

「土塊や石や黄金を等しいものと見て、好ましいものと好ましくないものを同一視し、非難と称賛を同一視する。」

このバガバットギーターという書物は国や宗教を超えて世界中で読まれている叙事詩であり、戦士であるアルジュナと神様であるクリシュナの二つの会話から成り立っているお話です。神様のクリシュナは、目の前の大きな課題で悩む戦士のアルジュナを励ましていく物語となっています。
この一説の意味とは、まず土の塊であっても石であっても黄金と同じように見て、好きなものと嫌いなものを同じように考え、そして咎められることと誉められることを一緒に考えなさい、という教えになります。

物事というのは全てはニュートラルに存在し、その価値を決めるのは自分自身だということだと教えてくれています。物事、出来事には良いも悪いもなくただ一つの事実として存在しており、物の見方や考え方によってその出来事や物事が変わっていくのだと教えてくれています。

例えば、3年ほど前にコロナが拡大し緊急事態宣言が出されました。この事について、「コロナはとても恐ろしいものだ、危険だ」と怖がったり、「自由に外出ができなくなってとても不自由だ」と嘆くのか、もしくは「免疫力を高めるチャンスだ」あるいは「在宅ワークが増え家族との時間が増えた」「家でゆっくり読書ができる」とポジティブに考えるのかでこの緊急事態宣言が出た出来事は見方によってマイナスにもプラスにも考えられるというわけです。

私たちは自分の望まない現実が目の前に差し出された時や、苦手なこと、気の進まない事が起こったりすると途端にネガティブになり、そのネガティブな面ばかりを考えがちです。けれども見方を変えて、考え方を少し変えポジティブな面に目を向けた時その現実は実はとても美しく素晴らしいものに見えるかもしれません。

私の話になるのですが、私の出身は四国の徳島県で当時徳島県の公立高校の入学試験は総合選抜入試制度というのが行われており、公立高校の入試を受け、合格した学生は第1希望から第5希望までの学校に平均的に振り分けられるというものでした。この制度は現在ではあまり使われなくなったようですが、当時は学校格差を解消するため学区に生徒を振り分けていたようです。

当時私はその総合選抜入試を受け自分の第一希望の学校を家から遠い高校へ決めていました。
なぜならその学校の制服がセーラー服で可愛く、また吹奏楽部が強かったのです。
しかし入試に合格したにもかかわらず第一希望の学校ではなく第2希望の学校に決まってしまいました。
当時かなりショックを受け、悲しみに暮れ母に泣きついたのを今でも覚えています。しかしそれでもその学校に行かねばなりません。
中学から続けていた吹奏楽部にまた入り、第一希望の学校は県で当時一番強かったのですが、私の入った高校もそれなりに結果を出している学校で、特にマーチングバンド(歩きながら楽器演奏をしたり行進すること)に力を入れておりました。

しかし吹奏楽部に入ったのはいいものの、練習量がものすごく多いのです。
もちろん放課後、土日、大型連休など朝から晩まで楽器の基礎練習、合奏、また体育館を使ってマーチングの練習など、他の体育会系の部活に比べても練習時間は長く寒い雨の日や暑い晴れの日も関係なく練習続きの毎日です。

朝早い時は補修の前に音楽室で練習、そして放課後はバスケ部などが練習を終える夕方までは音楽室で練習、そしてその後体育館が使えるのでその後に体育館を使ってマーチングの練習。
体力も使うので家から持ってきたお弁当では足らず、ダイエットしているという友達のお弁当をもったいない!と食べたり、男子のように早弁をしてお昼は学食などど、可愛げのない高校生だったかと思います。

私は当時初めて彼氏ができ同じクラスの同級生だったのですが、デートをする暇も全くなく、帰ってからPHSで長電話するくらい。彼は帰宅部でしたので彼自身は時間がたっぷりあったようで放課後は友達と遊んで、私の部活の練習が終わる頃になって一緒に帰るという流れのデートになっていました。
当時の私にとっては「もっと普通の女子高生みたいに彼氏といっぱい遊びたい!バイトとかやってみたい!」と不満の毎日。

ある日、夜遅くまで練習が終わり彼氏が迎えに来てくれたのですが、
「今まで何してたの?」と聞くと「缶蹴りしてたよ〜笑」とさも楽しげな様子で話すのです。「こちらとやら県大会、四国大会目指して真剣に練習しているのに、帰宅部はお気楽だよな〜」と僻み、妬みが込み上げてくるのです。

そして夏休みに入り、練習も本格化し、学校の体育館は小さいので本番と同じような大きな体育館で練習するとのことで市外にある体育館を使うことになりました。当日の田舎の高校生にとっては市街から出て、わざわざ30分もかけて電車に乗り練習を朝から晩までマーチングの練習を続けることは、まさに地獄。
終わった後は体育館のど真ん中で汗だくになり疲れ切って大の字で寝ているという始末。そして帰りの電車はなく母親が車で迎えに来てくれるのですが、私が車内に入った途端、その汗臭さに「くさーーー!」と言われ車の窓をウィーンと開けられるのです。そういう日が何日か続き、私の中にある不満はどんどん大きくなってきました。
「高校生ってもっとキラキラしてるものだと思ってた」「彼氏ともっと遊んで青春したい!」「というかそもそもこの学校に入ったのが間違いだった!あの時なんで第一希望の学校に入れなかったんだろう」と考えてもしょうがない事などを考え出し、悪い方悪い方に考えが止まらずに不満ばかりを溜めるようになりました。

「もうやめたい」が口癖となり、そして夏休みの補修や部活をサボって彼氏と遊ぶようになりました。
けれども心の中では「大事な仲間が今頑張って練習している」「今回休んだら次の練習についていけなかも」と後ろめたい気持ちが出てきてデートを楽しめません。

部活もデートも補修も全てが中途半端になり、気持ちに整理がつけないでいると、
その彼氏が突然アルバイトを始めたのです。
「さやが部活の練習も補修も真剣にやってるし自分はアルバイトと補修頑張るよ。一緒に頑張ろう」と言ってくれたのです。

その時心に引っかかっていたもの、不満になっていたものが取れたような気がしたのです。「そうだ、私は第一希望の高校に行けなかったけど、この学校で初めての優しい彼氏もできたしマーチングバンドが強いこの高校でみんなと頑張ればいい結果になるかも」とそこから練習に真剣に向き合うようになりました。

同じ仲間と暑い夏の練習に耐え、県大会、四国大会、そしてなんと全国大会初出場を決めたのです!
ど田舎の高校生が千葉の幕張メッセで演奏するという大舞台です。全国大会はそれはそれは刺激的な経験でした。大きな会場で全国からたくさんの人が来場し、全国トップレベルのマーチングバンド部が集まり圧倒的な迫力のある音楽を奏でていくのです。
自分達の演奏も悔いの残ることのない達成感と充実感、これ以上のない感動で締めくくることができ、全国1位にはなれなくても人生の素晴らしい思い出となっています。

あの時部活をサボらずそしてあの時部活を辞めず、嫌なことばかりを考えるのをやめて見方を変えポジティブさを出しながらその可能性を信じた結果、今でも思い出せば目の前に蘇るほど素晴らしい青春の思い出ができたのです。

私たちは、普段自分の好まないこと、嫌なこと、苦手なことが目の前に差し出された時、ネガティブに考えてそのことばかりを考えてしまいがちです。けれどもその物事の見方を変えた時私たちはすでに大きな可能性を手に入れていて、人生を楽しく謳歌することができるはずです。

まるでありのままの世界を飛び回る蝶のように、私たちも目の前に差し出だされている現実を楽しみ、人生の大きな可能性を信じ進んでいくことにしましょう。

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